アパート経営の始め方と必要な資金は?土地あり・土地なしのケースで解説

アパート経営は、マンション投資や戸建て投資と比較すると初期投資が大きくなりやすいため、資金がいくら必要になるのか気になっている人も多いのではないでしょうか?

ひと口にアパート経営と言っても、新築アパートを購入するのか・中古アパートを購入するのか、土地があるのか・ないのかによって必要な資金は変わってきます。今回は、それぞれのパターン別に資金がいくら必要になるのか、各パターンで始める際のメリット・デメリットなどを解説していきます。

目次

  1. 中古アパートを購入する
    1. 中古アパートを購入するメリット
    2. 中古アパートを購入するデメリット
  2. 完成済み・建築途中の新築アパートを購入する
    1. 完成済み・建築途中の新築アパートを購入するメリット
    2. 完成済み・建築途中の新築アパートを購入するデメリット
  3. 3 相続などで取得した土地にアパートを建てる
    1. 相続などで取得した土地にアパートを建てるメリット
    2. 相続などで取得した土地にアパートを建てるデメリット
  4. 4 新しく土地を購入してアパートを建てる
    1. 新しく土地を購入してアパートを建てるメリット
    2. 新しく土地を購入してアパートを建てるデメリット
  5. その他の諸費用
  6. まとめ

1 中古アパートを購入する

中古アパートとは、築1年を経過したアパートか一度誰かの手に渡ったことがあるアパートです。

中古アパートの売買は、一般的に不動産会社を介して行われ、売主と販売者が異なる場合には仲介手数料が発生します。中古アパートは、土地とアパートがセットになっているため、不動産会社が掲載している広告の価格はアパートの購入費用だけでなく、土地の購入費用も含まれています。

大手物件検索サイトのLIFULL HOME’Sで調べてみると、現在中古アパートを購入するのに必要な費用は、150万円~6億5,000万円と値幅が大きくなっています。また、件数が多い価格帯は3,000万円~5,000万円(1,006件)、5,000万円~7,000万円 (812件)と5,000万円前後が多くなっています。

  • ~500万円 (14件)
  • 500万円~1,000万円 (101件)
  • 1,000万円~2,000万円 (558件)
  • 2,000万円~3,000万円 (646件)
  • 3,000万円~5,000万円 (1,006件)
  • 5,000万円~7,000万円 (812件)
  • 7,000万円~1億円 (731件)
  • 1億円~2億円 (745件)
  • 2億円~3億円 (126件)
  • 3億円~ (34件)

※LIFULL HOME’S全国中古売りアパート検索結果から新築・未完成アパートを除外した4,601件を参照(2018年10月15日)

新築アパートの掲載数(248件)と中古アパートの掲載数(4,756件)を比較すると、中古アパートの方が売り出されている件数が多く、投資の選択肢も多いということが分かります。ただ、中には築古やアクセスの悪さで入居者がつかずに経営難で売りに出されている中古アパートもありますので、投資を検討する際には注意が必要です。

1-1 中古アパートを購入するメリット

中古アパートを購入するメリットは、新築アパートよりも購入価格が2割から3割ほど低くなっており、投資金額を抑えることができることです。

また、満室時の利回りは都内の中古アパートで6~10%と新築アパートの5~6%より高くなっています。利回りが高いということは、初期投資の回収までの時間を短縮できることになるため、満室経営が実現できれば新築よりも投資効率を上げることができるという点も大きなメリットと言えるでしょう。

1-2 中古アパートを購入するデメリット

中古アパートを購入するデメリットは、投資金額を抑えることができるものの、経年劣化とともに、修繕費が増大していくため、家賃収入が圧縮されることです。

また、築年数の経過とともに入居者の確保が困難になってくるため、アパートの出口戦略を検討する必要が生じてくるなど、年々リスクが高くなってくることもデメリットと言えるでしょう。

2 完成済み・建築途中のアパートを新築する

新築アパートとは、既に完成済で一度も誰の手にも渡っていない築1年以内のアパートか建築途中で数ヵ月以内に完成するアパートです。

新築アパートの販売も、土地とアパートがセットになっているため、不動産会社が掲載している広告の価格にはアパート(建物)の購入費用だけでなく、土地の購入費用も含まれています。

現在新築アパートを購入するのに必要な費用は、2,580万円~3億3,000万円となっています。また、件数が多い価格帯は7,000万円~1億円(53件)、1億円~2億円(95件)と1億円前後が多くなっています。

  • ~500万円 (0件)
  • 500万円~1,000万円 (0件)
  • 1,000万円~2,000万円 (0件)
  • 2,000万円~3,000万円 (7件)
  • 3,000万円~5,000万円 (18件)
  • 5,000万円~7,000万円 (34件)
  • 7,000万円~1億円 (53件)
  • 1億円~2億円 (95件)
  • 2億円~3億円 (14件)
  • 3億円~ (1件)

※LIFULL HOME’S全国 新築・未完成のみ売りアパート検索結果221件参照(2018年10月15日)

値幅が数千万円から数億円と大きくなる主な原因は、地域による地価の差です。アパートの建築価格は地域差がそれほど大きくありませんが、地価については地域差が大きいため、都心に近くなればなるほど価格が高くなるという傾向があります。

2-1 完成済み・建築途中の新築アパートを購入するメリット

完成済み・建築途中の新築アパートを購入するメリットは、投資用の土地探しから始めてオーダーメイドのアパートを建てる場合よりも、割安になっていることが多いことです。また、土地を探す時間やアパートの設計を一から考える手間を省くことができるというメリットもあります。

2-2 完成済み・建築途中の新築アパートを購入するデメリット

完成済み・建築途中の新築アパートを購入するデメリットは、アパートの立地や設備が既に決まっているということです。土地を購入してアパートを新築する場合のように、需要が期待できる場所を選ぶことができず、内装や設備、間取りなどを自由に設計できません。

また、初期投資が大きくなるため、満室時の利回りは都内で5~6%前後と中古アパートの6~10%より低くなります。運用実績がなく、購入したものの利回り通りの結果を出せるか分からないため、その分リスクが高くなってしまうと言えるでしょう。

3 相続などで取得した土地にアパートを建てる

相続などによって土地を取得した場合は、自宅を建てる・駐車場経営をするといった土地活用の方法以外にも、アパートを建てて運用するという方法もあります。アパートを建てることによって毎月の家賃収入が得られるだけでなく、固定資産税も抑えることができます。

アパートを建てる費用は、建物の構造によって大きく異なります。構造は木造・鉄骨造・RC造の全部で3種類あります。それぞれの特徴と費用は以下の通りです。

木造は、建築費用を抑えることができるものの、強度が鉄骨造・RC造よりも弱くなるため、低層アパート(2~3階建て)向きになります。おおよその建築費用は坪単価50万円程度となっています。

鉄骨造は、強度が木造よりも少し強くなるため、低中層アパート(2~4階建て)の建築が可能になります。しかし、おおよその建築費用は坪単価50~70万円と強度が強くなった分高くなってしまいます。

RC造は、強度が最も強くなるため、高層アパート(主にマンション)の建築が可能になります。しかし、おおよその建築費用は坪単価70~100万円と鉄骨造よりさらに高くなってしまいます。

一般的な4~6戸程度の低層アパートの場合には木造建築が多く、仮に総戸数が6戸で延床面積が60坪だった場合は、木造の坪単価を50万円で計算すると、建築費用は3,000万円必要になります。

3-1 相続などで取得した土地にアパートを建てるメリット

相続などで取得した土地にアパートを建てるメリットは、土地の購入費用が発生しないため初期投資を抑えることができ、高利回りでリスクを抑えた経営ができることです。

また、それぞれの地域に合わせた自分の理想通りのアパートを作ることができる以外にも、本来発生する予定だった土地の購入費用を回すことで太陽光パネルを設置するなど、違う部分に費用をかけることができることもメリットと言えるでしょう。

3-2 相続などで取得した土地にアパートを建てるデメリット

相続などで取得した土地にアパートを建てるデメリットは、中古アパートや完成済み・検知途中の新築アパートを購入する場合のように、既に完成している物件を購入するわけではないため、建物の設計や打ち合わせなどの手間がかかるほか、運用を開始するまでに時間がかかってしまうことです。

また、土地を既に所有していることによって初期投資を抑えることができますが、所有している土地が賃貸需要のない地域であった場合は、アパートを建てても入居者が集まらずに低い利回りになってしまうことや収支が赤字になってしまうことがあるなど、所有している土地の影響を受けやすいこともデメリットと言えるでしょう。

4 新しく土地を購入してアパートを建てる

アパート経営のために最適と考えられる土地を探すだけでなく、アパートの間取りや設備などを自分で考えることもできるため、自由度の高い経営方法と言えます。

アパートを新築する場合の費用に加え、土地の購入費用が発生しますが、土地の購入費用は地域によって大幅に異なるため、その地域の地価を確認する必要があります。

都内は賃貸需要が期待できるものの、土地の購入費用が大幅に高くなるため、土地とアパートの新築費用を合わせて1億円前後になることを想定しておく必要があります。

郊外は、土地の購入費用を抑えることができるため、土地とアパートの新築費用を合わせて5,000万円~7,000万円程度を想定しておくと良いでしょう。

4-1 新しく土地を購入してアパートを建てるメリット

土地を購入してアパートを新築するメリットは、自分の投資条件に合う土地を納得いくまで自由に探すことができ、アパートの設備や間取りについても自分で決定ができるということです。

また、自分で自由に決定できるということは、「どこまでリスクを許容し、どれくらいの収益を狙うか」を選択できることを意味しているため、リスクと収益をコントロールしやすいというメリットもあると言えるでしょう。

4-2 新しく土地を購入してアパートを建てるデメリット

土地を購入してアパートを建てるデメリットは、土地の購入費用に加え、アパートの建築費用が発生するため、他の投資方法と比べて初期投資が大きくなってしまうということです。

また、土地を探す必要があることやアパートの間取りや設計を一から考える必要があるため、アパート経営を始めるまでに手間や時間がかかってしまうというデメリットもあると言えるでしょう。

5 その他の諸費用

アパートの経営に必要な資金は土地とアパートを準備する費用だけで良いのでしょうか?アパートの経営には、諸費用として土地とアパートを準備する費用のさらに7~10%程度の資金が必要になります。主な諸費用は以下の通りです。

  • 仲介手数料(※中古アパートなどの場合)
  • 契約印紙代
  • 登録免許税
  • 不動産取得税

仲介手数料とは、アパートを購入する際に不動産会社を仲介した場合に支払う手数料です。(購入費用×3%+6万円)+消費税で求めることができます。(※購入費用が400万円を超える場合の簡易計算式)

この計算式で求められるのは宅地建物取引業法に規定されている仲介手数料の上限です。購入費用の3%以上が仲介手数料として発生することになるため、少しでも費用を抑えたい場合には、不動産会社に仲介手数料の交渉をしてみると良いでしょう。

契約印紙代とは、売買契約書などの契約書や領収書などに課税される国税です。登録免許税とは、契約印紙代と同じく国税で、所有権移転(名義変更)登記を行う場合に支払います。登記を司法書士に依頼する場合にはさらに諸費用が増えるので注意が必要です。

不動産取得税とは、売買による不動産の取得時や新築時に都道府県が課税する地方税です。物件の購入費用ではなく、固定資産税評価額の4%(平成33年3月31日まで特例により3%)が課税されます。

このようにアパートを経営するには、土地の購入費とアパートの建築費用以外にも費用がかかるということを想定して、余裕を持った資金計画を立てるようにしましょう。

まとめ

アパートの経営には、中古アパートを購入する・完成済み・建築途中の新築アパートを購入する・相続などで取得した土地にアパートを建てる・新たに土地を購入してアパートを建てるの4つのパターンがありました。

アパートを経営する場合には、それぞれの経営方法によって異なる初期投資の金額に加え、仲介手数料などの諸費用が上乗せされるため注意が必要です。

アパート経営を円滑に行うためには、初期投資を抑えるだけでなく、それぞれの経営方法のメリットとデメリットをきちんと理解する必要があります。どの経営方法が最もリスクを抑えることができるのか考慮した上で、最適な経営方法を見つけましょう。

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矢野翔一

矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。