総合不動産サービス大手のジョーンズ ラング ラサール株式会社(以下、JLL)は1月18日、2017年第4四半期の投資分析レポートをまとめ、その中で日本の商業用不動産投資額が前年同期比38%増の1兆2,180億円、2017年通年は16%増の4兆2,520億円であったことを公表した。なお、数字は速報値のため今後変更になる場合があり、為替レートは各四半期の平均為替レートである1ドル111.2円としている。
日本の商業用不動産投資額は2015年、2016年と2年連続で減少していたが、2016年以降回復傾向にあった。2017年の投資額を四半期ごとにみると、第1及び第2四半期は大幅に増加したが、第3四半期は緩やかに上昇。第4四半期は再び大幅な増加となった。2017年通年でも前年比16%増の4兆2,520億円を記録し、2年ぶりに4兆円を超える水準となった。
これについてJLLリサーチ事業部長の赤城威志氏は、アベノミクス以降の投資市場拡大期を通じて2014年に次ぐ2番目の大きさであることを指摘した。そのうえで、売買金額が増加している背景として、賃料上昇による劇的な価値向上が期待できない物件の売却を模索する売り手と、低い利回りでも安定した賃料収入が得られる物件を求める買い手の思惑が合致したことを挙げた。
また、過去の稼働率上昇と利回り低下による価格上昇の恩恵を十分に享受した投資家が物件売却により投資額回収を選択する例が増えてきたという。一方で、不動産投資に対する需要は継続して旺盛であることから、JLLの予測も前向きなものとなった。2018年は市場への物件供給が増加することを要因に投資市場も順調に推移し、年間投資額は2017年を上回るとした。
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平井真理
インバウンド不動産投資・民泊投資をはじめとする幅広い業界にてニュース記事・ノウハウ記事・プレスリリースなどの執筆に携わる。「HEDGE GUIDE」では、主にニュース記事の執筆を担当。不動産業界,
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