総合不動産サービス大手のJLLは5月11日、日本の商業用不動産投資を分析したレポート「ジャパン・キャピタル・フロー 2017年第1四半期」の発行を公表した。
商業用不動産投資分析レポートは、日本の不動産投資マネーの動きを解説するレポートで、四半期ごとに刊行されている。これによると、日本の2017年第1四半期の投資額は、前年同期比15%増の1兆2,600億円、米ドル建てでは16%増の111億ドルとなった。世界的に投資額が減少する中、日本の投資額は前年比で増加を記録したこととなる。
海外投資家による投資額は2,300億円であり、前年同期比で71%の増加となった。海外投資家の動きが再び活発化している。
世界の都市別に投資額をみると、世界第3位の東京都内の投資額は40億ドルとなった。2016年通年では世界6位であったが、都心部で大型オフィスの取引があったことや海外都市での投資額減少を受けたことが要因とみられる。また、みなとみらいセンタービルや三菱重工横浜ビル、横浜ブルーアベニューなどの大型取引が相次いだ横浜が15位にランクインした。
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の東京圏で全体の69%、その他エリアで31%となり、投資需要は東京以外の都市へ波及し続けている。特に顕著であったのは神奈川、千葉、埼玉の物件で、投資額割合は33%と前年比でさらに拡大をみせた。
JLLは2017年の日本国内商業用不動産投資額を前年比横ばい、もしくは若干増加の3.7兆円-3.9兆円になるものと予測している。要因としては、2017年第1四半期が前年同期比で2ケタ成長となったことと、大型取引も散見されることなどポジティブな要因が増えてきたことを挙げている。
【参照リリース】[確報-2017年第1四半期] 日本の不動産投資額は前年同期比15%増の1兆2,600億円 2017年通年の投資額は3.7兆-3.9兆円程度と予測
(Hedgeニュース編集部 平井 真理)
平井真理
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