マンション投資に失敗したらどうなる?5つの失敗事例からリスク対策を解説

マンション投資には空室や家賃下落、金利上昇などのリスクがいくつかあります。マンション投資に失敗した事例を見てみると、リスク対策を適切に取らなかったことが原因になっていることがあります。

そこで今回のコラムでは、マンション投資の失敗事例を紹介し、失敗の原因やその対策法についても解説します。

目次

  1. マンション投資に失敗した5つの事例とリスク対策
    1-1.2年間空室で不安だった
    1-2.資産価値の下落が予想以上で売却しようか悩んでいる
    1-3.フルローンのためギリギリの運用になっている
    1-4.古いマンションを購入したため修繕費用がかかりすぎている
    1-5.火災保険だけだっため地震の際の補修は自腹で払った
  2. マンション投資のリスクと代表的なリスク対策
    2-1.家賃滞納リスクとその対策法
    2-2.家賃下落リスクとその対策法
    2-3.金利上昇リスクとその対策法
  3. まとめ

1 マンション投資に失敗した5つの事例とリスク対策

この項目では、マンション投資で失敗した事例を5つ紹介します。また失敗した原因と、失敗しないための対策法についても解説していきます。

1-1 2年間空室で不安だった

「投資用ローンを借りて、2,000万円の投資用マンションをオーナーチェンジ物件で購入しました。そのまま入居者がずっといたのですが、5年ほど経って退去すると、次の入居者が決まるまで約2年間空室となってしまいました。その間、管理費や修繕積立金、税金などの支払いのために、収支はずっとマイナスに。家賃収入が途絶えると経営の不透明感が強くなり、不安も大きかったです。」(東京都、50代男性)

リスク対策

マンション投資による収入は貸借人からの家賃収入です。これが途絶えるとオーナーとしての収入がゼロになるばかりではなく、マンション投資の場合は管理費や修繕積立金などの支払いがあるため収支はマイナスになります。

次の入居者が見つかるまでに2年間かかったということは、ターゲットの絞り方や家賃設定、設備更新など適切な空室対策が行われていなかったと思われます。特に長期間の入居の後は、物件の周辺環境なども変わってしまい、次の入居者が獲得しにくいことがあります。

空室リスクを回避するには、賃貸需要の見込める駅近の物件を選ぶこと、ターゲット層に合わせた設備の更新などの対策が基本です。また管理会社の働きが鈍いと感じたら、任せっきりにせずに、活動報告を受けたり、オーナー自らアイデアを出したりなど、積極的に改善を行うことが大切です。

1-2 資産価値の下落が予想以上で売却しようか悩んでいる

「購入当時から出口戦略を考えて、10年後に売却する予定で運用してきました。しかし先日、不動産会社に査定を依頼したところ、予想より下回る査定額を提示されました。キャピタルゲインを見込んで選んだ物件だったので、売却しようか、このまま運用した方がいいのか、正直悩んでいます。」(東京都、60代男性)

リスク対策

マンションの資産価値が10年後にどうなるのかは、分からないものです。できるだけ適切な建物管理を行い、資産価値の下落を防ぐことがメインの対策となります。資産価値の下落を防ぐには、主に下記のような事例があります。

  • 大規模修繕工事が終わって建物がきれいになった
  • 近隣に商業施設がオープンした
  • エアコンなどの設備を最新型に交換した
  • 使いやすい間取りにリノベーションした、など

オーナーとしてできることもありますが、その場合、費用がかかるものがあります。資産価値の下落分と、かかる費用なども考慮して検討してみましょう。

その他、大規模修繕の修繕計画など、建物管理が適切に行われているかどうかという視点も重要となります。管理組合が機能しているか、修繕積立金の額に過不足はないか、事前確認をしてみましょう。

【関連記事】不動産投資で建物管理がなぜ重要なのか?建物管理に強い不動産会社も

また中古マンションの場合、20年以上など築年数が古い物件は資産価値が下がりにくい傾向があります。出口戦略として売却することを考えているのであれば、中古物件を選択肢に入れておくのも資産価値下落リスクに対する対策の一つです。

1-3 フルローンのためギリギリの運用になっている

「自己資金の用意はありませんでしたが、不動産会社に問い合わせたところフルローンで借りられるとのことで思い切って投資用マンションの購入を決断しました。オーナーチェンジ物件だったので購入後もすぐに収入はありましたが、そのうちローン返済額が占める割合が高く、経費などを支払うとキャッシュフローはいつもギリギリプラスの状態です。今後空室が出ると家賃が下落することも予想されるので、この状況をなんとかしたいのですが、解決策が思いつきません。」(東京都、40代男性)

リスク対策

フルローンは自己資金が少なくても物件を購入できるため、投資効率を高められるメリットがあります。ただし今回の事例のように、ローン返済額が高額になり、月々のキャッシュフローを圧迫するというデメリットもあります。まずはこうしたメリットとデメリットを把握した上で、フルローンを活用するか判断してみましょう。

通常の賃貸契約を締結している場合、契約中に家賃を上げることはできないため、できるだけ退去にならないように管理業務を適切に行いましょう。また繰上げ返済ができれば、フルローンを組んでいても毎月のローン返済額を減らすことができます。

ただし、繰上げ返済を行うと、ローン契約の違約金がかかったり、投資効率を低下させるデメリットもあります。資金効率を低下させることにもつながるため、適切なリスクとリターンのバランスを取ることが重要となってきます。

【関連記事】不動産投資ローンの頭金あり・なしはどっちがお得?メリット・デメリットを比較

1-4 古いマンションを購入したため修繕費用がかかりすぎている

「築年数はやや古かったのですが、利回りのいいオーナーチェンジ物件だったので購入しました。早ければ10年でローンを完済できると思っていましたが、購入後に設備機器の故障が相次ぎ、修理やメンテナンスなどの費用が増加しました。そのため管理会社から連絡がくるたびに『何かが故障したのでは』と思うにようになっています。こんなに修繕費用がかかるなら、もっと築年数が浅くて、好立地の物件にしたほうが早く利益が出せたのでは、と今では思っています。」(神奈川県、60代男性)

リスク対策

表面利回りがいい物件は、築年数が経過していて修繕費用やランニングコストが高まっていたり、賃貸需要が減少傾向にあるエリアであったりなど、リスクが高い可能性があります。表面利回りだけで物件の判断はしないようにしましょう。特に築年数の古い物件であれば、下記のようなリスクが想定されます。

  • 設備機器の更新
  • 水漏れ事故の可能性
  • 快適性の欠如
  • 人気のない間取り
  • 共用部の不便さ

またマンション全体の老朽化も問題になることがあり、そのため修繕積立金を多く徴収されることもあります。手元に残る資金が減少することになりますので、事前に確認するようにしましょう。

【関連記事】中古マンション投資の管理費の目安はいくら?その他の月々ランニングコストも

1-5 火災保険だけだっため地震時の補修は貯金から支払った

「投資用マンションを運用して10年間が過ぎました。火災保険に入っていたので、自然災害によるリスク対策は万全だと思っていました。しかし先日、地震が発生し、室内のタイルが数枚剥がれ落ちたということでした。その後、保険会社に見てもらったところ、地震発生による被害のため、火災保険だけでは保険金を支払えないと回答が来ました。被害額はそれほど大きくなかったですが、ストックしていた資金では足らずに貯金から支払うことになりました。災害リスク対策について考えさせられることになりました。」(東京都、40代女性)

リスク対策

火災保険び補償範囲は火事や水災などで、地震や噴火などに起因する損害は対象外になります。地震が起きた際の被害は、地震保険に加入していなければ自費で補修することになります。運営がうまくいっていても、一度の災害で物件を損出する事例もあるため、必要な保険を適切に選んで加入検討することが重要です。

ただし、今回の事例では、被害はそれほど大きくなかったため、10年間の保険掛け金と比較して検証する必要があります。保険もランニングコストであるため、災害リスクがどの程度影響を及ぼすのか、自身の資金状況や物件のキャッシュフローなども加味して検討してみましょう。

【関連記事】不動産投資、地震や火災など災害リスクへの対策方法は?それぞれ解説

2 マンション投資のリスクと代表的なリスク対策

これまで紹介した5つのリスク以外にも、マンション投資にはリスクがあります。この項目では、主なリスクとその対策法について解説します。

2-1 家賃滞納リスクとその対策法

経済的な理由などにより、入居者が家賃を払わないという事態が起きることがあります。これが家賃滞納リスクです。

家賃滞納が起きた場合は早く改善したいものですが、退去してもらい新たに入居者を探すのか、入居者が家賃を払えるようになるまで待つのか、オーナーによって判断ポイントが異なります。ただし、どちらの場合にも長い時間を必要としてしまう傾向にあり、その間の家賃収入が途絶えてしまうことで大きな損失になることがあります。

対策法としては、賃貸契約時に入居審査を厳しくするほか、保証人を設定したり、保証会社と契約したりする方法があります。なお、賃貸需要が多く見込める好立地のマンションであれば、審査時に入居者を選定しやすく、家賃滞納が起きるリスクも小さくすることができます。

2-2 家賃下落リスクとその対策法

建物の老朽化が進んだり、競合物件が増えたりなどで入居者の確保が難しい場合、家賃を下げて募集することが選択肢の一つになります。家賃を下げるかどうかはオーナーの判断となりますが、一度下げてしまうとなかなか上げられないことも考えられます。

このような場合、家賃を下げないで入居者を募集する以下のような方法も検討されてみると良いでしょう。

  • 室内をリフォームする
  • 設備を更新する
  • シャワートイレなど設備のグレードを上げる
  • 礼金や保証金などを無しにする
  • 家賃を1カ月無料にする
  • 中古の家具や家電などをつける

家賃を下げてしまうとキャッシュフローに影響があり、想定した利益を得られなくなる可能性があります。家賃の下落を防ぐのであれば、まずはできる範囲で対処方法を検討しましょう。

ただし、リフォームや新たな設備投資を行う場合には慎重な判断が必要です。設備を刷新しても入居需要に影響がない場合は、その投資金が無駄になってしまう可能性があるためです。

2-3 金利上昇リスクとその対策法

不動産投資ローンの金利は、長期プライムレートなどの影響を受けて各金融機関が決定しています。金利が上昇すると、月々のローン返済額が増えて手元に残る資金が減ってしまいますので、対策法を把握しておきましょう。

主に3つの方法が考えられます。

キャッシュフローの良好な物件を選ぶ

あらかじめキャッシュフローが良好な物件を選んでおくと、金利が上昇しても収支がマイナスになりにくいと言えます。2022年1月時点、不動産投資ローンの金利は非常に低い水準であるため、購入時点の金利設定でギリギリのキャッシュフローであるのであれば、慎重に検討したいポイントとなり得ます。

なお、今後の金利推移の動向を予測するのに重要な指標の一つが、日本におけるインフレ率です。インフレ率が大幅に上昇していると、政策金利を押し上げてインフレを抑制する動きになることがあるため、注意しておきましょう。

【関連記事】不動産投資とインフレ率の関連性は?不動産価格や金利の推移との比較も

定期的に繰上げ返済をする

ローンの金利は借入残高にかかるため、繰上げ返済を行うことで利息の総支払額を減らすことができます。そのため定期的に繰上げ返済をしておくことで、金利が上昇した際もその影響を少なくすることができるのです。

しかし、前述したように繰上げ返済を行うと投資効率を低下させるというデメリットがあります。損失のリスクを低下させられる分、投資額に対するリターンを減少させることになる可能性もあるため、検討する際は注意しましょう。

固定金利を選ぶ

ローンを組む場合、「固定金利」と「変動金利」の2つの金利タイプから選ぶことができます。通常、固定金利の方が変動金利よりも高い設定になっていますが、金利が変動しても影響を受けないため、長期間にわたって返済するローンには向いています。

ただし、固定金利の設定金利は変動金利よりも高くなっており、トータルコストで換算すると変動金利よりもパフォーマンスが低い可能性があります。また、金融機関によっては固定金利のローン商品を用意しておらず、プロパー融資のためにローン審査が厳しくなることもあります。このような点にも注意しておきましょう。

まとめ

マンション投資にはリスクがつきもので、リスク対策を怠ることで今回紹介した事例のようにマンション投資自体が失敗してしまうこともあります。

まずは物件を購入する前にリスクについての理解度を高め、運用中も適切にリスク対策、リスク回避術を実践していくことでマンション投資の失敗を防ぐようにしましょう。

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倉岡 明広

倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。