不動産会社が開催するワンルーム投資セミナーでは、本や資料では知りえない現場の話や、専門家の話が聞くことができ、より具体的な情報を得ることができます。
ただ、参加しても何も質問ができなかったり、大事なポイントを聞き逃したりすると得られるものが半減してしまいます。セミナーに行かなくてもホームページなどで確認できる情報もありますが、実際にセミナーに参加し自分の目で確認する意識を持つことが大切です。
今回はワンルーム投資セミナーへの参加が有意義な時間となるように、セミナーで押さえておきたいポイントをご紹介します。
目次
- セミナーの構成・内容・講師を確認する
- そのワンルーム会社独自のサービスを確認する
- 自分が組める投資ローンについて確認する
3-1.投資ローンの借入金利を比較する
3-2.返済期間は何年で組めるのか
3-3.頭金はいくらくらい必要か - 販売している物件の立地について確認する
4-1.都心は物件価格が高いが資産価値もある
4-2.駅からの距離も重要な条件 - 物件を仕入れる方法を確認する
- 入居率を確認する
- 売却までワンストップでサービスを展開しているか確認する
- 会社の規模を確認する
8-1.シリーズ化しているブランド物件があるかどうか
8-2.上場しているかどうか - リノベーションに強みがある会社も確認する
- まとめ
1.セミナーの構成・内容・講師を確認する
セミナーは一般的に2部制や3部制で構成されています。1部や2部では金融や不動産投資の専門家の講話が行われ、2部や3部では個別に相談ができるようになっています。個別に相談することも大切ですが、せっかく専門家が講師として話をしてくれますので、自分の興味がある内容のセミナーに参加することも大切です。
例えばローンの金利のことをもっと知りたいとか、空室対策はどうすれば良いのかといった疑問などがあれば、そのようなセミナーに参加してプロの意見を聞くということが重要です。
セミナーの構成・内容・講師は告知ページなどに記載してありますので、しっかりと確認をしてからセミナーに臨みましょう。
2.そのワンルーム会社独自のサービスを確認する
大前提として不動産会社は独自にサービスを研究して提供していますので、どのようなサービスがあるのか、どのような点がその会社の強みなのかを必ず確認しましょう。
例えば、中古マンションでも1%台の金利でローンが組めるとか、頭金は10万円以内、ほとんどの物件が駅から徒歩8分圏内といったように、多くの不動産会社が独自のサービスを展開しています。
一度セミナーに参加しただけでは詳しいことはわからない可能性はあります。しかし、セミナーを開催している不動産会社は自社のサービスの特徴を告知するために、話の中で色々な情報を散りばめています。意思決定に役立つ情報を掴めるように、セミナーではその会社の強みは何なのかを意識しながら話を聞くようにしましょう。
3.自分が組める投資ローンについて確認する
不動産会社によって提携している金融機関が違っていたり、その会社向けの優遇プランを提供していたりしますので、投資ローンについて出来る範囲で確認しておくことが大切です。具体的に何を確認すれば良いか見てみましょう。
3-1.投資ローンの借入金利を比較する
紹介を受けられる金融機関だけでなく、物件が違えば融資できる額や金利も違います。同じエリアの物件でも1%台でローンが組めるものと3%台でしかローンが組めないものがあるとしたら、できるだけ金利の低いローンが組める物件を購入した方が収支は良くなります。
他の不動産会社と比較できるようにするためにも、その不動産会社の提携金融機関では何%でローンが組めるのかを確認しておくことが大切です。しかし、不動産会社によってはセミナーに参加しただけでは金利を教えてくれない場合もあります。その場合は収支シミュレーションを作成してもらうなどすることで、おおまかな金利の目安を知ることができます。
シミュレーションを作成するというと重く感じる人もいるかもしれません。しかし、シミュレーションを作成してもらったからといって必ず契約をしなければならないということはありません。参考に見たいという旨を伝えて、気軽に依頼してみましょう。
3-2.返済期間は何年で組めるのか
一般的に新築のワンルーム投資の場合は30年や35年といった返済期間でローンが組めますが、中古のワンルームマンションは個別対応になります。中古の場合、返済期間は法定耐用年数から築年数を引いた期間が返済期間の上限目安になるからです。物件の構造による法定耐用年数を以下の表にまとめました。
- 木造:22年
- 鉄骨造:34年
- RC造:47年
例えば築年数30年のワンルーム(マンションは基本的にRC造)の場合、投資ローンが組める返済期間は、
47年−30年=17年
となり、17年程度の返済期間のローンとなります。このことから、仮に提案されているシミュレーションでローンの返済期間が17年の場合は、築30年の物件を前提としたものの可能性が高くなります。では、17年と30年のローンで同じ融資額でローンを組んだ場合、どれくらい月々の返済額が違うのかを試算してみましょう。
ローンの設定を融資額2,000万円、金利2%として比較します。
融資額 | 金利 | 返済期間 | 月々の返済額 |
---|---|---|---|
2,000万円 | 2% | 17年 | 11万5,729円 |
2,000万円 | 2% | 30年 | 7万3,923円 |
この設定の場合だと、毎月の返済額は4万円以上違ってきます。この例のように返済期間が違うと月々の返済金額が変わりますので、毎月のキャッシュフローに影響が出てきます。他の不動産会社と比較できるようにするためにも、セミナーの際で個別相談ができる場合はローンの返済期間も確認するようにしましょう。
3-3.頭金はいくらくらい必要か
新築の場合、フルローンを組むことができる物件であれば頭金がかからないケースがあります。一方、中古の場合は頭金の用意を求められることが一般的です。もし頭金を準備できない場合は、違う不動産会社や物件に変更しなければいけないケースもあります。
しかし、近年は中古のワンルームでも少ない頭金でローンが組める金融機関も出てくるようになりました。ただし、始める際の頭金が少ないということは、毎月の返済額が大きくなるということでもありますので、月々の返済には余裕をもって対応できるようなキャッシュフローを確保しておくことが大切です。
優遇金利1.6%、オーナーの4割以上が頭金10万円以内、最長45年ローンが組める「リズム株式会社」
会社名 | リズム株式会社 |
セミナーURL | https://invest.re-ism.co.jp/ |
本社所在地 | 東京都渋谷区桜丘町13-3 |
設立年 | 2005年 |
資本金 | 1億円 |
売上高 | 102億2,000万円(2020年11月期決算) |
社員数 | 65名(2019年10月時点) |
上場有無 | 未上場 |
サービス理念など | 東京での暮らしをワクワク豊かにする新たな価値・価値観を再提示する会社へ |
優遇金利1%台、85%が頭金10万円以内、設備保障なども充実「湘建」
会社名 | 株式会社湘建 |
セミナーURL | https://shoken-yokohama.co.jp/ |
本社所在地 | 横浜市西区みなとみらい3丁目6-1 みなとみらいセンタービル19階 |
設立年 | 2009年 |
資本金 | 1億円 |
売上高 | 112億円(2019年実績)) |
社員数 | 77名(2018年12月現在) |
上場有無 | 非上場 |
サービス理念など | 住まいが笑顔をつくる |
セミナー参加特典 | Amazonギフト券2,000円分プレゼント |
4.販売している物件の立地を確認する
ワンルーム投資が成功するかどうかは立地が大きな要素になりますので、物件の立地がどのあたりになるかの確認をしましょう。都心は入居率が高く長期的なニーズがある可能性が高い一方、価格帯が高いなどの特徴を知っておきましょう。
4-1.都心は物件価格が高いが資産価値もある
都心の物件は中古ワンルームでも価格が高く、新築に近いような場合も少なくありません。そのため、郊外に建つ中古のワンルームと比較すると利回りが悪くなるのが特徴です。しかし、利便性が高いことや、特に東京を中心として都心部に人口が集中する傾向にあることから、長期にわたりニーズが高い可能性があります。
新築にしても中古にしても都心の物件のみを販売しておりノウハウが多い会社がありますので、セミナーで詳しく確認してみましょう。
4-2.駅からの距離も重要な条件
駅からの距離も重要な条件の一つです。以下は不動産・住宅情報サイトSUUMOが実施した「857人に聞いた引越し・住み替えの実態調査2017」アンケート結果をもとに筆者にて作成したグラフです。以下のグラフでは家を探すときに重視する項目がわかります。
最寄駅からの徒歩時間は家賃の次に重要視されていますので、駅からどれくらいの距離の物件を販売しているのかをセミナーの際に確認しましょう。以下では、駅からの距離にこだわって開発・販売をしている不動産会社のセミナーをご紹介します。
都心エリア中心・物件の82.5%が駅徒歩7分以内のマンションを販売する東証プライム上場企業「FJネクスト」
会社名 | 株式会社エフ・ジェー・ネクスト |
セミナーURL | https://www.fjnext.com/ |
本社所在地 | 東京都新宿区西新宿六丁目5番1号 新宿アイランドタワー11F |
設立年 | 1980年 |
資本金 | 27億7,440万円 |
売上高 | 846億8,800万円(2023年3月期) |
社員数 | 548名(連結)、336名(単体) ※2021年3月末時点 |
上場有無 | 東証プライム上場 |
サービス理念など | Life with a dream |
5.物件を仕入れる方法を確認する
物件をどこから仕入れているかは、物件価格に直接反映されますので注意して聞いておきましょう。特に社歴が古い会社や仕入れ実績が豊富な会社は売却情報がスピーディに入ってくる可能性が高く、価格的にも割安で購入できることが考えられます。
また、売主から直接購入できる不動産会社では非公開物件を紹介してもらえたり、仲介手数料がかからなかったりなどのメリットがある可能性があります。
6.入居率を確認する
入居率は空室リスクと直結する数値なのできちんと確認することが大切です。一般的に築古になるほど入居率が悪くなりますので、中古ワンルームは新築と比較して入居率が低い可能性が高くなります。
築古のワンルームでも入居需要のある立地やリノベーションなどによって、入居率が99%以上を保っているケースもあります。セミナーではそのような点がアピールされることもありますので、チェックしておきましょう。
都心の入居需要が高い立地と高品質な物件で入居率99%以上、東証プライム上場企業「グローバル・リンク・マネジメント」
会社名 | グローバル・リンク・マネジメント |
セミナーURL | https://www.global-link-seminar.com/ |
本社所在地 | 東京都渋谷区道玄坂1丁目12番1号渋谷マークシティウエスト21階 |
設立年 | 2005年 |
資本金 | 4億9,800万円(2018年12月末現在) |
売上高 | 226億4,400万円(2018年12月期) |
社員数 | 93名(2018年12月末時点) |
上場有無 | 東証プライム上場 |
サービス理念など | 不動産を通じて、お客様の真の豊かさに貢献する。 |
7.販売、管理、売却などワンストップでサービスを展開しているか
物件の開発や仕入れ、販売、管理をワンストップで一貫して行っている会社かどうかも確認しましょう。ワンストップで行っている場合、トラブルが起きた時などに購入時からの履歴を不動産会社が把握している可能性が高いので、話をスムーズに進めることができます。
また、売却まで行っている会社であれば、売却の際に高く査定されるように日頃から相談に乗ったり、管理してくれたりして、出口戦略が有利に立てられる可能性があります。ワンストップサービスを提供しているかどうかもセミナーではアピールされる点ですので、聞き逃さないことが大切です。
売却タイミングのアドバイスやサポートも。資産運用としての不動産投資「クリアルパートナーズ」
会社名 | クリアルパートナーズ |
セミナーURL | https://estate.bridge-c.com/ |
本社所在地 | 東京都港区新橋二丁目12番11号 新橋27MTビル8階 |
設立年 | 2013年 |
代表取締役 | 澁谷 賢一 |
資本金 | 1,400万円 |
売上高 | 非公開 |
社員数 | 14名 |
上場有無 | 非上場 |
サービス理念など | Lead your life to success |
8.会社の規模を確認する
会社の規模によって、普段から管理している物件数に違いがあり、購入の際の価格にも影響してきます。規模と同時に確認しておいた方が良い点について見てみましょう。
8-1.シリーズ化しているブランド物件があるかどうか
シリーズ化しているブランド物件があるかどうかもチェックしましょう。シリーズ化している場合はネームバリューが高いため、入居率が良い可能性が高くなります。また、シリーズ化している物件は全て自社開発・管理をしている可能性があり、管理状態を詳細に把握していたり、低い価格で仕入れて高く売却できたりすることが考えられます。
8-2.上場しているかどうか
証券取引所に上場していない会社が良くないということではありません。上場している企業は資金が豊富にあると考えられますので、大量仕入れをしてコストダウンできたり、管理や売却の際のノウハウが蓄積されていたり、提携している金融機関が豊富だったりする可能性が高くなります。
購入や管理、売却の際に有利になることが考えられますので、チェックしておきましょう。
9.リノベーションに強みがある会社も確認する
立地が良い中古ワンルーム物件は、築年数が20年・30年と経過しても、大きく改装するリノベーションを行うことで入居率や投資効率を上げることができます。近年の施工会社のリノベーション力は高く、新築では味わえない快適な空間を提供してくれます。
リノベーションをした中古ワンルームは一般の中古ワンルームより価格帯が高くなりますが、入居者の需要が高く、運用効率が良くなる可能性が高くなります。先ほどご紹介したリズム株式会社のように、リノベーションが強みの不動産会社は、セミナーでリノベーションした部屋のビフォーアフターやリノベーション費用などを教えてくれることもあります。
まとめ
ワンルーム投資セミナーでは専門家の話や実際に不動産投資をしている方の話を聞くことができますので、自分が投資をした時のイメージをより具体的に描くことができるはずです。
セミナーを開催している不動産会社はそれぞれ違った強みやサービスを持っています。しかし、ポイントを押さえて話を聞かなければ、そのような話をされても聞き逃してしまう可能性があります。
そのため、セミナーに参加する際は押さえておかなければいけないポイントをあらかじめ整理して臨むようにしましょう。不動産会社の強みを掴むことで、今後のワンルーム投資の戦略も立てやすくなります。
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西宮光夏
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