マンション投資とクラウドファンディング投資の利回り比較、リスクや注意点も

最近は不動産案件に少額から投資が可能なクラウドファンディング投資が注目されていますが、従来型のマンション投資も依然として強い人気があります。

マンション投資は、入居者がいれば毎月の家賃収入が見込める点や所得税や相続税などでのメリットもあります。ただし、初期費用が高額になりやすいので、まとまった資金を必要とするというデメリットがあります。

一方、クラウドファンディング投資は少額で始められるのが特徴です。利回りはプラットフォームや案件によって様々ですが、10%以上を狙える場合もあります。投資後は基本的に運用の手間がかからないのもメリットです。

この記事では、比較的始めやすい区分マンション投資と、クラウドファンディング投資の特徴や収益性を詳しく比較してご紹介します。

「どの程度リターンが見込めるのか」「どちらが始めやすいのか」「どのようなリスク・注意点があるのか」を知りたい方は、ご参考ください。

目次

  1. 区分マンション投資の特徴
  2. クラウドファンディングの特徴
  3. 区分マンション投資とクラウドファンディングの比較
    3-1.利回りが高いのは?
    3-2.初期費用がかかるのは?
    3-3.リターンの金額が大きいのは?
    3-4.運用しやすいのは?
    3-5.運用期間が長いのは?
    3-6.リスクが大きいのは?
  4. 腰を据えてじっくり取り組みたい方は「区分マンション投資」
  5. 少額資金で手軽に始めたい方は「クラウドファンディング投資」
  6. まとめ

1.区分マンション投資の特徴

区分マンション投資とは、マンションの1戸(あるいは複数戸)の現物資産を購入し、それを賃貸して家賃収入を得たり、売却して利益を得たりする投資方法です。

投資対象となる物件は新築・中古、ワンルーム・ファミリータイプなどの区別に分けられ、築年数・広さ・立地などで購入に必要な費用や収益性が異なります。

例えば、同じ都内の物件でもワンルームよりも広いファミリータイプのほうが購入価格・売却価格や家賃の水準が高くなります。ファミリータイプは年間の家賃収入も高くなりますが、1室あたりの家賃が高い分、空室リスクが高くなる特徴があります。

2.クラウドファンディング投資の特徴

クラウドファンディングは、インターネット上で資金を集め個人や事業者などに投融資する仕組み(=プラットフォーム)のことです。運営事業者は、「資金調達をしたい人」と「投資をしたい人」を結びつけ、両者を仲介する役割を担います。

クラウドファンディングは主に「投資型」と「非投資型」に分かれ、投資型としては「融資(貸付)型」「ファンド型」「株式型」の3種類があります。

融資型は「ソーシャルレンディング」とも呼ばれており、ファンドが個人投資家から募った資金を借り手となる企業等に貸し付け、投資家へのリターンとして元金の返済や利子を分配する投資です。

ファンド型は特定の事業(不動産事業を含む)やプロジェクト等について投資家から資金を募る仕組みで、投資家は事業等の成果に応じて配当金やサービス等が得られます。社会貢献性の高い事業等への投資などが多いものの、元金割れや無配当の可能性もあります。

株式型は、未上場企業が発行する有価証券(未上場株など)をもとに多数の人から少額資金をインターネット上で集めるタイプになります。投資家は業績に応じて配当金が得られ、将来株式上場や事業の売却などにより大きなリターンが狙える可能性があります。

3.利回り等を徹底比較!収益性が高いのはどっち?

ここで区分マンション投資とクラウドファンディング投資の利回りや初期費用、リスク等を比較するので確認しましょう。

3-1.利回りが高いのは?

築年別に見た都内の区分マンションの表面利回り(=費用等を考慮しない利回り)の目安は次のようになります。

新築物件 3~4%前半
築20年程度までの中古物件 3~5%台
築20年から築35年程度の中古物件 6~10%台

上記の利回りの値は満室状態を想定した値になるため、空室や滞納が発生した場合は低下します。また、管理費や固定資産税等の税金は含まれていないため、これらを考慮した実質利回りはさらに低下することになります。

次に、区分マンション投資と比較しやすいように不動産を対象とする不動産投資クラウドファンディングの利回りを紹介します。不動産投資クラウドファンディングとは、インターネット上で多数の投資家から資金を集め、その資金をもとに不動産を運用し運用益や売買差益を投資家に分配するという仕組みのことです。

今回は不動産投資クラウドファンディングとして人気の以下サービスの利回り(満室状態・税引前)をご紹介します。

サービス名 利回り 事業内容
OwnersBook(オーナーズブック) 2.0~6.0% 融資型(お金を借りたい企業に対して不動産を担保にとって融資するタイプ)とエクイティ型(不動産の賃料収入や売却益を分配金の原資とするタイプ)を提供しています。
Rimple(リンプル) 5.0%前後 プロパティエージェント株式会社が運営するサービスで、案件は都心の投資用マンションが中心となっており、永久不滅ポイントが投資に使えるメリットがあります。
CREAL(クリアル) 3.0~5.0% 保育園、学校、ホテルやマンションなど多彩な不動産を対象とする不動産投資クラウドファンディングです。
Jointoα(ジョイントアルファ) 3.4~5.0% 穴吹興産株式会社が運営するサービスで、地域に眠る不動産価値の高い物件などを発掘するといった地域創生にも取り組んでいます。

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3-2.初期費用がかかるのは?

都内のマンションを購入する場合、新築ワンルームなら数千万円、中古なら数百万円の資金が必要です。

金融機関などで不動産投資ローンを組むことも可能ですが、金利は住宅ローンよりも高めになります。フルローン(=全額借り入れ)できない場合は、2割程度の頭金を求められることもあります。

一方、クラウドファンディング投資は少額から始められます。1口1万円程度で参加できる不動産案件もあり、まとまった資金を必要としないのが特徴です。なお、サービスによっては案件ごとに投資できる金額に制限を設けている企業もあります。

3-3.リターンの金額が大きいのは?

新築ワンルームの利回りは4%程度ですが、投資額が数千万円と大きいため、そのぶん利益も大きくなります。例えば、満室時の表面利回り3.74%のワンルームマンション(2,440万円、練馬区)の場合、満室時家賃収入は年間91.3万円(月収7.6万円)となります。そこから様々な必要経費やローンの返済などの支出を引いた手残りが収入になります。

一方、クラウドファンディング投資では10%以上の利回りを狙える場合もありますが、少額投資なのでリターンも小さめです。例えば想定利回り7.0%の不動産ファンドを10口購入した場合(1口10万円)、年間あたりの予想分配金は約7.7万円となります。

物件によって大きく異なるため、区分マンション投資とクラウドファンディング投資のどちらの方がリターンが高いかは一概に言えませんが、平均投資額が大きいぶん区分マンション投資のほうが金額的には大きなものになるでしょう。

3-4.運用しやすいのは?

区分マンション投資では不動産に関する一定の知識が必要になります。特に物件の良し悪しを適切に見極める知識や経験などが重要です。

例えば「ローンを組んで物件を買えるかどうか」だけでなく、築年数・広さ・立地・周辺相場・将来の賃料下落率等を参考に、実質利回りを含めて物件の収益性を判断する必要があります。

また物件購入後は賃貸業を営むことになるので、入居者探しや物件の修繕などの様々な維持管理業務が伴います。これらの業務は管理会社に委託することもできますが、家賃の数%程度の費用がかかります。

さらに、家賃収入などの不動産所得がある場合は、基本的に確定申告をする必要があります。家賃収入だけでなく、減価償却費など事業に要した経費も計上した上で申告を行う必要があるため、記帳や確定申告書記入の手間や、これらを税理士に依頼する場合は報酬の支払いが発生することになります。

一方、クラウドファンディング投資では運営事業者が選定した物件(ファンド)内容を理解できる程度の知識があれば運用可能です。投資する際はサイト上で気になる案件を選んで応募し、分配金を待つだけでいいので手間もかかりません。利益が出ても、その年に発生したその他の給与所得・退職所得に該当しない所得が20万円以内の場合は、原則として確定申告の必要もありません。

3-5.運用期間が長いのは?

投資方針にもよりますが、区分マンション投資では投資期間が10年以上の長期に及ぶことも珍しくありません。

一方で周辺の賃料相場が下がった時や、大規模修繕が迫った時、急に現金が必要になった時など、個人の事情に応じて売りに出すことができます。個別条件によるため一概には言えませんが、売りに出してから数ヶ月程度で現金化することが可能です。

一方、クラウドファンディング投資の中でも不動産投資型の運用期間は比較的長めです。大体3カ月~1年までの案件が中心となり、長い場合でも3年程度です。なお、運用期間の途中解約は原則できないので、急にお金が必要になってもすぐには現金化ができません。

3-6.リスクが大きいのは?

株式投資などに比べると値動きが緩やかなため、不況に比較的強いのが不動産投資の特徴とも言われますが、マンション投資では様々なリスクがあります。空室リスク、家賃滞納リスク、金利上昇リスク、自然災害リスク、売却リスクなど、購入者の知識や経験等が浅いとその対応に苦慮することもあるでしょう。

なかでも賃借人がなかなか決まらないという空室リスクへの対策は不動産投資の成否を大きく左右するポイントになります。そもそも入居者が付かなければ家賃収入を得ることはできないので、入居需要を適切に見極める必要があります。

必要に応じて入居者募集の広告を見直したり、家賃を下げたりするなど、不動産会社と相談して対応することが重要です。

一方、クラウドファンディング投資のリスクは「元本割れ」「投資先、融資先企業の倒産」が挙げられます。担保付き案件の場合や、運営企業が一定の範囲を負担する方式(劣後方式)の場合、投資家の損失負担はある程度軽減されますが、元本が100%保証されるものではありません。

それぞれにリスクはありますが、投資額が大きいぶん区分マンションのほうがリスクは高くなります(そのぶんリターンの期待値も大きくなります)。上述の通りリスクの種類も幅広いため、投資を検討する際は慎重にリスクヘッジを行うことが求められます。

4.腰を据えてじっくり取り組みたい方は「区分マンション投資」

区分マンション投資は、金融機関の融資を利用して、大きな収益を上げられる可能性のある投資方法です。

ただし、初期費用としてまとまった資金が必要になるほか、物件選びから購入後の賃貸管理、将来の売却まで考える必要があるため、腰を据えてじっくり取り組む必要があるでしょう。

物件選びでは入居需要などを調査する必要があるので、物件を取り扱っている不動産会社の担当者と相談したり、必要に応じて不動産投資セミナーに参加したりするなどして、一定の知識を身につけることが大切です。

また、建物は築年数に応じて経年劣化するので、資産価値も徐々に減少します。

節税対策や相続税対策として不動産を購入するケースも見受けられますが、物件のタイプや築年数によってその効果の程度は大きく異なるので、各リスクを考慮した上で正しく計算することが大切です。

5.少額資金で手軽に始めたい方は「クラウドファンディング投資」

クラウドファンディング投資は、不動産に関する知識や経験は必ずしも問われないので、投資初心者の方にも向いています。

現物不動産投資と比べてリターンの金額は小さいものの、1口1万円程度から投資でき、徐々に口数を増すことも可能です。応募・入金・契約後は分配金や元金の返還を待つだけなので運用の手間もかかりません。

リスクとしては、運用状況によって投資元本の一部が毀損したり、運営企業もしくは貸し付け先の企業が倒産したりした場合には全額返還されない可能性もあります。そのため投資初心者の方は、利回り(≒リスク)が低く担保付きの案件や優先劣後方式のものを目安に選ぶのがおすすめです。

なお、クラウドファンディング投資はその手軽さから、案件応募が殺到しやすいのも特徴です。特に高利回りで最低投資金額が低い案件は応募が殺到するので、公開後、即締め切られることがあります。

気になる案件がある場合は早めに投資家登録をするなど、情報収集を定期的にすることも大切です。

まとめ

区分マンション投資とクラウドファンディング投資の利回りには一見大きな差はありませんが、長期にわたって大きな資産を形成する場合は、融資を受けることでレバレッジが効く区分マンション投資が役立ちます。

一方、クラウドファンディング投資は比較的短期の運用で投資額も小さいため、リターン規模は小さいもののリスクを抑えた投資が可能です。

投資対象も高利回りが狙える案件から地域創生・社会貢献につながるファンドなどまで種類が豊富です。投資経験者に限らず初心者の方も参加しやすいのが特徴と言えます。

この記事を参考に不動産投資を始める方は、自己資金や投資方針などを考慮した上で、ご自身に最も合う投資タイプを検討してみてください。

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