相続不動産、売却したらかかる経費や税金は?確定申告についても

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相続で被相続人の遺産を分割する際、相続財産に不動産が含まれているケースがあります。不動産を相続割合に応じて分割するのは困難なので、売却で現金化してから相続しようと考えている人も多いのではないでしょうか?

売却によって現金化してから相続する場合は経費や税金がかかるため、全ての売却代金を相続できるわけではないという点に注意してください。

この記事では、相続不動産を売却する際にかかる経費や税金、確定申告の方法などについて解説します。

※記事内の税制内容は2021年9月時点の情報となります。最新の情報については、国税庁などのサイトをご確認のうえ、税理士などの専門家へのご相談もご検討ください。

目次

  1. 相続不動産の売却でかかる経費・税金
    1-1.譲渡所得税
    1-2.仲介手数料
    1-3.印紙税
    1-4.登録免許税
    1-5.その他の費用
  2. 確定申告の方法
    2-1.税務署の相談窓口で作成・申告
    2-2.国税庁のホームページから作成・申告
    2-3.税理士に依頼する
  3. まとめ

1.相続不動産の売却でかかる経費・税金

相続不動産の売却でかかる経費・税金として、以下の5つが挙げられます。

  • 譲渡所得税
  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • その他の費用

それぞれの経費・税金を詳しく解説していきます。

1-1.譲渡所得税

譲渡所得税とは、不動産の売却によって利益が生じた場合に課される税金です。売却により利益が生じたかどうかは以下の計算式にて算出します。

譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除

譲渡価額は売却代金、取得費は土地や建物の購入代金(建物は減価償却費相当額を減額)、譲渡費用は仲介手数料や解体費用などの費用を指します。

特別控除は不動産の種類や所有していた形によって該当するかどうかの判断が異なります。専門的な知識を必要とするため、不動産会社または税理士などの不動産、相続、税金の専門家に相談することも検討しておきましょう。

【関連記事】自宅の売却で適用したい5つの特例とは?それぞれ適用の流れと条件を解説

譲渡所得税の税率は建物の所有期間が5年を超えるかどうかで以下のように異なります。

  • 長期譲渡所得:所得税15%・住民税5%
  • 短期譲渡所得:所得税30%・住民税9%

建物の所有期間が5年以下の場合には短期譲渡所得、5年超の場合には長期譲渡所得が適用されます。2037年までは上記所得税に復興特別所得税が加算されるため、短期譲渡所得は所得税と住民税を足して39.63%、長期譲渡所得は20.315%の税金が課されます。

1-2.仲介手数料

仲介手数料とは、不動産会社に不動産の売却の仲介を依頼し、不動産会社が買主を見つけて売買契約を成立させた場合に支払う報酬です。

宅地建物取引業法には仲介手数料の上限が定められており、以下のような速算式を用いて仲介手数料の上限を算出します。

売却代金×3%+6万円+消費税

上記はあくまでも上限なので、仲介手数料を安く設定している不動産会社もあります。価格交渉を行うことも可能ですが、不動産会社は売却に必要な広告費・人件費・物件調査費など様々な経費をかけているため、無理な交渉は行わないように注意しましょう。

【関連記事】不動産売却の仲介手数料は値引き交渉できる?成功事例や注意点を解説

1-3.印紙税

印紙税とは、売買契約書に貼付して納める税金のことです。印紙税の金額は、以下のように不動産の売買契約書に記載されている契約金額によって異なります。

売買価格 印紙税額
1万円未満 非課税
1万円超50万円以下 200円
50万円超100万円以下 500円
100万円超500万円以下 1,000円
500万円超1,000万円以下 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 10,000円
5,000万円超1億円以下 30,000円
1億円超5億円以下 60,000円
5億円超10億円以下 160,000円
10億円超50億円以下 320,000円
50億円超 480,000円

※引用:国税庁「不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置

1-4.登録免許税

登録免許税とは、不動産に関連する登記を行う際に納める税金です。法的な決まりはないものの、取引慣例上、所有権が売主から買主に変わる所有権移転登記を行う際の登録免許税は買主負担、抵当権の抹消の際にかかる抵当権抹消登記は売主負担となります。

既に被相続人が住宅ローンを完済、抵当権を抹消している場合にはかかりませんが、通常は不動産1つにつき1,000円の登録免許税がかかります。相続した不動産が住宅の場合は、土地と建物の両方に設定されているので2,000円程度の支出を想定しておきましょう。

1-5.その他の費用

不動産を相続する際は、相続登記を行わなくてはなりません。戸籍謄本(450円)、住民票除票(300円)、不動産登記事項証明書(600円)などの必要書類を用意するのに手数料が発生します。

また、相続について弁護士、確定申告について税理士などの専門家に相談した場合は報酬が発生するということも覚えておきましょう。

2.確定申告の方法

サラリーマンの場合は会社が年末調整してくれるため、確定申告をしたことがないという人も多いと思います。そのため、どうやって確定申告すればいいのか分からないという人も多いのではないでしょうか?

確定申告の方法として、以下の3つの選択肢が挙げられます。

  • 税務署の相談窓口で作成・申告
  • 国税庁のホームページから作成・申告
  • 税理士に依頼する

それぞれの方法について詳しく解説していきます。

2-1.税務署の相談窓口で作成・申告

必要書類(譲渡所得の内訳書、確定申告書B様式、売買契約書のコピー)を事前に用意し、管轄の税務署に足を運びます。税務署職員に相談しながら確定申告書の作成を進めます。

税務署職員に相談しながら確定申告の書類を作成・申告するため、書類の不備が原因による再提出といったトラブルを防げる点がメリットです。しかし、確定申告の期限が迫ってくると、税務署の相談窓口に多くの人が訪れるので早めに相談しましょう。

2-2.国税庁のホームページから作成・申告

国税庁のウェブサイトには「確定申告書作成コーナー」が用意されています。確定申告書作成コーナーを利用すれば、WEB上で確定申告書を作成できます。

作成した確定申告書は、電子申告システム(e-Tax)による電子申告、プリントアウトして郵送で申告することも可能です。

税務署に行く手間を省けるという点が大きなメリットですが、書類に不備があった場合は返還されて再提出しなければならず、手間と時間が増える可能性もあります。

2-3.税理士に依頼する

税理士に確定申告を依頼した場合、本人に代わって書類の用意、確定申告書の作成・申告の全てを行ってくれます。

税理士に依頼することで書類の用意、確定申告書の作成・申告にかかる手間と時間を省きながら、確定申告を確実に行うことが可能です。過少申告のペナルティのリスクがなく、適用したい特別控除の申請の相談もできる点もメリットといえます。

ただし、税理士への依頼は税理士報酬がかかる点がデメリットです。売却する相続不動産の規模によっては費用以上のメリットを受けられないこともあるため、まずは複数の税理士事務所から見積もりを取り、依頼するかどうか判断してみると良いでしょう。

例えば、税理士紹介サイトを利用して税理士を紹介してもらうという方法もあります。税理士紹介サイトでは、コーディネーターが、相談者のニーズに合った税理士をピックアップし、面談を調整してくれます。税理士との依頼内容の調整や、料金交渉などもコーディネーターに任せることが可能です。

税理士ドットコム

税理士ドットコム税理士ドットコムは、全国5,900名の税理士の中から無料で希望に沿った税理士を紹介してもらえるウェブサービスです。複数の税理士を比較することができるうえ、「費用はいくら?」「どんな税理士を選ぶべき?」といった税理士を選ぶ際の相談も可能となっています。

報酬引き下げの実績も豊富なため、すでに税理士と契約している方でも利用が可能です。コーディネーターが複数の税理士に相見積りをとり、費用についての交渉までサポートしてくれます。

利用時の主な注意点としては、提携している税理士の紹介しか受けられない点です。提携外の税理士も比較していきたい方は、自身で探してみたり、知人から紹介を受けてみるなどと並行して、利用を検討すると良いでしょう。

まとめ

相続不動産を売却して得た売却代金は全て自分の自由に使えるわけではありません。相続不動産の売却代金からは経費や税金を差し引くことになるため、どのような経費や税金が差し引かれるのか事前に把握しておくことが大切です。

また、売却によって譲渡損失が生じた場合は確定申告が不要ですが、譲渡益が生じた場合は確定申告が必要です。確定申告を怠った場合、追徴課税といったペナルティが課されるので、確定申告の方法も事前に確認しておきましょう。

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矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。