株式会社ジャパンネット銀行(以下、ジャパンネット銀行)とテックビューロ株式会社(以下、テックビューロ)は2月6日、ブロックチェーンの業務プロセスへの活用と有効性を検証する実証実験を開始したことを公表した。実証実験は世界ではじめて「mijin」と「Hyperledger fabric」の2つのブロックチェーンを利用して行われるという。実証実験は2月6日から3月30日の報告会までを予定している。
実証実験では、企業間の契約書締結時におけるファイルの閲覧・編集などの作業履歴および合意締結に至るまでの承認プロセスの管理コスト削減を課題とし、従来、紙やメール等で行われていた当事者間のやり取りをブロックチェーン技術で解消する有用性を検証するため、ブロックチェーンで履歴の管理を行い契約書のペーパーレス化と業務効率化の実現可能性を検証する。
ジャパンネット銀行はmijin、富士通株式会社はHyperledger Fabricを用い、アプリケーションを開発する。具体的には契約書ファイルの固有情報となるハッシュ値と誰がいつ承認・却下したかをそれぞれ2つのブロックチェーン上に記録し、誰がいつその契約書を確認し合意したかを相互に参照できるようにする。いずれかのブロックチェーンに不具合が発生した場合でも記録データを確認できるようにすることにより、セキュリティと高い可用性を実現検証する。また2つの異なるブロックチェーンの技術交流と連携を図る。

「NEM」のコア開発者がテックビューロに合流して開発したmijinは、クラウド上や自社データセンター内に、企業内や企業間で利用可能なプライベート・ブロックチェーン環境を構築するためのソフトウェアで、金融機関から電子マネー、認証システム、登記システム、ロジスティクスのトラッキングまで幅広く利用できる「NEMプロトコル」を採用した汎用型の製品だ。銀行におけるブロックチェーン技術の活用は、数多くの取引工数が削減が期待されており、今後の成果に注目が高まる。

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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