ヨーロッパ22か国がブロックチェーンの協定に署名。デジタル・シングル・マーケットの構築に活かす

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4月10日、22のヨーロッパ諸国がEuropean Blockchain Partnershipの設立を掲げた宣言書に署名したことが発表された。この協定は、技術分野、規制分野における経験と専門知識を加盟国間で共有し、協力するための手段となる。また、公的部門、民間部門の利益のために、EU全体にわたるブロックチェーンアプリケーションをデジタル・シングル・マーケットで立ち上げる準備にもなる。

デジタル・シングル・マーケットは、デジタル技術の活用でEU域内の基盤統合を進めるもので、研究開発・イノベーションのためのデジタル技術ネットワークを構築し、域内産業、特に中小企業や研究者、公的機関の連携強化を支援することを目的とした構想だ。

ブロックチェーン技術は、オンラインの情報を共有し、検証可能、安全、恒久的な方法で取引を承認、記録することを可能にする。この技術はすでに、金融サービスにおけるテストでその効果が確かめられている。今後は規制当局への報告、エネルギー、物流など、数々のデジタルサービスに組み込まれていくことが予想される。

欧州委員会のCommissioner for Digital Economy and Societyを務めるMariya Gabriel氏は、宣言書への署名を歓迎し次のようにコメントした。「本日協定が結ばれたことで加盟国が欧州委員会と協力し、ブロックチェーン技術が持つ大きな可能性を、人々へのより良いサービスに活かしていくことができるでしょう。」

非中央集権的で協同的なブロックチェーンの特性は、デジタル・シングル・マーケットを全面的に開拓することを可能にする。加盟国間で綿密な連携を取ることで、断片的なアプローチを避け、ブロックチェーンを基盤とするサービスのインターオペラビリティ(相互運用性)、広範な展開を確かなものにすることができる。

欧州委員会は今までにもブロックチェーンへの投資を行ってきている。今年2月にはEU Blockchain Observatory and Forumを立ち上げ、技術分野、社会分野でブロックチェーンを活用するプロジェクトに8,000万ユーロ以上の額を投じている。さらに2020年までには、30,000万ユーロがブロックチェーンに割り当てられる予定だ。

今回宣言書に署名したのは、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、チェコ、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、イギリスの22か国だ。European Blockchain Partnershipは、他のEU加盟国、EEA加盟国の参加も歓迎している。

【参照サイト】European countries join Blockchain Partnership

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木村つぐみ

海外ビジネス情報の翻訳、ライティングを幅広く手掛けており、HEDGE GUIDEでは暗号通貨・仮想通貨関連記事を担当しています。暗号通貨・仮想通貨の特に興味深い点は、貨幣の持つ共同幻想性を明るみに出したことだと思っています。初心者の方にも分かりやすい説明を心掛けていきます。