初心者が不動産投資に失敗してしまう原因・事例は?後悔を避ける3つの対策も

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不動産投資は管理業務の大部分を管理会社へ委託できるうえ、自己資金が少ない方でも金融機関のローンを活用して大きな資金を運用することができるメリットがあります。このようなメリットがあることから、不動産投資を始める初心者の方も少なくありません。

しかし、思ったような利益を出すことができず、失敗に陥ってしまうケースもあります。大きな資金を運用することになる不動産投資では、このような失敗事例を事前に把握しておき、自身がそのような状況にならないよう対策をしておくことが重要なポイントとなってきます。

そこで今回のコラムでは、初心者の方が注意しておきたい失敗の原因や事例を紹介していきます。またそのような失敗に繋がらないための対策方法を解説していきます。

目次

  1. 初心者が不動産投資で失敗してしまう5つの原因と事例
    1-1.不動産会社の説明を鵜呑みにしてしまった
    1-2.利回りだけで物件を購入してしまった
    1-3.リスクを想定していなかった
    1-4.不動産投資の目的に合っていなかった
    1-5.管理業務を怠ってしまった
  2. 不動産投資初心者が後悔しないための3つの対策
    2-1.不動産投資について勉強をする
    2-2.投資目的を設定し、適した物件を選ぶ
    2-3.リスクに対応できる資金を残しておく
  3. まとめ

1 初心者が不動産投資で失敗してしまう5つの原因と事例

1-1 不動産会社の説明を鵜呑みにしてしまった

不動産投資初心者の失敗で起こりやすいのが、「いい物件ですよ」「こういう物件はなかなか売りに出されません」といった、メリットばかりを強調した不動産会社の説明を鵜呑みにしてしまうことです。

「プロの人が言っているのだから間違いないだろう」と考える方もいますが、物件にはメリットばかりではなくデメリットもあり、特に初心者では気づかないことがあります。

自社の利益を優先して考えている会社の場合、不動産会社はこうしたデメリットを把握していても、積極的に伝えてくれるところばかりではありません。具体的な物件のデメリットには、下記のようなことが挙げられます。

  • 設備が古く故障リスクがある
  • 最寄り駅からの距離が近くても、坂道だったり、歩道が整備されていない
  • 日当たりや風通しが悪くカビや湿気によって建物が劣化しやすい

投資目的で不動産を購入する際は、このようなデメリットについても確認しましょう。不動産投資の情報収集をしながら、自身で物件を確認するための基準を持つことが重要となります。

1-2 利回りだけで物件を購入してしまった

不動産投資用の物件を購入する際に指標の一つとなるのが利回りです。利回りは月間あるいは年間の収入および利益を推測するのに役立ちます。しかし利回りはあくまでも想定のもので、将来にわたってその通りに利益が得られる訳ではありません。

また、突発的な事情で修繕が必要になったり、入居者が退去した後に空室が埋まらないといった事態が起きることがあります。

初心者の場合、こうした事態に適切に対応できず、管理会社に任せてしまうことがあります。しかし、管理会社は運営のサポートを行ってくれますが、重要な投資判断はオーナー自身が決断する必要があり、また最終的な責任もオーナーが負うことになります。

1-3 リスクを想定していなかった

不動産投資には特有のリスクがありますので、そのリスクに対応できるように体制を整えておくことが事業を展開していく上で不可欠です。

不動産投資の代表的なリスクは下記のものが考えられます。

  • 空室リスク:入居者が退居し、部屋が空室になることで家賃収入が途絶えてしまうリスク
  • 家賃下落リスク:入居者が決まらないために、募集する際に家賃を下げてしまうリスク
  • 家賃滞納リスク:入居者の経済的な理由などで家賃が支払われないリスク
  • 資産価値下落リスク:資産価値が経年劣化や何らかの損傷によって減少するリスク
  • 修繕リスク:物件が経年劣化などによって修繕が必要になるリスク
  • 災害リスク:台風や大雨、洪水、地震などによって建物に被害が発生するリスク

こうしたリスクを適切に把握して対応していかないと、より大きなトラブルに発展することも考えられます。

1-4 不動産投資の目的に合っていなかった

不動産投資の初心者方が間違いやすいポイントとして、「利益の出る物件であればどの物件でも構わない」と思ってしまうケースがあります。

投資用不動産といっても、長期間保有して利益を出していくタイプの物件や、キャピタルゲインを狙うための物件など、目的に適した物件があります。例えば老後の資産形成を目的に不動産投資を始めた場合、短期的に利益が大きくても、将来的に資産価値の下落、家賃の下落が起こりやすい物件は向いていないと考えられます。

1-5 管理業務を怠ってしまった

不動産投資で利益を生み出すのは賃貸用物件です。そのため適切に物件を管理する必要がありますが、費用削減のために清掃業務やメンテナンスを怠ってしまうケースもあります。

管理体制が良くないと入居者が退出したり、新しい入居者が入ってこないという事態を引き起こします。このようなメンテナンスや小さな修繕を怠ってしまうことで、大きな失敗につながるケースもあるため注意が必要です。物件のメンテナンスを怠ってしまった失敗事例として、下記2つの事例を見てみましょう。

ケース① 外壁に小さな亀裂を見つけた段階で修復しなかった

「外壁に小さな亀裂を見つけたと管理会社から報告があったが、工事費用が高額だったため放置していた。すると、亀裂が徐々に大きくなり建物内部に雨水が浸水してしまったため、修繕工事を行った。しかし、躯体の劣化がひどく、修繕費用がさらに高額となった。」

ケース② 火災報知器の検査を行わなかった

「消防法で決められている火災報知器の検査や消防設備の点検などを費用削減のために行わなかった。そのため火事が発生した際に消防設備が機能せず、建物が全焼することとなった。」

【関連記事】不動産投資で建物管理がなぜ重要なのか?建物管理に強い不動産会社も

2 不動産投資初心者が後悔しないための3つの対策

ここまで不動産投資初心者の方が注意したい失敗事例・原因について解説しました。これらを踏まえた上でどのような対策をしておくと良いのか、3つの対策法を紹介します。

2-1 不動産投資について勉強をする

不動産投資を検討している方向けに、「オーナーは家賃が振り込まれるのを待つだけ」というフレーズで営業を行う不動産会社もあります。しかし、管理の大部分を委託できたとしても、物件のオーナーはその都度運営に関する投資判断をしていく必要があります。

不動産投資で利益を出すためには、オーナーとして経費の用途や管理会社との付き合い、リスク対策などを適切に行っていくことが重要です。しかし必要な知識がないと、不動産会社の意見を鵜呑みにしてしまったり、勢いで物件を購入してしまったり、といった失敗に繋がっていきます。

まず、基本的な不動産投資の仕組み・流れを勉強してみましょう。不動産投資はどのようにして収益を得るのか、不動産を購入してから収益を得ていくにはどのような手続きや作業が必要なのか、ということについて、簡単な概略を把握することが目標になります。

不動産投資の概略をつかんだら、次のステップは、不動産投資の基本的な種類や用語の勉強をすることが重要になります。不動産投資には、区分マンション投資、アパート経営、戸建投資、一棟マンション投資など、様々な投資方法があります。自分の目的や資金背景などに適した不動産投資を選択するために、どのような投資方法があるのかを知り、それぞれの投資方法の特徴を勉強して比較できるようにしましょう。

【関連記事】不動産投資の勉強を始める手順は?初心者のための6つのステップ

2-2 投資目的を設定し、適した物件を選ぶ

取得できる可能性のある物件には、さまざまなタイプがあります。利回りの高い物件や低い物件、高額な物件や少額で購入できる物件、ワンルームマンションや一棟アパートなど、多彩に選択肢があり、運営していくための難易度、向き不向きもさまざまです。

つまり、自分に合った物件が選べる一方、合わない物件を選んでしまうこともあります。こうしたリスクに対して適切な対策を取らなければ目的を達成することができず、不動産投資は失敗してしまうことになります。

まずは自身の投資目的を設定して、適切な物件を選べるように情報収集を行ってみましょう。投資目的の設定には、初心者向けに提供されている不動産投資セミナーを受講してみるのも有効な手段です。

例えば、プロパティエージェントの「0から始める不動産投資セミナー」では、「不動産投資の基礎知識」「不動産投資のリスクとは?」といった基本的な内容から「不動産投資のメリットとリスク」「投資用物件の見方・選び方」「購入前のチェックポイント」「売却時の戦略」など踏み込んだ内容まで、多岐にわたるトピックについて解説しています。

その他、日本でトップの不動産販売実績(※)を有する天田 浩平氏が代表であり、東京23区の中古マンションを手掛ける「エイマックス」では投資の専門家に多くの質問をしたい方向けの「個別セミナー&個別相談」が受講できます。(※投資用マンション部門 天田氏の個人取引実績 年間最高売上高83.9億円)

エイマックスの不動産投資セミナーでは、不動産投資の基礎やメリットだけでなく、デメリットやリスク、初心者が注意しておきたい物件価格や賃貸履歴の見分け方について詳しく解説してくれます。自身の状況に合わせて参加を検討されてみると良いでしょう。

【関連記事】投資用不動産の選び方は?物件タイプ別に違いを比較して解説

2-3 リスクに対応できる資金を残しておく

不動産投資における代表的なリスクについて、それぞれ考えられる対策法は下記になります。

リスクの種類 具体的な対策法
空室リスク 物件選びを適切に行う、適切な家賃設定をする、空室対策に強い管理会社を選ぶ、など
家賃下落リスク 入居希望者が多い物件を選ぶ、リフォームやリノベーションを行う、など
家賃滞納リスク 保証会社を利用する、保証金制度を取り入れる、など
資産価値下落リスク 適切にメンテナンスを行う、土地価格が下落しない場所を選ぶ、資産価値が下がる前に売却する、など
修繕リスク 清掃やメンテナンスをこまめに行う、資金に余裕を持って運営する、など
災害リスク 保険を手厚くする、災害に強い物件を選ぶ、など

こうしたリスク対策をするには、資金に余裕を持って賃貸物件を運用する必要があります。手元の資金を全て投資に回してしまったり、不動産投資で得た収益をプライベートの消費などに使うのは最小限に抑え、リスク対策のためなどに有効に使うようにしましょう。

【関連記事】不動産投資のリスクヘッジとは?初心者が知っておきたい7つのリスク

まとめ

不動産投資の失敗を避けるためには投資家として適切な知識を持って、経営判断をすることが必要です。不動産会社や管理会社に任せっきりにした場合でも、責任はオーナーが負うことになるためです。

また、入居者に快適な住まいを提供するという責務を果たすためにも、適切な運用を行い、失敗しないような努力をしていくことが重要となります。まずは不動産投資の知識を蓄えていきながら、自身の投資目的に沿っている物件を選択できるよう、慎重に検討してみましょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。