定額制で全国の家に自由に住める多拠点コリビング(co-living)サービス「ADDress(アドレス)」を展開する株式会社アドレスは1月31日、一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)、リノべる株式会社、株式会社アイティーファームを引受先とする増資と、株式会社日本政策金融公庫からの融資による資金調達を実施したと発表した。金額は公表されていないが、経済的リターンと共に社会的または環境的な効果(インパクト)を同時に生み出すことを意図する「インパクト投資」による調達。アドレスは出資した企業・団体と協業しながら人口減少や空き家の増加、都市部への人口集中などの社会課題を解決に向け、社会的インパクトの創出を目指す。
ADDressは、空き家を活用して多拠点生活を楽しむだけでなく、全国各拠点で起業やまちづくりなど活躍するローカルイノベーターらと連携し、各地で複業や教育、文化、医療活動などにも関わる関係人口の拡大を図っている。
SIIFはアドレス社の事業を「昨年のサービス提供開始後、現在までに全国各地に30ヶ所の拠点を開発し、現在も事業を拡大している。直近では、地方のADDress拠点に滞在しながらデュアルスクール(都市と地方の2つの学校へ同時に通学できる仕組み)を実践する会員がいるなど、住まいの提供を超えて新しいライフスタイルを実現するような事例を生みだしている」と評価。「社会的インパクトの可視化を支援し、地域のエコシステムを生み出すプラットフォームとしての活躍を期待し、連携する」と表明している。
アドレスは、今回SIIFを始めとする投資家からインパクト投資による資金調達を行ったことを契機に、定款のミッションを「都市と地方の人口をシェアし、関係人口の増加並びに地域活性化に貢献する」ことを経営方針としてより明確にした。都市部と地域の人口の移動やリノベーションによる遊休資産の創造・利用を促進することによるで、地域の活性化に注力していく。
SIIFは社会課題解決と多様な価値創造が自律的・持続的に起こる社会を目指し、自助・公助・共助の枠組みを超えて、社会的・経済的資源循環のエコシステムの実現を目指している。ソーシャル・インパクト・ボンドをはじめとして、インパクト投資のモデル開発や実践、普及のための環境整備 調査研究・政策提言に取り組む。これまでも、社会課題解決と多様な価値創造が自律的・持続的に起こる社会を目指し、日本でのインパクト投資を推進すべく、新たな仕組みを作る組織に出資し、協働している。
【関連サイト】多拠点生活プラットフォーム「ADDress」
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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