港区のマンション売却相場は?間取りや築年数、購入検討者数のデータから検証

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港区は、千代田区・中央区とともに「都心3区」と呼ばれ、マスコミやIT企業、外資系企業の日本支社などが多数立地している日本経済の中心地の一つとなっています。2022年1月1日時点の人口は257,183人、世帯数は145,951世帯となっており、居住地としても人気が高いエリアとなっています。(※参照:港区「各年1月1日現在の人口・世帯数」)

しかし、売却を考えるうえでは、大まかなイメージだけでなく実際の相場を知っておくことも重要なポイントとなります。不動産市場の動向は日々変化しており、流動性の高い東京23区は特にその影響が顕著です。また、港区エリアの不動産は取引価格が比較的に高額となるため、購入者が一定数絞られてくる点にも注意が必要です。

そこで今回のコラムでは、「三井のリハウス」が発表しているデータをもとに、港区の中古マンションについて間取りや築年数、価格の傾向、購入検討者の数などを紹介していきます。

三井のリハウス

三井のリハウスの不動産査定・売却三井のリハウスは、三井グループの不動産会社「三井不動産リアルティ」の不動産コンサルティング事業の名称です。全国に店舗を展開しており、大手不動産会社ならではのネットワークを強みに不動産仲介事業に特化したサービスを提供しています。豊富な取引実績は数字にも表れており、1986年度~2023年度の38年連続で全国仲介取扱件数No.1となっています。

三井のリハウスの主な事業は、個人向けの不動産における、売却、購入、賃貸に関するさまざまなサービスの提供です。不動産売却に関しては、不動産売買のプロによる査定を依頼することができます。売却するかどうかの判断は査定後に決められるため、「まずは価格を知りたい」「売却するか活用するか悩んでいる」という方でも利用しやすくなっています。

目次

  1. 港区で販売されている中古マンションの平均価格
  2. 港区で販売されている中古マンションの間取りにおける特徴
  3. 港区で販売されている中古マンションの築年数における特徴
  4. 港区のマンションの購入を検討している人数
  5. まとめ

1 港区で販売されている中古マンションの平均価格

三井のリハウスでは、自社で取り扱っている物件の売出情報について、東京23区別に売り出し中物件数と平均価格などのデータを提供しています。そのデータをもとに、東京23区における中古マンションについて、平均価格(2022年9月15日時点)の上位5位までをランキングにしたのが下記の表です。

東京23区における中古マンションの平均価格

順位 平均価格
1位 港区 1億4,927万円
2位 千代田区 1億4,729万円
3位 渋谷区 1億936万円
4位 中央区 9,379万円
5位 江東区 8,478万円

港区で販売されている中古マンションの平均価格は1億4,927万円で、東京23区内では最も高くなっています。2022年8月22日の時点では1億5,361万円となっており、434万円の下落となりましたが、1位をキープしています。

次に、23区で販売されているマンションの数をランキングにしたのが下記の表です。物件がどれくらい販売されているのか、確認しましょう。

東京23区で販売されているマンションの数

順位 物件数
1位 港区 439件
2位 世田谷区 341件
3位 新宿区 309件
4位 渋谷区 291件
5位 品川区 197件

港区で販売されている中古マンションの数は439件で、412件だった8月22日時点に比べて27件増えています。ランキングとしては、東京23区のうちで最も数が多いのが港区です。

また下記の表は、2022年8月22日からの価格の変動について、東京23区内で大きい順から5番目までと、港区をまとめたものです。

2022年8月22日~9月15日の間でマンション価格の変動が大きいエリア

順位 価格変動幅
1位 渋谷区 408万円
2位 目黒区 339万円
3位 中央区 322万円
4位 品川区 306万円
5位 新宿区 213万円
23位 港区 ▲434万円

港区で販売されている中古マンションの平均価格は、8月22日時点から434万円の下落となりました。平均価格が下落した区は12ありますが、最も下落幅が大きかったのが港区です。

物件数が増えて、平均価格が下落していることから、平均価格よりも低い価格の物件が増えていることも推測できます。

2 港区で販売されている中古マンションの間取りにおける特徴

港区で販売されている439件について、間取り別の傾向を見ていきましょう。価格帯と間取りの組み合わせについてまとめたのが下記の表です。

マンションの価格帯と間取りの組み合わせ

順位 間取り×価格帯 物件数
1位 2LDK×1.5億円〜 75件
2位 3LDK×1.5億円〜 49件
3位 1LDK×6,000万円超〜8,000万円 46件
4位 2LDK×1億円超〜1.5億円 44件
5位 2LDK×8,000万円超〜1億円 35件

港区で販売されているマンションの平均価格は1億5,136万円ですが、439件のうち244件が1億円超のマンションとなっています。全体の55.6%を占めています。最も多い間取りと価格帯の組み合わせは、「2LDK×1.5億円〜」の75件となっています。

一方、価格帯の低いマンションについては、2,000万円以下の価格帯ではワンルームのマンションが3件、1LDKが1件販売されています。また「2,000万円超〜3,000万円」の価格帯ではワンルームが2件、1LDKが6件、2LDKが1件販売されており、「3,000万円超〜4,000万円」の価格帯では1LDKが8件販売されています。物件数が多いだけに、幅広い価格帯のマンションが販売されていることが分かります。

また間取り別に物件数をカウントすると下記のようになります。

間取り別の売出物件数

間取り 物件数 割合
ワンルーム 16件 3.6%
1LDK 171件 39.0%
2LDK 176件 40.1%
3LDK 74件 16.9%
4LDK 2件 0.5%

販売されている中古マンションのうち、最も多い間取りは2LDKですが、1LDKと物件数ではほとんど差がないことが分かります。3LDKも74件で、全体の16.9%を占めています。

3 港区で販売されている中古マンションの築年数における特徴

この項目では、築年数と販売価格の関係について特徴を見ていきましょう。下記の表は港区で販売されている中古マンション439件を築年別に分けて、件数とその割合を表したものです。

築年数別の中古マンション販売物件数

築年数 物件数 割合
築15年〜 251件 57.2%
築10年〜 67件 15.3%
築8年〜 23件 5.2%
築6年〜 15件 3.4%
築4年〜 18件 4.1%
築2年〜 29件 6.6%
築1年〜 16件 3.6%
新築または築1年未満 20件 4.6%

築15年以上の物件が多く、割合で見ると57.2%を占めています。築浅物件が多いのも特徴で、「新築または築1年未満」の物件は全体の4.7%の20件、築2年以内で見てみると64件あり、全体の14.9%を占めています。

また、築年別と価格帯の組み合わせについて、物件数の上位5番目までを表したのが下記の表です。

中古マンションの築年数と販売価格

順位 築年数×価格帯 物件数
1位 築15年〜×1.5億円〜 61件
2位 築15年〜×8,000万円超〜1億円 51件
3位 築15年〜×6,000万円超〜8,000万円 43件
4位 築15年〜×1億円超〜1.5億円 42件
5位 築10年〜×1.5億円〜 36件

港区で販売されている中古マンションのうち、最も多い築年数と価格帯の組み合わせは、「築15年〜×1.5億円〜」となっています。61件が販売されており、全体の13.9%となっています。

4 港区のマンションの購入を検討している人数

マンションを売却する際に、購入を検討されている方がどれくらいいるのか分かると、価格設定などに役立てることができます。

三井のリハウスでは、各区においてマンションの購入を検討されている方の人数を希望価格別に表示しています。それによると、港区のマンションについて購入を検討している方は、2022年9月15日時点で3,396人となっています。

エリア別のマンション購入検討者数

順位 購入検討者数
1位 世田谷区 3,969人
2位 港区 3,396人
3位 渋谷区 3,054人
4位 江東区 2,728人
5位 品川区 2,708人

港区のマンション購入を検討している人の数は、東京23区内で2番目に多いことが分かります。価格帯別に分けると、下記のようになります。

価格帯別のマンション購入検討者数

順位 価格帯 購入検討者数
1位 1.5億円〜 1,505人
2位 1億円超〜1.5億円 456人
3位 7,000万円超〜8,000万円 264人
4位 8,000万円超〜9,000万円 250人
5位 9,000万円超〜1億円 227人

最も多い価格帯は「1.5億円〜」の1,505人で、全体の44.3%を占めています。2番目に人数が多いのが、「1億円超〜1.5億円」の456人です。2つ合わせると1,961人となり、57.7%を占めています。

また、3,000万円以下の物件の購入を検討している人が127人、4,000万円以下が101人、5,000万円以下が106人おり、合計すると5,000万円以下の物件を求めている方は334人おり、全体の9.8%となっています。

まとめ

三井のリハウスの2022年9月15日時点のデータから、東京都港区で販売されている中古マンションに関する傾向を解説しました。まとめると下記のようになります。

  • 販売されている中古マンションの平均価格は東京23区内で最も高い
  • 販売されている中古マンションの件数は東京23区内で最も多い
  • 平均価格は8月22日の時点から434万円下落している
  • 最も多く販売されている間取りと価格帯の組み合わせは2LDKの「1.5億円〜」
  • 販売されているマンションのうち1LDKと2LDKの2つの間取りで全体の79.0%
  • 最も多く販売されている築年数と価格帯の組み合わせは築15年以上の「1.5億円〜」
  • 最も多く販売されている築年数の区分は「築15年〜」(57.2%)
  • 港区内のマンション購入を検討している人は3,396人
  • 購入検討者のうち、最も多い価格帯は「1.5億円〜」の1,505人

なお、三井のリハウスの東京都港区周辺における取引実績(2012年9月〜2022年8月)は、マンション5,776件、一戸建て・土地443件となっており、合わせて6,219件となっています。

東京の不動産市場は流動性が高く、売出情報のデータも日々変動があります。本記事でご紹介した内容については、三井のリハウスが提供している、2022年9月15日時点のデータであることをご理解の上、参考にしてください。

より詳細な情報や売却戦略については、三井のリハウスの無料査定を受けることで、査定価格や査定の根拠を知ることができます。売却に迷っている方でも利用することができるため、「まずは価格を知りたい」という方でも、実際に査定を受けることも検討されてみると良いでしょう。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。