3月24日、ニューヨーク連邦地方裁判所はメッセージアプリTelegramに対し、4月に予定された仮想通貨GRAMの発行について暫定差止命令を下した。GRAMが有価証券に該当するという米証券取引委員会の訴えが認められ、SAFTスキームで発行されたトークンであっても証券性が認められた最初の主要な事例となっている。
ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所(S.D.N.Y.)のケビン・カステル判事は、2018年にTelegramが17億米ドルを調達した175人の投資家に対するGRAMの事前トークン販売が米国の証券法に違反したことを認めている。
米国ではすべての証券の発行および販売は、証券委員会に登録されるか登録要件から免除されるかのいずれかでなければならない。カステル判事は金融資産投資が投資契約であるか証券であるかを決定するハウェイテストに基づいて、「公的な流通市場へのGRAMの再販が、必要な有価証券発行届出書なしの有価証券の売却に不可欠の部分である」と述べた。
GRAMは「将来トークン取得略式契約スキーム(Simple Agreement for Future Token : SAFT)」を使用して提供された。Telegram側はGRAMトークンがまだ発行されておらず、将来のトークン発行を予約する形式であるとして、投資契約ではないと主張してきた。
これはSAFTトークンの証券性に焦点を当てた最初の主要な連邦裁判所の判決であり、他のSAFT発行者にも飛火する可能性がある。27日にCFTC(米商品先物取引委員会)の元委員長ゲイリー・ゲンスラー氏は、「SAFTはハウェイテストで合格できない傾向があり、Telegramの判決がSAFTにとって死の宣告になりうる」とDecryptに語った。24日にTelegramは控訴裁判所に対して控訴する旨を通知している。
高橋奈夕
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