STO(Security Token Offering:セキュリティ・トークン・オファリング)は、資金調達をしたいプロジェクトがセキュリティトークンと呼ばれる独自の通貨を発行し、適格投資家に販売することで資金を集めることを指します。
「セキュリティトークン」とは、株式や債券、デリバティブ、不動産、特許、著作権、サービス利用権など、価値の裏付けがあるさまざまな資産を、ブロックチェーンを用いてデジタル化したものです。セキュリティトークンの定義はFINMA(スイス金融市場監査局)が発表したICOのガイドラインで定められたもので、その他にもビットコインのような「決済用トークン」、プラットフォームの使用権として利用される「ユーティリティトークン」が存在しています。
仮想通貨の世界で一般的であったICOは、株式を活用した従来の資金調達手段であるIPO(Initial Public Offering)よりも資金調達のハードルが低いというメリットがあります。これは、IPOは会社の所有権の引き渡しに当たるため、経営への関与や利益の分配が必要となる一方、ICOはあくまで対価としてトークンを付与するためです。規制当局への登録や届出についても、ICOでは不要であることから、スタートアップを中心としてICOによる資金調達が注目を集めていました。
スタートアップのための資金調達手段として注目を集めたICOでしたが、詐欺や不正行為を行う者が出始めたことを受け、規制当局による投資家保護の動きが見られ始めました。こうして、次に注目をされ始めたのがSTOです。STOでは有価証券などをデジタル化するため、配当をもらえるという特徴をもつ他、ICOにはなかったトークンセールの参加者制限があることも特徴です。また、ICOよりもしっかりとした情報開示が求められるものの、IPOほど負担が大きくないことも、STOがスタートアップ向けの資金調達手段とされる理由にあります。
STOに関するニュース一覧
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- 2020/11/9野村資本市場研究所、ブロックチェーンファイナンスに関する報告書を公表
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