JLL、2017年第4四半期末時点の大阪Aグレードオフィス空室率と賃料公表。2008年来初、空室率1%台に低下

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大阪府

大阪Aグレードオフィスの空室率が2008年以来初めて1%台に低下したことが、総合不動産サービス大手のジョーンズ ラング ラサール株式会社(以下、JLL)が2月5日に公表したレポート「2017年第4四半期末時点の大阪Aグレードオフィス空室率及び賃料」でわかった。

JLLが定義する大阪Aグレードオフィスは中央区、北区の延べ床面積15,000㎡以上、基準階面積600㎡以上のオフィスだ。空室率は四半期ごとに発表されるレポート「空室率及び賃料」において、4四半期連続で低下しつづけ、2017年第4四半期末には2008年以来初の1%台である1.9%にまで低下。前期比では0.7ポイント、前年比では2.0ポイントの低下となった。要因として、中之島や御堂筋を含むサブマーケットで大規模な空室消化がみられたことが挙げられた。

2017年は大阪市中央区からのオフィス移転が相次ぎ、大手では伊藤忠商事、丸紅株式会社、帝人株式会社などが高層オフィスビルの建ち並ぶ北区に移り話題となった。JLLにおいても御堂筋や北区においてアルテアエンジニアリング、電通、ニッセイコムと賃貸取引が、平和不動産と売買取引があった。

賃料は月額坪当たり18,799円(共益費込)。依然として上昇の加速期にあるとみられ、14四半期連続の上昇となった。前期比では3.0%上昇し、上昇ペースは2四半期ぶりに加速した。前年比は7.6%と前年の6.8%から加速し、4年連続の上昇となっている。ただし今回、賃料上昇はCBD(中心業務地区)全体でみられた。

賃料と同様に価格も上昇を続けている。価格は前期比6.9%上昇、前年比20.0%上昇となり、17四半期連続での上昇となった。投資市場では、限定的な供給続く東京から地方へと視線を転じる投資家もあり、投資意欲は旺盛であるものの、当四半期にAグレードオフィスの取引は確認されなかった。

今後、投資市場の旺盛な投資意欲を背景に投資利回りの低下と賃料上昇が相まって、さらに価格が上昇するとみられる。加えて、需要は堅調であるが、2018年の新規供給については過去10年平均比47%程度にとどまることから、空室率が引続き2%を下回る水準のまま推移することが予測される。これも賃料上昇を加速させる要因となりそうだ。

今後の投資市場についてJLL関西支社長の山口成樹氏は「投資市場では、引き続き投資家の取得意欲は旺盛となっており、売主と買主の価格目線の格差も徐々に埋まっていることから、取引は増加傾向」にあり、「2017年通年の投資総額をみると、大阪が全国に占める割合は16%となっており、前年の13%から増加、3年連続で拡大し、前回市況活性期の2007年水準を上回って」いると述べた。そのうえで「今後も経済の回復、賃料上昇期待等を背景に、国内外の投資家の関心の高さは維持されるものと予測」するとした。

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平井真理

インバウンド不動産投資・民泊投資をはじめとする幅広い業界にてニュース記事・ノウハウ記事・プレスリリースなどの執筆に携わる。「HEDGE GUIDE」では、主にニュース記事の執筆を担当。不動産業界, 仮想通貨関連の最新ニュースを読者の皆様に分かりやすく伝えることを心がけています。