リップル社が提供するブロックチェーン関連のサービスには様々な名称がつけられている。ひとつひとつのソリューションは具体的にどういう役割を果たしているのだろうか。
まずRippleNetとは、分散型の国際送金システムのネットワークを指す。企業向けのブロックチェーンプラットフォームであり、現在100を超える金融機関がメンバーになっている。プラットフォームのメンバーはリップル社が提供する国際送金のためのソフトウェア群を利用することができ、同社はRippleNetに新たな顧客を呼び込むため以下のようなサービスやビジョンを発表している。
XRPは同社が発行するデジタルアセットの名称だ。銀行が行う国際間の資金移動をより早くより安くするために用いられ、法定通貨同士を繋げるブリッジ通貨としての機能を果たす。例えば南アフリカ・ランドからXRP、XRPからタイ・バーツというようにXRPを間に挟んだ通貨の変換ができる。
xCurrentは支払処理を行うソフトウェアの名称だ。エンドツーエンドで取引を追跡し、国際送金を瞬時に行う。リアルタイムのメッセージ機能も搭載されており、決済の確認ができる。XRPとの関連性は無いが、インターレジャープロトコル(ILP)と呼ばれる分散型台帳技術がこのソリューションの要となっている。
xRapidは送金業者などを対象とした、流動性コストを最小化するためのソリューションだ。XRPを同時に用いることで仲介業者やノストロ口座が無くても送金を行えるようになり、特に流動性コストが高い新興市場での活躍が期待される。
xViaは企業や金融機関などがRippleNetのネットワークで送金を行うための標準インターフェースだ。ソフトウェアをインストールする必要のないシンプルなAPIで、RippleNetに簡単に繋がることができる。請求書などのデータと共に送金ができるようになり、取引の透明性を高める効果がある。
最後にInternet of Value(IoV)は、同社が目指す長期的ビジョンの名称だ。今日インターネット上で情報が世界を駆け巡るように、お金がリアルタイムで世界中を行き来するインフラの構築を計画している。IoVを実現するためには数あるレジャー(台帳)間のインターオペラビリティを実現する必要があり、ILPがあらゆるネットワーク及び決済システムを繋ぐ役割を果たす。
このように様々なサービスが発表されているが、その目指す地点に大きな違いはない。ブロックチェーン技術と仮想通貨を使い、効率的で分散化された国際送金システムを構築すること。そしてそのシステムに、大小を問わず世界中の金融機関が参加することだ。その社名にふさわしく今後も業界に波を起こしていくことだろう。
【参照サイト】Ripple is making blockchain waves
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木村つぐみ
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