暗号資産は金融革新と効率性を促進する可能性がある一方、マネーロンダリングやテロ資金供与など違法行為に資金を提供する機会にも繋がりかねない。そうした中、FATF(金融作業活動部会)は暗号資産を使ったマネーロンダリングやテロ資金供与を調査するための準備を進めているという。
暗号資産は、規制された既存の金融界とは違い、国境を越えた送受金が場所を特定されずに匿名で行うことができる。これらの特性が各国当局の犯罪行為に対する取り調べの弊害となっており、2019年6月には「FATF勧告15」と呼ばれる基準が採択されマネーロンダリング・テロ資金供与対策上の要件が明確に設定された。
暗号資産の危険性を調査するにあたり、その調査項目には「取引量や頻度」「取引内容」「匿名性」「送り手と受け取り手」「資金源」「地理的リスク」の6項目が挙げられている。
これらは公的機関や民間企業が暗号資産の悪用を検知するためのツールではあるものの、網羅的なリストではない。各種指標は、関連当局からの情報と併せて考察されるべきであり、単体として捉えるべきではないことも記されている。FATFが発表したレポートでは、リスクに基づくアプローチを軸に公的機関と民間企業が密にコミュニケーションを交わすことにより、この調査はより効果的なものになるとされている。
【参照URL】FATF REPORT Virtual Assets Red Flag of Money Laundering and Terrorist Financing
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高橋奈夕
国際基督教大学4年。NYに支社を置くブロックチェーン専門のベンチャーキャピタルで半年以上インターンとして勤める。バイリンガルを生かして海外の記事を翻訳し、よりよい情報を国内に広めることにコミットしている。
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