物件を買わずに少額から始められる、新しい不動産投資サービスまとめ

不動産投資は安定したインカムゲインを狙いたいという投資家に人気がある投資対象ですが、物件の取得価格が数百万円から高いものになると数億円が必要になるなど、多くの方にとってはハードルの高いものと考えられていました。しかし、最近は不動産投資の種類も豊富になり、従来のように物件を自分で買うのではなく、少額から気軽に参加できるサービスが続々登場しています。

そこでこの記事では、新しい不動産投資の特徴や仕組み、人気のサービスなどをご紹介します。不動産投資に興味のある方は、参考にしてみてください。

目次

  1. 従来の不動産投資の特徴
    1-1.お金がかかる・運用期間が長期に及ぶ
    1-2.借り入れが必要なケースが多い
    1-3.空室リスクや滞納リスク、修繕リスクなども
  2. 少額で始められる不動産投資サービス
    2-1.不動産投資信託(REIT)
    2-2.不動産小口化商品
    2-3.不動産クラウドファンディング
  3. 不動産クラウドファンディングを始められるサービス
    3-1.オーナーズブック(Ownersbook)
    3-2.リンプル(Rimple)
    3-3.ジョイントアルファ(jointo α)
    3-4.クリアル(CREAL)
  4. まとめ

1 従来の不動産投資の特徴

これまでの不動産投資は、マンションやアパート、戸建て住宅などを購入し、その不動産を運用することで家賃収入や売却益を狙う手法が中心でした。従来の不動産投資の特徴について確認してみましょう。

1-1 お金がかかる・運用期間が長期に及ぶ

不動産を購入するには、ワンルームマンションの場合でも最低数百万円以上は必要になります。都内に限らず物件の立地や広さによっては億を超えることも珍しくありません。アパートやマンションなどを一棟建てする場合には10億円以上に達することもあります。

また、投資資金を回収するのにも相応の期間を要します。短くても数年、長い場合には20〜30年かけなければ利益にならないこともあります。不動産投資は、基本的に長期になるほど物件の経年劣化や市場環境の変化が生じやすく、リスクも大きくなります。

さらに、不動産は株式や債券などと比べれば流動性が低いため、売却の際になかなか買い手が見つからないこともあります。そのため、ひとつの投資が完全に終わるまでの期間が想定より長くなる場合もあります。

不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンと言われ、築古の物件なら利回り10%以上になることもあります。しかし、収益が見込める物件の見極めは簡単ではなく、長期運用やリスク管理が苦手な方には始めにくい投資方法と言えます。

1-2 借り入れが必要なケースが多い

不動産投資では、一括で購入できるだけのお金を用意できる方は多くありません。そのため、通常は金融機関から融資を受けるなどして資金調達をします。借り入れの際は、購入予定の不動産の資産性や収益力に加え、本人の職業や収入といった属性が審査され、内容によっては希望の融資額に届かないこともあります。

さらに、借り入れたお金には利子が発生し、投資による収益率を下げる要因にもなるため、いかに有利な条件で資金調達をするか等のノウハウも求められます。また、変動金利で借り入れをする場合は、金利上昇もリスクとなります。

借り入れた金額の返済ができない場合、購入物件を担保に入れているケースでは物件を手放すことになります。しかし、その時には物件の資産価値が購入時よりも低下していることが多く、借金だけが残るケースもあります。

不動産投資では融資を受けることで、少ない元手で大きな家賃収入を得るレバレッジ効果の恩恵を受けられることが強みの一つですが、反面上記のようにリスクが大きくなるため、物件を購入する際は様々な知識をもとに慎重な判断が求められます。

1-3 空室リスクや滞納リスク、修繕リスクなども

不動産投資では物件購入後にも空室リスクや家賃の滞納リスク、大規模修繕のリスクなどがあります。入居者募集や家賃の督促などの管理業務は管理会社に委託が可能ですが、そもそも立地が良くないケースや、入居者審査が甘かったケースでは、空室や滞納のリスクを抱えることになります。

また、区分マンション投資の場合は、購入した建物全体で修繕費が十分に集まっていない場合は大規模修繕が適切に行われないケースなどもあります。

このようなことから、不動産投資に参入する人が少なく、競争率が低いという点はメリットにもなります。毎月の家賃収入があるので次の投資に向けた収支計画なども立てやすく、マンションやアパートをプライベートでも活用できるのも特徴です。

しかし、不正融資事件などの不動産投資詐欺に巻き込まれる可能性もゼロではありません。投資用不動産の購入・運営は、ある程度の専門的なノウハウや知識を身につけ、実際に取り組む時間を確保できなければ難しいでしょう。

2 少額で始められる不動産投資サービス

従来型の不動産投資と比較すると、最近の不動産投資サービスは少額で始められるものが増えています。まずはその特徴やメリット・デメリットを確認しましょう。

2-1 不動産投資信託(REIT)

REITとは不動産投資信託のことで、「リート」と読みます。世界共通の投資用語ですが、日本のREITでは特殊なルールもあるため、日本のREITをJ-REIT(Jリート)と呼ぶこともあります。

REITでは、投資家から資金を集め、それを元手にして専門家である投資法人が不動産投資を行って、得られた収益を投資金額に基づいて投資家に分配します。REITの提供事業者によっては、レバレッジをかける(=少ない投資金額でも大きな収益を狙う)ことも可能です。

REITのメリット

REIT投資は数万円程度から始めることができるのが特徴です。また。不動産の運用という初心者では難しい部分を専門家に委託できるため、投資を行った後は手放しで良いのがメリットです。

また、REITでは投資運用における収益のほとんどが投資家に還元されるため、同じく出資金額に応じて収益が分配される株式よりも利回りが高い場合もあり、10%以上のファンドも少なくありません。また、REITは株式などと同様に流動性が高く、いつでも売却することが可能です。

REITのデメリット

専門家が不動産を運用してくれる場合でも、市場環境によっては元本割れ等を起こすリスクがあります。また、投資法人の経営破綻などによって投資したお金が戻ってこない可能性もあるため、注意が必要です。

2-2 不動産小口化商品

不動産小口化商品とは、不動産を小口に分割することで取引や所有を手軽に行えるようにするための投資商品です。多くの投資家が出資して不動産を購入し、プロの管理会社に運用を委託します。そして、その運用益を投資家の出資分に応じて分配します。

収益だけでなく所有権も分配されているのが特徴で、節税にも活用可能です。不動産小口化商品は、おもに不動産会社で取り扱っています。

不動産小口化商品のメリット

個人では購入の難しい高額物件でも少額で投資することができます。都心の新築マンションや長期で安定した利回りを狙える物件が、一口100万円程度から購入可能になります。さらに物件の所有権の一部を保持しているだけなので、流動性は比較的高く、いつでも売却可能な点もメリットです。

不動産小口化商品のデメリット

REITと同様に、投資を行った後は物件の管理や運用の手間を必要としませんが、中間に業者が入るため従来の不動産投資と比較すると利回りは劣ります。また、募集に対して応募者が多い場合、投資ができないケースがあることや、金融機関から融資を受けて投資することができないことにも注意が必要です。

2-3 不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングは、国が2019年にガイドラインを定めた新しい投資方法です。特定の不動産の購入やリノベーションのための資金を広く投資家に対して募集し、出資金に応じて収益の一部が分配されるのが特徴です。

不動産クラウドファンディングのメリット

不動産クラウドファンディングは、多くの投資家から少額ずつ資金を集めるため、個人の出資額の上限・下限が低めに設定されており、1万円程度から投資することが可能です。

また、不動産クラウドファンディングの投資期間は半年〜2年など比較的短期に設定されている上、運用の手間がかかりません。

不動産クラウドファンディングのデメリット

物件の所有権がなく、一度投資を行うと途中で売却することができない点に注意が必要です。また、投資の元本割れリスクや、募集する企業の破綻リスクもあります。不動産クラウドファンディングの利回りは低い水準ではありませんが、投資上限が低いため、大きな収益を狙う場合には不向きです。

3 不動産クラウドファンディングを始められるサービス

不動産クラウドファンディングは新しいサービスになるため、運営事業者の増加が期待されています。なお、事業者によって取り扱う案件の種類や最低投資金額などは異なるので、内容をよく調べて選ぶことが大切です。最近注目されている不動産クラウドファンディングサービスをご紹介します。

3-1 オーナーズブック(Ownersbook)

オーナーズブックオーナーズブックは、東証マザーズ上場のロードスターキャピタル株式会社が運営する不動産クラウドファンディングサービスです。

オーナーズブックでは不動産の専門家が投資案件を発掘しており、厳しく担保評価された上で全ての案件に担保が設定されています。利回りは年2%~6%程度となっています。

一方、案件を厳選しているため、案件数や実績は伸びにくいという側面もあります。また、プロジェクト期間は比較的長い案件もあるので、余裕資金で行うことが大切です。人気が高いため、募集からすぐに目標金額が集まり、募集が打ち切られる場合もあります。

オーナーズブックの投資は中長期的な視点が求められるため、不動産に関する知識がある程度あって、運用による利回りを求める方向けのサービスといえます。従来の不動産投資に近い利回りで、かつ不動産の管理や経営の手間がないため、手離れのよいサービスとして人気です。

3-3 リンプル(Rimple)

不動産投資クラウドファンディング リンプル(Rimple)Rimpleは、東証1部上場のマンション投資会社で「プロパティエージェント」が運営する不動産投資型クラウドファンディングです。リンプルの投資案件は、プロパティエージェントが都心エリアを中心に企画・開発したマンション「クレイシア」シリーズなどに投資をすることができ、1口1万円からの少額投資が可能となっています。リンプルの年率の利回りは5%前後、運用期間は6ヶ月前後となっています。

また、リンプルでは、他社のポイントを、リンプルで使用できる「リアルエステートコイン」に交換し、投資をすることができます。2020年2月現在、永久不滅ポイントから交換することができ(※永久不滅ポイント:1000ポイント×4.5=4500リアルエステートコイン)、「1コイン=1円」の価値で不動産に投資することができます。今後も、ポイントサービスは順次追加されていく予定です。

余ったポイントを不動産投資で運用したい方や、都心のマンション投資を少額で始めてみたいという方に向いているサービスと言えるでしょう。

3-3 ジョイントアルファ(jointo α)

ジョイントアルファジョイントアルファは東証一部に上場している穴吹興産株式会社が提供している不動産クラウドファンディングサービスです。主に西日本を中心として、地方の分譲マンションなどの物件のリノベーションや購入を通し、地域への貢献を意識した企画が行われています。

ジョイントアルファは優先/劣後の出資構造をとっていて、投資家が優先出資となっているため、企画が元本割れした場合でも、投資家は優先的に分配を受けることが可能です。手堅いサービスとして投資家から人気があります。

なお、ジョイントアルファの最低投資金額は10万円程度と比較的高く、利回りは年3.6%~5.0%となっています。また、地方の案件のため土地勘がない場合は投資判断が難しいケースもあります。

都心の収益物件のような案件が中心ではないため、収益性を最優先にする人には不向きですが、資産運用を実績のある事業者に任せたい方や、投資を通して地域貢献をしたい人に向いたサービスとなります。

3-3 クリアル(CREAL)

不動産投資クラウドファンディングCREALクリアルは株式会社ブリッジ・シー・キャピタルが運営しているサービスです。1口1万円から始めることができ、クリアルが劣後出資を引き受けているため、物件の資産評価額が下落しても、一定の割合までは分配が保証されます。

また、運用は基本的に短期で行われ、分配は毎月行われるため、投資初心者の方にとって運用結果が見やすいサービスと言えます。また、キャンペーンも多く、株式の株主優待のようにクーポンが貰えたり、投資申し込みで現金が当たったりする案件もあるので、「不動産クラウドファンディングを始めたい」「さまざまな物件に投資して経験を積みたい」という方にも向いています。

なお、クリアルの利回りは平均4%~5%程度となっており、運用期間は1年程度が中心です。収益を効率的に狙うには複数案件に分散投資を行っていく必要も出てくるでしょう。

4 まとめ

これまでの不動産投資は物件購入と賃貸経営を行うのが主流でしたが、最近は複数の投資家から少額ずつ出資を募り、運用はプロに任せるスタイルの投資手法が増えてきています。個人では購入するのが難しかった人気案件までが投資対象となるので、選択肢の幅は大きく広がっています。

この記事を参考に不動産クラウドファンディング等に興味が湧いた方は、サービスの特徴のほかデメリットなどをしっかりと確認した上で、ご自身の投資方針に合った案件を検討してみてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チームは、不動産投資や金融知識が豊富なメンバーが不動産投資の基礎知識からローン融資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」