プロが教えるマンション査定のポイントとは?売却価格を上げる方法も紹介

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マンション売却で大事なことは、「高い査定額を提示する仲介業者を選ぶこと」「実際に高い金額で買主を探すこと」の2つです。実際の売却は仲介業者の手腕にかかっていますが、売主としてできることもあります。そこで今回はマンションの査定価格を上げるポイントと、高く売るコツをご紹介します。

  1. 1 仲介業者を選ぶ3つのポイント
  2.  1-1 複数の業者に査定を依頼
  3.  1-2 高い査定額を出せる仲介業者の条件
  4.  1-3 高く売れる業者を見分けるポイント
  5. 2 査定価格を上げる4つのポイント
  6.  2-1 査定のポイントを知っておく
  7.  2-2 査定依頼の時期を見計らう
  8.  2-3 魅力的な部屋に見せる
  9.  2-4 アピールポイントをまとめておく
  10. 3 高値で売るために必要な3つのポイント
  11.  3-1 専任媒介契約がおすすめの理由
  12.  3-2 足元を見られない売出価格の決め方
  13.  3-3 売却時期に注意する

1 仲介業者を選ぶ3つのポイント

マンションを高く売却するためには仲介業者選びが重要です。営業力があること、周辺エリア情報に詳しいことはもちろん、最適な買主を見つけ出すスキルも必要です。
まずは、適切な仲介業者選びのポイントをご紹介します。

 1-1 複数の業者に査定を依頼

マンション売却では物件がどの程度の価格で売れるのかを調べる必要があります。そこでまずは、仲介業者に物件の「査定」を依頼します。目安としてどの程度の価格で売れるのかを把握できれば、買い替えなどの計画も立てやすくなります。

ポイントは複数の業者に依頼することです。マンションなどの売却査定は、あくまで「業者がいくらで買主を探せるか」の目安にすぎません。販売力の高い業者なら高く査定しますが、逆に売却実績にとぼしい業者は期待を下回る金額を提示する場合があります。

複数の業者に依頼が出せる査定サービスとしては、不動産会社それぞれの強み特色が分かるLIFULL HOME’Sの不動産売却査定サービスなどがあります。

査定を出す業者側の立場からすれば、「とにかく高い査定額を提示して依頼を受けた方がトクではないか」とも考えられます。買い手が付かなければ売却金額を引き下げれば良いわけです。

ただ実際には、多くの業者が現実的な金額を提示します。なぜなら売却における契約(専任媒介、あるいは専属専任媒介)の期間が「3か月」と決まっているからです。

期間内に買主がつかなければ、売主は契約を終了させて他の業者に依頼することができます。その間の売却活動に関する費用は支払う必要がないので、仲介業者にとってはタダ働きになってしまいます。そのため業者は売却が見込める価格と、他社よりも有利となりそうな価格との間で金額を決めてきます。

 1-2 高い査定額を出せる仲介業者の条件

高い査定額を提示する仲介業者の条件はさまざまです。

まずは、「顧客を多く抱えている」「販売活動が可能なエリアで物件を探している買主を紹介できる」業者です。その物件価値を十分に説得できる営業力を持った業者も、高い査定額を提示します。

さらに業者に「豊富な取引実績」があることも重要です。たとえ対象エリアに明るくなくても、効率的に情報収集を行い、適切な販売活動ができる業者であれば期待できます。売却する物件の近くで開発計画や大型商業施設が建設される予定などが判明すれば、販売活動で大きなアピールポイントになります。そのような情報を仕入れ、うまく活用できる業者は期待を上回る金額で売り出すこともあります。

 1-3 高く売れる業者を見分けるポイント

ではそのような強みを持つ業者をどのように見分ければ良いのでしょうか。まずは複数の仲介業者に査定依頼するさいに高い金額を提示する業者を比較することになります。そのなかで査定根拠をきちんと説明できる業者を探すのがポイントです。

たとえば売却査定は一括申し込みできるサイトで簡単に依頼できますが、依頼後、それぞれの業者から個別にメールで返事をもらいます。このとき査定金額の根拠となる説明をしっかりと記載してあるかどうかが見極めましょう。

次にその業者のホームページなどをチェックして調べます。大手の不動産会社であればネットで取り扱う物件を紹介していますし、それらがどの程度の金額で売りに出されているのかをチェックできます。さらに過去の実績も公開されていれば参考になるでしょう。

またメールで業者に質問することもできるので、周辺エリアに関してどの程度詳しいのか、あるいは過去に近くのマンションを売却した実績があるのかなども聞いておくと良いでしょう。

さらに「買取保証」を付けることができるかを確認しておきましょう。業者のなかには、媒介契約期間内に売却できなかった場合、自社で買い取るところがあります。もちろんエリアによって対応できない地域もありますが、買取保証をつける業者は営業力に自信を持っています。高い価格を提示しつつ、買取保証に対応できる業者なら心強いといえるでしょう。

2 査定価格を上げる4つのポイント

マンション売却の査定依頼をする会社を決めたあとは申し込みをします。ここでは査定額を高めるポイントをご紹介します。

 2-1 査定のポイントを知っておく

マンション売却の査定依頼をするため前に、不動産価格がどのような基準をもとに算出されるのかを知っておきましょう。

査定金額の算出方法は①取引事例比較法、②原価法、③収益還元法の3つに分かれます。

①の取引事例比較法は、査定する物件の周辺で過去どのような取引があったのかを参考に算出する方法です。物件の個別性(築年数や広さなど)を考慮して査定金額を計算します。居住用マンションや中古住宅の売買で多く使用される評価方法です。

②原価法は築年数に応じて建物の原価修正を行って計算する方法です。

③収益還元法は投資用物件で用いられる方法となります。期待される収益から価格を割り出す方法です。おもに投資用マンションの価格査定法となります。

次に、物件の個別性として以下のようなポイントがあります。

  • 最寄り駅からの距離
  • 周辺環境(買い物ができるお店や公園、学校など)
  • 立地条件(国道に面しているか、住宅街にあるかなど)
  • 眺望や部屋の方角
  • 築年数や建物の規模
  • 管理状態やセキュリティ
  • 室内の使用状況やリフォームの履歴

所有している物件の立地や周辺環境は売主がどうこうできるものではありません。そこで売主が査定額を高めるためには次のようなアプローチが必要になります。

 2-2 査定依頼の時期を見計らう

マンションの売却は、周辺相場の影響を受けます。例えば同じマンション内でも複数の住戸が売りに出されていればライバルが増えます。つまり緊急で売却する必要がなければ、その時期を見計らうことも大切です。

まずは情報誌やサイトをチェックして、周辺にどれだけ売却物件があるかをチェックしましょう。あまり多くの物件が売りに出されていなければ、業者から期待を上回る査定金額を提示される可能性があります。

 2-3 魅力的な部屋に見せる

マンションを売却する場合、どの程度室内を綺麗にしておけば良いのかを考えることも必要です。購入する人がリフォームするのであれば、それほど費用をかけて綺麗にする必要はありません。

逆に売主がお金をかけてリフォームしても、それが買主にとって魅力的でなければプラスに働きません。中古マンションを購入する人のなかには、自分好みに合わせた内装にしたいと考えている場合があるからです。

とはいえ、あまりに汚れた部屋では印象が良くありませんし、査定にも影響が出ます。壁紙の汚れや水回りで修理が必要な場合には修繕しておいた方が良い場合もあります。

ただしこれも仲介業者によって判断が分かれます。ある程度の傷や故障があっても、その物件の立地や間取りに優位性を持たせて売却活動する業者もあります。売主は最低限の掃除と片付けはしっかりと行い、荷物なども整理しておくことは必要です。

このほか、買い手の内覧時には生活感がある程度残っていることが大切です。売主は先に引っ越しをして部屋を空っぽにするのではなく、内覧する人がそこでの生活をイメージしやすい程度に生活を残すことがポイントになります。

部屋を清潔に保つコツは、住んでいる間は、いつか売却する可能性があることを頭に入れておくことです。そのためにタバコやペットのニオイを染みつかせない、フローリングなどにできる限り傷をつけないといった細かい配慮が必要になります。

 2-4 アピールポイントをまとめておく

物件周辺に詳しい仲介業者を選ぶことは大事ですが、そのような業者が見つからない場合には、自分で物件の価値をアピールする必要があります。周囲の生活環境がどれほど便利なものか、将来どのように利便性が高まるのかなどを調べて伝えることが重要です。

特に中古マンションの購入者は自分にとって利益となる物件を探す傾向にあります。売主は役立つ情報はできる限り伝え、いかに購入者にとって価値ある物件かをアピールすることが高値売却につながります。

そこで査定依頼をするさいに、自分なりにまとめた物件のアピールポイントを添えておくことをおすすめします。

3 高値で売るために必要な3つのポイント

さて査定額は高くなったとしても実際に売り出すさいは、その金額に価値を見出す買主を探さなければいけません。このとき、気をつけるポイントは次のような内容です。

 3-1 専任媒介契約がおすすめの理由

査定金額を比較し、仲介業者を決めたあとは売却活動のための契約を結びます。その契約方式には①一般媒介契約、②専任媒介契約、③専属専任媒介契約の3種類があります。

①一般媒介契約では、複数の仲介業者(不動産会社)と契約して売却活動を任せることができます。1つの業者に絞りきれなかったとき、複数の業者に同時に売却を依頼すれば、より良い条件で買主を探すことができます。

ただし、業者は専任媒介契約を結ぶ物件を優先するため、なかなか買主がつかない可能性があります。また業者からすれば、自分のところで広告費用を出しながら他の業者で決まってしまうと損をするので、積極的に売却活動をしない業者も出る可能性があります。一般媒介契約の期間は法令上の定めはありませんが、行政指導により3か月となっています。これが一般媒介契約のデメリットといえるでしょう。

次に、②専任媒介契約では、一般媒介契約と異なり、1社としか契約を結ぶことができません。つまり売買契約を仲介できるのは、契約した業者のみです。業者には活動報告を2週間に1回以上行うことが義務付けられます。なお、手数料は全て売買契約が決まったときに契約金額の3%に6万円を加算し、消費税を加えた額が発生します。

次の専属専任媒介契約と異なるのは、買主を自分で探し直接取引ができる点です。もちろん買主と直接売買契約を交わすのはリスクもあるので、仲介業者に紹介したうえで契約を交わすのが良いでしょう。

そして、③専属専任媒介契約も1社とのみ契約を交わすものになります。活動報告義務が1週間に1回以上で、売買契約は必ず仲介業者を通さなければできません。

専任媒介契約と専属専任媒介契約の比較では、買主と直接交渉ができる前者のほうが好まれます。なぜなら、専属専任媒介契約を結んだ仲介業者は、その物件の購入意思がある他業者の顧客からの打診を拒絶することがあるからです。

というのもマンション売却の広告を見るのは購入を検討している人だけではありません。他仲介業者もチェックして自社の取引の参考にしています。他業者の顧客でその物件を購入したいと思う人も出てくる可能性があります

しかし、専属契約を結んだ業者が他社の顧客との売買契約を結ぶ場合、手数料は他業者と折半しなければならないので、大抵の業者は嫌がります。売主にとっては業者同士の事情は関係ないですが、売主にとっていい条件の話を専属業者が断る可能性が高くなります。業者が自社で買主を探すことにこだわった結果、なかなか売れないといったリスクもあります。

専属専任媒介契約では他業者が売主に直接コンタクトを取ってきたとしても、売主はその業者が紹介する購入希望者とは交渉することはできません。
一方、専任媒介契約であれば、そのような話があれば仲介業者に話して交渉することできます。

より高値で売る可能性が高いという点では、専任媒介契約に分があるといえるでしょう。

3-2 足元を見られない売出価格の決め方

物件をできる限り高い金額で売り出したい場合、最初にできる限り高い金額で売り出そうと考える人も少なくありません。うまい具合に買主がつけば良く、もし買主がつかなければ金額を引き下げれば良いという考えです。

しかし、購入者の立場からすると、むやみに売却金額を下げるのは、「買い手がつかなかった物件ではないか」との悪印象を与えかねません。何かしらの問題点や欠陥がある物件ではないかと思わせてしまいます。

また、「この売主は売れなければ値下げする」と見透かされる可能性があります。交渉すればもっと下げるのではないかと足元を見られます。
そのようにならないために、最初にどのような金額で売り出すのかが大切です。まずは現実的な査定金額を提示し、その根拠をしっかりと示せる業者が必要というわけです。

 3-3 売却時期に注意する

不動産市場には年間を通して、「物件が動く時期」と「そうでない時期」があります。つまり需要の多い時期を狙うことで、より高い金額で売却することが可能です。

例えば、新年度が始まる前の「1月〜3月」と、転勤が多い「9月〜11月」は中古マンション需要が増えます。需要が高いタイミングを見計らって売却すると良いでしょう。

また税制改革にも注意が必要です。現行の消費税率8%は、2019年10月に10%に引き上げられる予定です。個人の住まいであるマンションを売却する場合、消費税は関係ないですが、投資用としてマンションを売却する場合、建物分の消費税負担が増えることになります。つまり税率が上がる前に需要増が見込めるため、その分有利な条件で売却することも可能です。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チームは、不動産投資や金融知識が豊富なメンバーが不動産投資の基礎知識からローン融資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」