CBREが4月24日発表した「CBRE 投資家意識調査2020年」によると、日本の投資家の投資意欲が依然、旺盛だ。マーケットサイクル終盤とみられていたなかで、投資家は安定した収益を重視する反面、より高いリターンを求めてリスクを取ろうとする姿勢が強まっていた。背景には堅調な賃貸需要がある。需要拡大の要因には、優秀な人材を獲得しようと新しい業務スペースを提供する企業の増加や、eコマース拡大といった構造変化が挙げられる。
調査は2019年12月16日~2020年2月16日、日本を投資対象とする投資家を対象に実施、249の回答を得た。まず、不動産投資を行う理由については「安定した収益」(47%)という回答が前年と同様、最多。ただし、リスク許容度はやや上昇しており、リスク許容度が「前年より相当高まる」または「高まる」は 16%で、前回より 7 ポイント増加した。
魅力的な投資戦略としてもっとも多かったのは「プライムまたはコア」(29%)で、次いで多かったのは「コアプラス/優良なセカンダリー」(26%)。ただし、投資家が選好する投資戦略は分散が進んでいる。プライムまたはコア、 コアプラス/優良なセカンダリーは前年より割合が減少した一方で、よりハイリスク・ハイリターンを志向する「バリューアッド」などの投資戦略の割合が増加していた。魅力的なアセットタイプは、「オフィス」が最も回答率が高かった(38%)が、前回調査比で 12ポイント減少した。一方で回答率が最も増加したのは「物流施設」で、回答率は 34%、対前年比20 ポイント増加した。
不動産価値に最も影響するテナントのニーズとして、「サステナビリティ」(37%)、「スマートビル」(36%)、「物流施設内の自動化」(31%)が選択された。 企業の環境問題や社員のウェルネスへの関心が高まっていることが、不動産の投資判断にも波及し始めていることがうかがえる。また、長期化するとみられる人材不足などの課題に対し、最新のテクノロジーを活用することで、不動産価値の維持・向上を図ろうとする投資家も増えていると考えられる。
「ESG投資」の導入状況および方針を質問したところ、「既に採用」か「現在、採用を検討中」と回答した投資家は全体の71%を占めた。「3~5年以内に採用する」(13%)まで含めると実に84%で、「採用する可能性はない」はわずか16%にとどまった。ESG投資が世界的潮流となる中、日本の投資家の間で、ESG 投資に対する関心も高まっていることがうかがえる。
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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