今からでも大丈夫?東京オリンピック後のワンルーム投資で注意したいこと

※ このページには広告・PRが含まれています

東京都心では東京オリンピックの開催決定後不動産価格が上昇しました。ワンルームマンション投資をされている方の中には、売り時を探されている方もいるかもしれません。また、これからワンルーム投資を始めるという方もいるのではないでしょうか。

今回は2020年の東京オリンピック後に不動産業界に起こる可能性のある問題を確認した上で、今からワンルーム投資を始める場合の注意点について考えてみたいと思います。

目次

  1. オリンピック開催決定後に不動産価格はどれほど上昇したか
  2. 「2022年問題」で不動産価格が下がる可能性
    2-1.営農する人には税金の優遇措置
    2-2.生産緑地法が解除されることで懸念される問題とは
  3. 2022年問題の次は2025年、2035年問題
  4. 2020年以降に向けたローンの選択の仕方
    4-1.長期的に所有するなら固定金利も検討できる
    4-2.途中で売却をする可能性が高いなら変動金利を検討する
  5. これから中古物件を購入する際に押さえたいポイント
    5-1.中古不動産を購入する目的を決める
    5-2.築古でも古く見えない物件を選ぶ
    5-3.中古でも融資条件が良い物件がある
    5-4.入居率にこだわって物件を選ぶ
    5-5.好立地の物件を狙う
    5-6.中古ワンルームを取り扱っている不動産会社
  6. これから新築物件を購入する際に抑えてたいポイント
    6-1.新築は利回りが低いが高品質である
    6-2.広めのワンルームはニーズがある
    6-3.職住近接、都心のオフィスエリアで購入する
    6-4.新築ワンルームを取り扱っている不動産会社
  7. まとめ

1.オリンピック開催決定後に不動産価格はどれほど上昇したか

東京オリンピックが決定したことで東京都心の不動産価格が上がったと言われていますが、実際にはどれくらい上がったのでしょうか。以下は不動産投資と収益物件の情報サイト健美家調査「収益物件市場動向レポート2018」から引用したグラフです。

*不動産投資と収益物件の情報サイト健美屋調査「収益物件市場動向レポート2018」から引用

こちらのグラフから、首都圏のマンション価格は東京オリンピックが決定した2013年から上昇していることがわかります。東京23区では1,300万円位だった価格が2018年では2,000万円を越えていることがわかります。

今後オリンピックを一つの区切りと考え売却する方もいると思われますので、オリンピック前後が売却をするチャンスの一つでもあると言えるでしょう。

2.2022年問題で不動産価格が下がる可能性

東京オリンピック後に不動産業界で取りざたされている問題の一つに、2022年問題があります。2022年問題によって不動産価格に影響が出る可能性がありますので注意が必要です。2022年問題には「生産緑地法」という法律が関係します。「生産緑地法」とはどういったものなのでしょうか。

2-1.営農する人には税金の優遇措置

最初に生産緑地法が施行されたのは1974年です。当時、住宅不足の問題を抱えていたため、政府は農地を住宅地に変えるための法律を施行しました。しかし、それにより緑地が減少したために、1991年に今度は緑地を残し営農を続ける目的の法律に変わりました。

所有者には営農を続ける代わりに固定資産税や都市計画税などを軽減する措置がとられましたが、期限を30年と決めていたため、2022年に指定が解除されるというものです。

2-2.生産緑地法が解除されることで懸念される問題とは

生産緑地法が解除され、農地が宅地に変わることによって所有者は多額の税金を納めなければいけなくなります。そのため土地が大量に売却され不動産価格が下がるのではないかということが懸念されているのです。さらにディベロッパーがマンションなどを大量に建築することで、さらに不動産価格が下がることも考えられます。

2022年前後は生産緑地法の解除によって、不動産価格がどのように変動するのか注意が必要です。

3.2022年問題の次は2025年、2035年問題

2022年問題の次に到来するのが2025年問題と2035年問題です。以下のグラフは国立社会保障・人口問題研究所が予測した2025年の人口ピラミッドです。縦が年齢で上に行くほど年齢が上がり、横はその年代の人口を表すものです。

*国立社会保障・人口問題研究所作成「2025年の人口ピラミッド」から引用

特に人口が多い75歳位から80歳くらいまでの層が団塊の世代と言われている層です。2025年には最も人口の多い団塊の世代が75歳を迎え、後期高齢者となります。そのため家計に占める社会保障費の負担が増え、投資などに回す資金が減少するのではないかと懸念される問題を2025年問題と言います。

また、55歳位の人口が多い層は団塊の世代ジュニアが多い年代になります。2025年から10年後の2035年にはこの層の人たちが年金を受給する年代になります。そのため2035年には2025年に引き続き家計に対する社会保障費の負担が増え、若い人たちが投資する機会を損失する可能性が懸念されているのです。

購入者が減ることで不動産価格が押し下げられることも考えられますので、それまでに売却をするなどといった検討も必要になる可能性があります。

4.2020年以降に向けてローンの選択の仕方

都心の不動産価格が上がっていることには触れました。東京オリンピックを目前にしてワンルーム投資を始める方は、不動産価格の相場が高い時期に始めることになります。しかし、不動産投資は個別の取引という特徴がありますので、全ての物件が天井をつけているというわけではありません。

また、不動産投資では賃貸収入を表すインカムゲインと、売却益を表すキャピタルゲインという2種類の収入があります。不動産は買った時の価格より売却した時の価格が低かったとしても、インカムゲインの利益がその損失を上回ることができれば、トータルではプラスという形で終わらせることができます。

そのようなことを念頭に置き、これからワンルーム投資を始める際はどのような点に注意が必要かを以下より見ていきましょう。まずは物件の購入時に欠かせないローンについて解説を行います。

4-1.長期的に所有するなら固定金利も検討できる

ワンルーム投資は家賃収入とローンの返済などの支出・経費の差が収益になります。そのため融資を受ける場合は、金利の高い固定金利より金利が低い変動金利の方が収支の面ではメリットがあります。

しかし、2020年以降も長期的に運用を行うことを考えた場合、今の低金利の時に固定金利でローンを組むことも安定した運用を手に入れる一つの方法です。

金利の低い状態が続いている日本では今後金利が引き上げられることも考えられますので、今の低金利の状態に固定金利でローンを組むことで、十分なインカムゲインも期待でき、金利が上昇しても収益を安定させることがしやすいからです。

4-2.途中で売却をする可能性が高いなら変動金利を検討する

中古の割安な物件を購入し、価格が少しでも上がればすぐに売却をする可能性もあるという方には変動金利がおすすめです。固定金利は融資の際に固定期間が決められますが、固定期間内の解約には違約金がかかる金融機関が多いからです。

そのため、収益が違約金分減少したり、売却したいのに違約金があるために見送ったりする可能性が出てきます。積極的に売却をしたいと考えている場合は、変動金利でローンを組む方が自由度は高くなります。

5.これから中古物件を購入する際に抑えたいポイント

2013年位から首都圏の不動産価格は上がってきており、今は高い価格帯にあると言えます。これから物件を購入する場合はどのような点に注意すれば良いでしょうか。

ワンルーム投資では中古を選ぶか新築を選ぶかで、最初にかかる費用や管理の状態が違いますので、それぞれの運用方法を知っておきましょう。まずは中古不動産の特徴や運用の仕方などを見ていきます。

5-1.中古不動産を購入する目的を決める

東京オリンピックの開催が決まってから、都心の不動産価格が上がったことには触れました。今は上がっている時期ですので、今から購入する場合は中古でも利回りが悪い物件もあります。そのため今から中古物件を購入する場合は、購入する目的を決めることが大切です。

利回りを目的とする場合は、都心から少し離れた郊外の物件が多くなります。その場合、価格は高くても2,000万円代前半くらいになり、1,000万円代の物件も多数あります。また築年数も数十年経過しているものあります。

将来売却を検討していて資産性の高い物件を購入したい場合は、山手線の駅回りの築浅の物件などが多くなります。価格帯は2,000万円台後半から3,000万円を超える物件も多くなります。ただし利回りは郊外の物件や築古の物件に比べると低い傾向にあります。

このように、利回り重視や資産性重視など、物件を購入する目的によって検討すべきものが変わってきます。効率良く物件探しを行い、また間違った物件をなるべく選ばないためにも、ワンルーム投資を行う今の目的をはっきりさせておきましょう。

5-2.築古でも古く見えない物件を選ぶ

中古で利回りが良い物件と言うと、築古で汚いイメージを持つ方もいるでしょう。しかし、現在のリノベーション技術はとても洗練されていますので、築古でもリノベーションによって古さを感じない新築のような物件もあります。

入居者が物件の古さを感じなければ、そのぶん人気が出ると考えられるため、中古の利回りの高さと新築の客付け力のどちらも持つような物件を探すのも一つの手だと言えます。

5-3.中古でも融資条件が良い物件がある

リノベーション技術の向上とともに、中古物件に対する金融機関の評価も変わってきています。以前は中古物件で100%のフルローンが組めることはあまりありませんでしたが、最近はフルローンが組める中古物件を中心に販売している不動産会社もあります。

また、中古でも金利1%台ローンを組めた実績がある不動産会社もありますので、金利が気になる場合などはそのような不動産会社を選び購入すると良いでしょう。

5-4.入居率にこだわって物件を選ぶ

築古の中古物件になると入居率が下がることが心配されます。投資用不動産を購入する場合、あらかじめ空室リスクを考慮してシミュレーションを行う必要があります。空室の期間は自己資金でローンの返済や管理費を支払わなければならないので、長期的に空室になる事態は避けたい所です。

日本は今後少子高齢化がさらに深刻になってきますので、2020年以降のワンルーム投資では入居率が大きな課題になるでしょう。そのため、入居率にはこだわって物件を選ぶことが大切です。中古不動産を扱っている不動産会社の中には入居率実績が98%や99%ある会社もありますので、そのような会社と取引をすることで不安を解消できる可能性が上がるでしょう。

5-5.好立地の物件を狙う

今後、日本の人口は減っていくことが予想されていますので、空室率を抑えるためには、立地にこだわって物件を選ぶことが大切です。

どの地域の居住ニーズが高いのか、どんな人がそこに住みたいのか、駅の利用客数はどれくらいか、検討中の物件周辺の人口推移はどうなっているか等の情報を調べ、長期的に入居者を確保できる立地を選びましょう。

5-6.中古ワンルームを取り扱っている不動産会社

上記で触れたように中古物件で入居率が高かったり、好条件でローンが組めたりする物件を紹介する不動産会社があります。以下に2020年以降に向けて中古ワンルームを購入する際に知っておきたい不動産会社をご紹介しておきます。
  

社名 特徴
リズム 中古でも頭金ゼロ円、30年ローンの実績あり
湘建 中古と新築の両タイプの紹介が可能
クリアルパートナーズ 東京都心の中古ワンルームに特化

6.これから新築物件を購入する際に押さえたいポイント

新築物件は中古物件と比較して価格帯が高くなりますので、利回りは中古に比べると良くありません。新築物件を購入する際はどのような点に注意すれば良いかを見てみましょう。

6-1.新築は利回りが低いが高品質である

新築物件は中古物件と比較すると利回りが低くなります。中古に比べて修繕リスクや空室リスクが低いので、その分価格は高くなるのです。

しかし、新築物件は建物以外にも設備やセキュリティシステムも新しいものが入っているため、入居者にとって快適な部屋を提供することができます。高品質で賃貸ニーズも比較的高いことが考えられますので、売却する際も高く査定される可能性を持っています。

6-2.広めのワンルームはニーズがある

以前のワンルームマンションの広さは19㎡~23㎡くらいが中心でしたが、最近は25㎡や26㎡のワンルームが多くなっています。以前のワンルームと比較すると一部屋当たりの広さが大きくなっているのが最近の新築ワンルームの特徴です。

以下のグラフは不動産情報サイトathomeがプレスリリースで発表した調査結果です。全国で一人暮らしをしている、18~29 歳の学生・社会 人男女 2,074 人を対象に行ったアンケート結果から引用したものです。


*atohome調査「“UNDER30”私たちの選び方 ~部屋探しのプロセス&マインド~」(2017-18 年全国)から引用

上述のグラフは現在の部屋の間取りと、部屋探しの際に家賃以外でこだわったことに関するアンケート結果です。この結果から、30歳未満の若者にはワンルームと1Kのニーズが高いということがわかります。

6-3.職住近接、都心のオフィスエリアで購入する

都心ではマンションを建てる場所が無くなってきたことには触れました。しかし、国が職住近接の施策を進めていることで、都心でも広めのワンルームや1Kが建築されることがあります。いわゆる再開発と言われているプロジェクトです。

再開発では、かなり広い範囲で開発が行われ、その際にショッピングモールとオフィスやマンションが同居する複合施設が建設されることがあります。都心で新築物件を購入したい場合は再開発エリアの情報もチェックしておくと良いでしょう。

6-4.新築ワンルームを取り扱っている不動産会社

新築ワンルームは広さやグレードが近年進化していて、中古のワンルームとはコンセプト自体が10年前とは大きく違っています。今後新築でワンルーム投資をするなら、時代のニーズにマッチした新築ワンルームも検討する必要があるでしょう。以下に新築ワンルームを販売している不動産会社をご紹介しておきます。

社名 特徴
グローバル・リンク・マネジメント 東証プライム上場。開発、販売、管理までワンストップでサポート。
プロパティエージェント 東証プライム上場グループ企業。顧客満足度が高く、購入後のサポート体制も手厚い
FJネクスト 東証プライム上場。都心で駅から徒歩10分圏内の物件を中心に開発

まとめ

東京オリンピックの開催が決定して不動産価格が上がりましたので、今は価格が高いということを前提にワンルーム投資を行う必要があります。

ワンルーム投資は、時代の移り変わりとともに新しい運用の仕方が求められるようになりました。そのため、投資用不動産を取り扱う不動産会社も独自の研究や開発を行い、個性的な顧客サービスを展開しています。そのような不動産会社の中から自分の投資スタイルに合った会社を見つけ、タッグを組むことも今後ワンルーム投資を成功させるための一つの手段です

ワンルーム投資を始める際は、あらかじめリスクについて学んだうえで、自分がどういう目的で投資を行うのか、その目的を達成するのにはどういった物件を検討すれば良いのかを考え、慎重に取り組むようにしましょう。

The following two tabs change content below.

西宮光夏

不動産会社での勤務や、所有している不動産運用の経験をもとにHEDGE GUIDEでは不動産関連記事を執筆しています。現在は主にふるさと納税の記事を担当しています。ふるさと納税記事では、地域の人たちが心を込めて提供する返礼品の素晴らしさを、少しでも多くの人にお伝えできればと思っています。