国際送金ソリューションを提供するリップル社が5月14日、新たなプロジェクト「Xpring(スプリング)」を発表した。リップルのデジタル資産XRPや、分散型台帳XRP Ledgerを活用して顧客の課題を解決するプロジェクトへ投資、インキュベーションの支援を行う。
ブロックチェーンを活用して既存の金融の仕組みを効率化するフィンテックでは、日々数多くの起業家が興味を示し、参入してきている。リップル社には、起業家や開発者からXRP関連のプロジェクトに対して何かしらのサポートが欲しいという声が寄せられていた。そんな中で、同社は真剣に取り組む起業家たちがビジネスを成長・繁栄させることをサポートするためにXpringを立ち上げたと言う。
起業家にとって有益なサポートを提供するため、リップル社はチーム体制も整えた。Xpringとリップルの開発プログラムを牽引するために、2009年から2012年にかけてFacebook Developer Networkのディレクターを務めたEthan Beard氏を上級副社長に任命している。
Xpringは、XRPの国際送金以外のユースケースを増やすことにも寄与するだろう。実際、XRPとXRP Ledgerの特徴である迅速さや、スケーラビリティ、安定性は、貿易金融やゲームなどのバーチャル商品、出資、不動産、保険、デジタルメディアなどの事業における多くの課題を解決するはずだ。
5月14日時点でXpringが支援しているのは、以下の起業家たちだ。
Scooter Braun
エンターテインメント企業SB Projectsの創業者。XRPを使用したコンテンツの収益化や、コンテンツの管理管理体制を向上させる取り組みを行っている。
Stefan Thomas
リップル社の前CTOでInterledger Protocol(ILP)の発明者、BitcoinJSの創始者、TxtBearの共同創設者。ILPによるマイクロペイメントサービスであるCoilを創設。
Thomas McLeod
データストレージ企業Omni(オムニ)の共同創設者兼CEO。今後、XRPをOmniマーケットプレイスの通貨として統合予定。
Bart & Brad Stephens
ブロックチェーンや仮想通貨に特化したベンチャーキャピタルであるBlockchain Capitalの共同創設者。ブロックチェーン分野でのイノベーションを促進することに焦点を当て、デジタル資産分野では初めての資金提供を受けた。
SB Projectの創設者であるScooter Braun氏は、こうコメントしている。「ブロックチェーン技術とXRPのようなデジタル資産は、アーティストたちに新たな流通チャネルと収益源をもたらすでしょう。これにより芸術的な自由をさらに高められ、われわれは、エンターテイメント業界で初めてブロックチェーン活用に乗り出す数少ない存在となります。しかしこれは、われわれが今後XRPに関するユースケースを生み出すためのほんの始まりに過ぎません」
Xpringチームはすでに何百ものプロジェクトを審査してきているが、まだまだ起業家や企業への門戸を開いているようだ。Xpringについてのさらに詳しい情報は、Xpringのウェブサイトで確認できる。
【参照サイト】Welcome to Xpring
【関連ページ】XRPとは?特徴・仕組み・購入方法
【関連ページ】XRP初心者ガイド – 最新ニュース・特徴・仕組み
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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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