ソーシャルレンディング比較サービス「クラウドポート」を運営する株式会社クラウドポートは2月2日、「2017年ソーシャルレンディング業界レポート」を公表し、その中で日本のソーシャルレンディング市場規模が1,300億円を突破したことを明らかにした。
ソーシャルレンディング(投資型/融資型クラウドファンディング)とは、お金を投資したい一般投資家と、お金を必要としている人・会社を、インターネット上でマッチングする新しい金融技術(フィンテック)の一分野だ。投資家は数万円程度の小口から投資ができること、利回りが高く安定した配当が得られること、金融知識によって投資成績に差がつきにくいことなどの特徴がある一方、元本毀損のリスクがある。
日本国内では、個人投資家から小口で集めたお金を大口化し、借り手企業に融資するという法人融資のかたちで、2013年頃から成長の勢いを増していた。その市場規模は2014年には143億円に、2015年には310億円に、2016年には533億円に成長し、2017年は1,000億円突破が見込まれていたが、予想を300億円以上も上回る1,316億円まで拡大した。
過去最高となる前年比2.5倍の急成長の背景には、日本のソーシャルレンディング事業者が取り扱う案件の種類の多様化がある。当初は不動産案件を主に取り扱う事業者が目立ったが、再生エネルギーや海外からの案件など、種類も増加し投資家のリスク許容度に応じた投資選択が可能になった。
急成長は、投資家にとっても明るい兆しとなっている。参入事業者の数が増えることで、投資家に対して募集時に提示する期待利回りの平均値が高まっている。2016年の平均利回りは8.1%であったが、2017年は8.40%と上昇。キャッシュバックキャンペーンを実施する企業などもあり、平均利回りを押し上げている。加えて、2018年は複数の上場企業が業界参入予定であり、さらなる規模の拡大が期待される。
平井真理
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