日本の中心都市である東京都は人口も多く、不動産投資に適したエリアの一つです。しかし遠方に住んでいる場合、どのように東京都で不動産投資を始めたらいいのか分からない方もいるでしょう。
そこで今回のコラムでは、遠方在住者が東京都で不動産投資を始める方法を解説していきます。またエリアや物件の選びの3つのポイントを紹介します。
目次
- 東京都で不動産投資を始めるメリット
1-1.国内で最も人口が多く、賃貸需要が見込みやすい
1-2.物件の供給数が多く、参入しやすい
1-3.流動性が高く、出口戦略が立てやすい - 遠方在住者が東京で不動産投資を始めるデメリット
2-1.土地勘がないとエリアごとの環境が把握しにくい
2-2.金融機関からの融資が受けにくい - 遠方から物件やエリア選びをする際のポイント
3-1.最寄り駅からの距離だけでは選ばない
3-2.管理に強い不動産会社に協力してもらう
3-3.エリアのブランド力を把握する - 遠方在住者が東京で不動産投資を始める方法
4-1.不動産ポータルサイトで物件を探す
4-2.不動産会社に物件紹介を依頼する
4-3.不動産投資会社の無料セミナーを受講する - まとめ
1 東京都で不動産投資を始めるメリット
東京都が不動産投資に適している背景には、いくつかのメリットがあります。今回は代表的な3つのメリットについて解説していきます。
1-1 国内で最も人口が多く、賃貸需要が見込みやすい
「東京都の人口(推計)」によると、東京都の人口は2022年8月1日時点で14,036,936人となっています。人口が多いということは、その分住宅が必要になることから住宅需要が多く、東京は不動産投資に向いているエリアとなっています。
また、新型コロナウィルスの感染拡大により、人口減少傾向があることも指摘されていましたが、2021年8月1日時点の東京都の人口は14,026,137人となっており、1年間で1万人以上増加しています。
1-2 物件の供給数が多く、参入しやすい
株式会社不動産経済研究所が発表した「全国新築分譲マンション市場動向2021年」によると、2021年の全国での新築マンションの販売件数は7万7,552 戸で、そのうち東京都が1万6,211戸と最も多くなっています。それ以降は、大阪府の1万426戸、神奈川県の8,609戸、兵庫県の5,251戸と続きます。
このように東京都では新しい住戸が次々に供給されるため、物件を選ぶ際の選択肢が多いのが特徴です。物件の選択肢が多いため新規参入しやすく、不動産投資の初心者の方でも始めやすいメリットがあります。
1-3 流動性が高く、出口戦略が立てやすい
公益財団法人不動産流通推進センターが発表した「2022不動産業統計集」によると、2021年3月から2022年2月までの中古マンション成約物件件数は、東京都が19,818件、神奈川県が9,430件、大阪府が8,946件となっています。
投資用物件だけの統計ではないため一概にはいえませんが、東京都では数多くの中古マンションが市場に売り出され、さらに売買が成立していることが分かります。つまり、中古マンションの取引が他の地域に比べて活発で、他のエリアと比較して売却に時間がかからないということが分かります。
不動産を売却するには、3~6ヶ月ほどの期間を必要とします。また、人口が減少している地方エリアでは売却時点で築年数が経過していると売れにくくなり、出口戦略を立てることが難しいケースも少なくありません。
東京都では人口が増加していることを背景に、不動産の流動性が高く、出口戦略も立てやすいという特徴があります。不動産投資を検討する際に、大きなメリットと言えるでしょう。
2 遠方在住者が東京で不動産投資を始めるデメリット
反対に、遠方に住んでいる人が東京で不動産投資を始めるには、どのようデメリットがあるのか解説していきます。
2-1 土地勘がないとエリアごとの環境が把握しにくい
東京都内に住んだことがない人にすると、土地勘がないため、物件選びの際に治安が悪いなどのリスクを見逃してしまう危険もあります。
また現地の状況が分かりにくく、経営には不安がつきまとうことになります。物件を購入した後は管理業者が管理業務を担うことは可能ですが、現地の様子をオーナーが頻繁に確認しに行くことは難しいと考えられ、対応が遅くなったり、不安を抱えたまま判断するケースもあります。そのためトラブルに弱く、管理会社の能力によっては対策が必要になる場合も考えられます。
2-2 金融機関からの融資が受けにくい
賃貸用物件は高額なため、多くの場合は金融機関から融資を獲得して購入することになるでしょう。
しかし、金融機関にはそれぞれ営業エリアがあり、遠方に在住している場合、融資審査に通りにくなることがあります。金融機関によっては、担保物件と借手が同一エリアでないと融資実行できないケースもあり、融資対象者がそのエリアから外れていると、審査が難しくなってしまうのです。
条件のいい物件を見つけたとしても、融資が受けられなければ資金調達の面で難航することになります。遠方在住者が不動産投資を検討する際には、大きなデメリットと言えるでしょう。
3 遠方から物件やエリア選びをする際のポイント
遠方に住んでいる方が東京都内の物件を選ぶ場合、何回も見学に行くことが難しい方は少なくないでしょう。そのためエリアと物件選びの際には、東京都内の住宅事情を適切に把握することが大切です。具体的なポイントを3つ紹介します。
3-1 最寄り駅からの距離だけでは選ばない
東京都内は公共交通機関が発達していて、元々交通利便性の高い都市です。ただし、坂が多かったり、道が細い、階段を登らないといけない、など移動するのに不便なケースもあります。そのため最寄り駅からの距離だけでは判断しないようにしましょう。
例えば、最寄り駅から徒歩5分と聞くと距離が近いように感じますが、階段を登らないといけない、坂を登ることになると入居者に不便に感じさせてしまいます。その場合、入居者が確保できても入居期間が短期になる可能性もあります。
現在は地図アプリなどでバーチャル散歩も可能です。気になる物件を見つけた場合は、アプリ上で試してみて問題なく歩けそうか、確認するようにしましょう。なお、最終判断の前には、バーチャルだけではなく実際に自分の目で確認することも大切です。
3-2 管理に強い不動産会社に協力してもらう
遠方から不動産投資を始めるのであれば、管理に強い不動産会社の協力を得ることが大切です。管理会社は入退去の作業だけでなく、入居者の募集や共有部分の建物管理など、入居率に関連する重要な業務を担っているためです。
例えば、不動産会社の中には物件販売から管理までワンストップで行っている不動産投資会社があります。ワンストップで依頼できる不動産会社はエリア調査を入念に行い、高い入居率を保っている会社も少なくありません。
管理まで行う不動産会社では、高い入居率を保ち、それらの数値を公表して投資家募集を行っています。自社の売上に直結する部分のため、販売後のサポートも手厚くなっており、遠方から不動産投資を検討する際にも適した選択肢と言えるでしょう。
【関連記事】不動産投資の入居率を高くする管理会社の選び方は?ポイント6つ解説
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3-3 エリアのブランド力を把握する
地方都市の中にもエリアにブランド力があるケースがあり、「一度は住んでみたい」と憧れを抱いている人もいます。東京都内も同様で、「住みたい街ランキング」などにランクインするブランド力のあるエリアは、賃貸需要や家賃、物件価格のどれもが下がりにくいという特徴があります。
そのためブランド力の高いエリアの物件を取得できれば、高い入居率を維持しながら賃貸経営ができる可能性があります。また売却時にも資産価値の著しい低下は避けられると考えられます。そのためエリアを選ぶ際は、ブランド力を把握することも大切なのです。
下記の表は、日経BP総合研究所が発表した「シティブランド・ランキング-住みよい街2022-」から東京都内のトップ5を抜粋したものです。
順位 | 自治体名 |
---|---|
1位 | 千代田区 |
2位 | 武蔵野市 |
3位 | 府中市 |
4位 | 文京区 |
5位 | 中央区 |
※参照:日経BP総合研究所が発表した「シティブランド・ランキング-住みよい街2022-」から抜粋
このようなエリアブランドに関するランキングは、数多くありますのでエリアを選択する際の参考になります。ただし、ブランド力があるエリアは物件価格が高い傾向があります。そのため購入時には、予算や利回り、キャッシュフローなどをシミュレーションして、慎重に判断するようにしましょう。
4 遠方在住者が東京で不動産投資を始める方法
遠方に住んでいる方が東京で不動産投資を始めるにはいくつか方法がありますが、今回は3つの方法について解説していきます。
4-1 不動産ポータルサイトで物件を探す
遠方にいる場合、何度も東京都内に足を運ぶことは難しいため、まずどのような物件があるのか、インターネットを活用して把握するようにしましょう。そこで頼りになるのが不動産ポータルサイトです。中古市場で販売されている投資用物件が掲載されているので、それらを確認しましょう。
数多くの物件を見ていると、物件の違いや反対に類似点などが分かってくるようになります。自宅にいながらできるので、時間の空いているときに気軽に見ることもできます。このときのポイントは下記になります。
- 価格の相場
- 間取りの傾向
- 築年数
- 交通アクセス
- 家賃の相場
- エリアによる特徴、など
物件を見る際は、オーナーチェンジ物件かどうかも確認しましょう。東京で初めて不動産投資をするのであれば、すでに入居者がいるオーナーチェンジの中古マンションが始めやすいことがあります。購入後すぐに家賃収入があり、前オーナーの経営スタイルを引き継ぐこともできるからです。
気になる物件が見つかった場合は、物件資料を請求してより詳しい情報を確認するようにしましょう。
【関連記事】オーナーチェンジ物件に投資するメリット・デメリットは?失敗しないポイント4つ
4-2 不動産会社に物件紹介を依頼する
遠方に在住している方にとって、東京都内の不動産事情を熟知しているパートナー選びは重要なポイントになります。
物件を見つけるよりも先に不動産会社を見つけ、物件を紹介してもらう方法もあります。予算や希望エリアなどをまとめておき、電話やメールなどで条件に合う投資用物件を探している旨を伝えます。
不動産会社を大きく分けると、知名度の高い大手不動産会社と、地域の情報に強い中小の不動産会社という2つのタイプがあります。すでに希望のエリアがあれば、地域内にある中小の不動産会社でも構いませんが、エリアの範囲を決めていない場合は大手不動産会社に依頼するといいでしょう。
また遠方在住者は、融資の際に金融機関の審査が通りにくいといったデメリットもあります。そのため融資に強い不動産会社を選ぶことも重要になります。
【関連記事】フルローンや低金利など融資に強い不動産投資会社の比較・まとめ
4-3 不動産投資会社の無料セミナーを受講する
東京都内で不動産投資を始める方向けに、不動産投資会社が定期的に無料セミナーを開催しています。オンラインでの参加が可能なケースも多く、遠方に在住している方も数多く参加されています。
内容は幅広く、初心者向けから上級者向けまで参加者のレベルに合わせて開催されています。東京での不動産投資について、ゼロから教えてくれるセミナーもあります。
セミナーを受講するうちに、不動産投資についての知識を学ぶことができ、個別相談会などで物件の紹介を行ってもらえるケースもあります。さらに物件の購入における契約や融資、購入後の運営や管理などのサポートもしてくれます。
一方、不動産会社が提供する不動産投資セミナーは自社の物件を販売する目的で開催されていることも多く、セミナー内容がメリットばかりを強調するポジショントークになってしまっているケースも見られます。
複数の不動産投資セミナーを受講し、デメリットや注意点についても解説してくれるか、自身が求める投資スタイルであるかどうか、比較してみると良いでしょう。
【関連記事】どこを選ぶ?初心者に人気の不動産投資セミナー7選
まとめ
人口が多く、流動性も高い東京都は不動産投資に適したエリアです。しかし、遠方に住んでいる方にとっては、どのように不動産投資を始めたらいいのか分からない方も多いでしょう。
今回のコラムでは、遠方から東京都内で不動産投資を始める方法について、「ポータルサイトから物件を探す」「不動産会社に紹介してもらう」「セミナーに参加する」という3つの方法を紹介しました。
また、物件やエリアを選ぶ際のポイントを3つ紹介しました。不動産投資を始める際に、ぜひお役立てください。
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倉岡 明広
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