不動産投資は、金融機関から融資を受けて始められるほか、購入後の管理も管理会社に委託できるため、会社員の方でも働きながら無理なく取り組める資産運用として注目されています。しかし、管理会社の管理業務が疎かであると、キャッシュフローなど賃貸経営に大きな影響を与えるため、管理会社選びが不動産投資成功の鍵を握っていると言えます。
そこで今回は、不動産投資成功の鍵を握る管理会社の選び方と、気を付けるべきポイントについて解説します。
目次
- 不動産投資で必要な管理とは
- 管理会社を選ぶ際の3つのポイント
2-1.管理実績が豊富
2-2.担当者と連絡が取りやすい
2-3.しっかりとした管理体制が整っている - 管理会社を選ぶ方法とは
3-1.物件近くの複数の管理会社を訪ねる
3-2.インターネット集客を取り入れているか確認する - 任せきりにしないでこまめに連絡を取ることが重要
- まとめ
1 不動産投資で必要な管理とは
不動産投資を始める際は、マンションやアパートを購入するためのまとまった資金が必要です。また、マンションやアパートを購入しても、入居者の募集や建物管理なども必要になるため、なかなか一歩を踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか?
しかし、不動産投資ではまとまった資金が必要になる一方、安定した収入が期待できることや購入した不動産を担保にできることなどから、不足する購入資金を金融機関が融資してくれる可能性があるのが特徴です。また、管理会社に管理を委託すれば本業と両立できるため、サラリーマンでも始めやすい資産運用と言えます。
管理会社に管理を委託するからには管理会社に報酬を支払う必要があります。そのため、オーナーの中には少しでも支出を抑えるために自分で管理できないか気になっている方も多いと思います。不動産投資で必要な管理は以下のような項目です。
- 入居者の募集業務
- 入退去の手続き(契約更新等も含む)
- 家賃徴収業務(遅延・滞納の督促等も含む)
- 書類関係の保管および鍵の保管
- クレーム対応(入居者間・近隣住民とのトラブル対応)
- 建物の定期的な修繕(退去時のクリーニングも含む)
他にも様々な管理を伴うため、自主管理では本業との両立が困難になる可能性があります。また、問い合わせ窓口がオーナー本人になって、クレーム対応などでプライベートの時間がなくなる可能性を考えると、管理会社に委託した方が大幅に負担を軽減できるでしょう。
2 管理会社を選ぶ際の3つのポイント
管理会社に管理を委託すれば、基本的には不動産投資で必要な管理業務の全てを代理してくれるため、オーナーはほとんど物件を所有しているだけで良くなります。しかし、その代わりに委託報酬として家賃収入の5~10%を支払わなくてはなりません。
管理会社は、家賃収入がなければ収入が生じないため、基本的には空室が少なくなるよう管理業務にしっかりと取り組んでくれますが、中には高い報酬であるにもかかわらず、管理が疎かになっている管理会社もあります。
管理が疎かになっていると、空室がなかなか埋まらない、入居者の不満が溜まって退去に繋がりやすいなどの悪影響が起き、キャッシュフローが悪化しやすくなるので注意が必要です。そのため、不動産投資成功には管理会社選びが重要と言えます。管理会社を選ぶ際には、以下の3つのポイントが重要です。
- 管理実績が豊富
- 担当者と連絡が取りやすい
- しっかりとした管理体制が整っている
それぞれのポイントについて見ていきましょう。
2-1 管理実績が豊富
管理会社を選ぶポイントの1つ目は、管理実績が豊富かどうかということです。新しい管理会社より老舗の管理会社の方がその地域に密着しており、そのネットワークによってより多くの入居者が期待できる可能性があります。
しかし、新しい管理会社が全て悪いというわけではありません。新しい管理会社の中でも、多くの管理物件を抱えている管理会社の場合には、それだけ営業力に長けている従業員が多い、オーナーからの信頼度が高い管理会社であることが予想できます。
また、過去の管理実績をいくつかピックアップして自社サイトなどで公表しているか、空室対策に積極的で入居率を高く維持できているかといった点なども確認しておいた方が良いでしょう。
2-2 担当者と連絡が取りやすい
2つ目は担当者と連絡が取りやすい管理会社を選ぶということです。例えば、管理実績が豊富で多くの管理物件を抱えている管理会社の中には、1人当たりの管理物件が多すぎて、担当者に相談したくてもなかなか連絡が取りにくいケースがあります。
遠方の物件の管理を委託している場合には、担当者との連絡は「物件がどうなっているか」という情報を得るための最も効率的な手段でもあるため、連絡が取りやすいかどうかは重要と言えます。また、連絡が取りにくいということは、物件からの不満に対する対応も遅れていることが想像できます。
そうなると、入居者の不満が溜まって退去へとつながる可能性が高くなるので注意が必要です。そのため、担当者との連絡が取りやすいだけでなく、「○○までに返答します」など、誠心誠意対応してくれる担当者が多い管理会社を選ぶのがポイントと言えるでしょう。
2-3 しっかりとした管理体制が整っている
また、しっかりとした管理体制が整っている管理会社を見つけることも重要です。例えば、「仕事で夜遅くに帰宅してお風呂に入ろうとしたところ、給湯器が故障してお湯が出ない」というケースでは、営業時間外の連絡を受け付けていない管理会社だと入居者の不満が溜まってしまいます。
しかし、24時間のトラブル対応窓口がある管理会社だと、入居者も安心して過ごせるため、安定した需要や長期間の入居が期待できます。他には以下の管理体制が整っていることも重要です。
- オーナーに定期的な報告・連絡・相談がある
- オーナーごとに担当者がついて手厚いサポートがある
- 滞納への督促をしっかり実施してくれる
- 物件情報を社内で共有できている
「管理を委託したのに全然結果に結びつかない」と後悔しないためにも、上記だけでなく不安要素を書き出して、その不安要素に対してどのように対応するかを管理会社に事前に確認しておくのも重要なポイントと言えるでしょう。
3 管理会社を選ぶ方法とは
管理会社を選ぶ際のポイントは分かったものの、管理会社と言っても数多く存在しているため、その中から選ぶのはなかなか困難です。インターネットなどで調べて雰囲気が良さそうな管理会社を選んでみたものの、委託費が高かったもしくは管理戸数が多すぎて新規を受け付けておらず、時間だけが無駄になったというケースもあります。
では、どうすれば自分に合った管理会社を効率良く見つけられるのでしょうか?効率良く管理会社を見付ける方法について詳しく見ていきましょう。
3-1 物件近くの複数の管理会社を訪ねる
1社ずつ管理会社を探した場合には、上記のように自分に合った管理会社でないと振り出しに戻ってしまうため、効率が良いとは言えません。また、不動産投資を始めたい物件から遠く離れている管理会社は、物件に足を運ぶ回数が少なくなる可能性があるのであまりおすすめできません。
まずは物件近くにどのような管理会社があるのかをピックアップし、その中から気になる管理会社を絞ることから始めることが重要です。候補をいくつか絞った後は、実際に管理会社に足を運んでヒアリングをします。
ヒアリングでは、管理条件や報酬といった契約に関する内容だけでなく、どのような募集方法なのか、どのような強みのある管理会社なのかなどをしっかりと調査します。「手間がかかる」と感じた方もいるかもしれませんが、最初の管理会社選びがキャッシュフローに大きな影響を与えると考えれば、いかに最初が肝心なのかがわかるでしょう。
3-2 インターネット集客を取り入れているか確認する
管理会社のヒアリングで、どのような募集方法かを確認する必要性について触れましたが、紙媒体での募集しかしていない管理会社はなるべく避けた方が良いと言えます。周辺の管理会社が集まって、自分たちで管理している物件情報を掲載した冊子を駅周辺やコンビニなどに配置しているところもありますが、効果はあまり期待できません。
ほとんどの入居希望者は、スマートフォンやパソコンなどで物件情報を検索しているため、インターネット集客に積極的な管理会社の方が空室リスクを抑えることが期待できます。SUUMOやLIFULL HOME’Sなどの不動産ポータルサイトへの掲載に積極的であるなど、ネット集客を取り入れているかをしっかり確認しておくようにしましょう。
4 任せきりにしないでこまめに連絡を取ることが重要
「管理会社選びにしっかり時間をかけたので、後は任せきりで大丈夫」と思っている方もいるかもしれませんが、任せきりにすることはおすすめしません。管理会社の担当者は、自分の物件だけではなく複数の物件を管理しています。
そのため、現実的なところ、家賃収入の大きい物件や口うるさいオーナーの物件を優先する傾向があります。そのため、管理会社に任せきりにしていると、後回しにされる・新人に引き継がせるなど、扱いが疎かになってしまう可能性があるので注意が必要です。
それらを防ぐためには、業務に支障が出ない範囲でこまめに連絡を取る、管理会社に顔を出すといったように管理委託後も定期的に関わりを持つことが重要です。不動産投資成功の鍵は管理会社選びにかかっていると言えますが、委託後の関係も大切にしましょう。
5 まとめ
不動産投資は金融機関からの融資が期待できるほか、管理を管理会社に委託できるため、自己負担を少なく始められることが魅力と言えます。しかし、不動産投資における管理業務はキャッシュフローへの大きな影響を与えるため、管理会社選びが成功の鍵を握っていると言えます。
管理会社を選ぶ際は、複数の管理会社から「管理実績が豊富」「担当者と連絡が取りやすい」「しっかりとした管理体制が整っている」などのポイントを考慮しながら選ぶことが重要です。
一度選んだ管理会社があまり良くない場合や、購入以前から契約が続いている管理会社が良くないと感じた場合には、管理会社を変更することも1つの選択肢です。「頑張って管理してくれているのに申し訳ない」と思わずに、キャッシュフローを良くするためにも管理会社選びにこだわっていくようにしましょう。
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矢野翔一
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