総合不動産サービス大手のジョーンズ ラング ラサール株式会社(以下、JLL)は12月6日、不動産テックに関するレポート「クリック・アンド・モーター:拡大する不動産テックの影響」を公表した。
同レポートによると、2013年以降のスタートアップ企業に対する投資額のうち、アメリカやヨーロッパに比べてアジア太平洋地域の企業179社に対する投資額は48億米ドルと世界全体の60%を占めていることが分かった。また、アジア太平洋地域13市場における不動産テックの市場規模は2020年までに45億米ドルに達すると予測した。
不動産テック企業は中国圏とインドがアジア太平洋地域の出資金の約80%を占めており、今では大企業のニーズや商業用不動産市場において役割を担っている。不動産テックのスタートアップ企業には4分野(仲介/リーシング、投資及びファイナンス、プロジェクトディベロップメント、プロジェクトマネジメント)あり、2013年以降資金調達しているスタートアップ企業全体の52%以上が仲介/リーシング関連であり、仲介業者、オーナー、買主に対しサービスを提供する。
同社の投資適格不動産分析(Total Investable Real Estate Universe)と世界経済フォーラム(WEF)によるネットワーク成熟度インデックス(Networked Readiness Index)内のデジタル精通度をマトリックス分析した結果によると、今後数十億ドル規模となるスタートアップ企業(ユニコーン企業)の出現が大きく期待されるのは日本・中国の二国と報告された。
Tech in Asiaのチーフエディター テレンス・リー氏は以下のように述べている。「既に中国では不動産テックのユニコーン企業が出現しています。例えば、不動産仲介ビジネスのスタートアップLianjiaは、すでに169億米ドルの資金を集めています。中国ではフィンテックやモバイル決済なども積極的に採用しており、さらにそのようなスタートアップ企業が現れるでしょう。また、ブロックチェーンの活用に意欲的な日本でも数十億規模のスタートアップ企業が出現すると考えています。」
【参照レポート】「クリック・アンド・モーター:拡大する不動産テックの影響」
平井真理
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