都心の利回り5%台物件と郊外の6%台物件、アパート経営でどちらを選ぶべき? 2050年の人口動態や家賃下落リスクなどから比較

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「都心と郊外って結局、どちらの物件が良いの?」そう悩みながら物件情報を眺めている投資家の方は少なくないかもしれません。20年、30年と保有するアパート経営で重要なのは、開始時点の利回りよりも、その利回りが将来も続くか、つまり家賃が下がりにくいかどうかです。人口減少が進む日本では、エリアや物件によっては「今日の利回り」と「20年後の利回り」が一致しない可能性があるためです。

本コラムでは、都心の物件と郊外の物件の特徴やどちらを選べばよいかをテーマに、2050年の人口動態や家賃下落リスクなどのデータなどから両者を比較します。

目次

  1. 2050年の日本の人口の姿
    1-1.総数では人口減少が進む
    1-2.都市部に人口が集中する
    1-3.単身者世帯が増加する
  2. 利回りだけでは判断できない「家賃下落リスク」
    2-1.都心の家賃はどう推移している?
    2-2.空室率に地域差はある?
    2-3.東京23区の賃貸需給
    2-4.都心アパートと郊外アパートの特徴を比較
  3. エリア選定に強いアパート経営会社
    3-1.株式会社シノケンプロデュース

1 2050年の日本の人口の姿

アパート経営において長期的な収益を確保するには、現在の人口だけでなく将来の人口動態まで見据えてエリア・物件を選ぶことが重要です。人口は将来にわたって一定ではなく、とりわけ日本では人口減少が続いているためです。

そこでこの項目では、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口 令和5年推計」に基づいて、2050年の日本の人口にどのような特徴があるのかを解説します。

1-1 総数では人口減少が進む

日本では少子高齢化の進行により、2050年に向けてさらに人口減少が続くと考えられています。「日本の将来推計人口 令和5年推計」では、2050年の総人口は約1億468万人と推計されています。

年 人口
2020年 1億2,615万人
2030年 1億2,012万人
2040年 1億1,284万人
2050年 1億468万人

※参照:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口 令和5年推計」より抜粋(年齢構造係数:出生中位(死亡中位)推計)

人口が減少するにつれて住宅需要も縮小するため、とりわけ若年層や生産年齢人口の減少が著しい地域では、空室率の上昇や家賃の下落、地価の下落などのリスクが高まると考えられます。

1-2 都市部に人口が集中する

人口が減少する地域では商業施設や公共サービスの縮小が進み、それに伴って生活利便性が低下する可能性があります。そのため、雇用や教育機関、生活利便性が充実した都市部への人口集中が起きやすくなります。2050年の日本でも、地方都市の多くで人口減少が進む一方、大都市圏では人口が維持される、あるいは減少が抑えられると推計されています。

以下の表は、主な都市の2050年までの総人口指数をまとめたものです。

自治体 2020年 2030年 2040年 2050年
札幌市 100.0 98.8 94.7 88.5
青森市 100.0 88.5 75.9 63.3
秋田市 100.0 91.6 82.0 71.8
仙台市 100.0 99.4 96.3 91.1
東京都 100.0 102.1 103.3 102.5
名古屋市 100.0 98.3 95.3 91.0
大阪市 100.0 98.3 93.9 88.3
広島市 100.0 96.9 92.6 87.2
鳥取市 100.0 92.0 84.1 75.8
福岡市 100.0 102.9 103.2 100.6
沖縄市 100.0 100.0 100.5 98.3

※参照:国立社会保障・人口問題研究所「都道府県・市区町村別の男女・年齢(5歳)階級別将来推計人口」より抜粋(総人口指数(2020年=100))

東京都や福岡市では2050年まで人口が増加しますが、それ以外の都市では人口が減少します。ただし、名古屋市や仙台市、沖縄市などでは、人口減少が比較的抑えられると推計されています。

1-3 単身者世帯が増加する

アパート経営において重要なのは、人口の増減だけではありません。実際に賃貸住宅を必要とする単位は「人」ではなく「世帯」だからです。

近年は未婚率の上昇や高齢化を背景に、一人暮らしや夫婦のみの世帯が増加しており、人口が減少していても世帯数は一定期間維持されている地域もあります。2050年の日本でも、同様の傾向が続くと推計されています。

以下の表は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(令和 6(2024)年推計) 」から、2030年、2040年、2050年の「世帯数」「単独世帯数」「核家族世帯数」の推計を抜粋したものです。

年 総数 単独世帯 核家族世帯
2020年 55,705 21,151 30,251
2030年 57,732 24,036 30,020
2040年 56,080 24,418 28,196
2050年 52,607 23,301 26,109

※参照:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(令和 6(2024)年推計) 」より抜粋(※単位は1,000世帯)

2050年時点の単独世帯数は2020年より増加し(約2,115万世帯→約2,330万世帯)、総世帯に占める割合も2020年の38.0%、2030年の41.6%、2040年の43.5%からさらに上昇し、44.3%になると推計されています。そのため2050年の日本では、単身世帯向け住宅の需要が相対的に維持されると考えられます。

2 利回りだけでは判断できない「家賃下落リスク」

表面利回りは「年間の家賃収入÷物件価格」で計算される、購入時点の収益性を示す指標です。ただし、ここから管理費・修繕費・税金などの経費や空室分を差し引いた「実質利回り」は、表面利回りより低くなります。さらに、家賃は年々下がっていくため、購入時の表面利回りが将来も続くとは限りません。ここでは、家賃と空室の地域差を確認しながら、両者を比較していきます。

2-1 都心の家賃はどう推移している?

購入時点の利回りが高くても、その水準が続くとは限りません。家賃は入居者の入れ替わりや築年数の経過とともに変動し、その動きには地域差があります。総務省の消費者物価指数(民営家賃)を見ると、直近の物価上昇のなかで全国の家賃もやや上昇してきていますが、長期的には2000年以降おおむね下落基調が続いてきました。一方、東京都区部の家賃は全国よりも上昇幅が大きく、直近では前年同月比+1.7%と、約31年ぶりの上昇幅となっています。

民営家賃指数(2020年=100) 直近の水準 傾向
全国 約101.5 やや上昇(長期では下落基調)
東京都区部 約103.1 上昇(直近の前年同月比+1.7%)

※参照:総務省「消費者物価指数」/東京都「東京の物価」(令和7年6月分)

郊外や地方に多い高利回り物件は、都区部に比べると家賃が下がりやすい側にある可能性を考慮する必要があります。

2-2 空室率に地域差はある?

家賃だけでなく、空室率にも地域差があります。賃貸管理会社の運用実態を調べた日本賃貸住宅管理協会の調査では、エリア別の入居率に次の差がみられます。

エリア 入居率 空室率(目安)
首都圏 約95.8% 約4.2%
関西圏 約94.9% 約5.1%
その他エリア(地方など) 約92.9% 約7.1%

※参照:日本賃貸住宅管理協会「賃貸住宅市場景況感調査(短観)」(2022年度)

足元では、地方・郊外のほうが空室率はやや高めです。家賃の下落と空室の両面で、郊外・地方が都市部より相対的に不利になりやすい点は、判断材料として押さえておく必要があります。

※参照:総務省「令和5年住宅・土地統計調査(速報集計)」

2-3 東京23区の賃貸需給

前項までで見た家賃・空室の地域差の背景には、需要と供給の両面があります。とりわけ東京都区部について、その構造を確認します。

需要面では、1章で見たとおり、東京都は2050年まで人口が増加する数少ない地域であり、賃貸住宅の主な需要層である単身世帯の割合も全国的に高まり続けています。

供給面に関わるのが、東京23区の「ワンルームマンション条例」です。東京都に統一の条例はなく、23区の多くが単身者向け住戸を主とする建物に独自の規制を設けています。代表的な内容は次のとおりです。

  • 住戸の最低専有面積を25㎡以上とする(新宿区・中央区など多くの区)
  • 一定戸数以上のワンルーム計画に、ファミリー向け住戸(40㎡以上など)の付置を義務づける
  • 豊島区では、専有30㎡未満の狭小住戸に1戸あたり50万円を課税する「狭小住戸集合住宅税」を導入(2004年、全国初)

※参照:新宿区・中央区ほか各区条例、豊島区「狭小住戸集合住宅税」

これらの規制は、良好な住環境の確保やファミリー世帯の定住促進を目的としたものですが、結果として単身者向け住戸の新規供給に一定の制約がかかる側面があります。人口・単身世帯が集まる一方で、単身向けの新規供給には制約がある状況です。こうした需給の状況が、東京都区部の家賃動向の背景の一つと考えられます。なお、条例の内容は区ごとに異なり、随時改正されるため、実際の検討時は各区の最新の規定を確認する必要があります。

2-4 都心物件と郊外物件の特徴を比較

ここまでを踏まえ、都心物件と郊外物件の特徴を整理します。

比較項目 都心のアパート(利回り5%) 郊外のアパート(利回り6%)
購入価格 物件価格は高く、自己資金や借入額が大きくなりやすい。 物件価格は比較的安く、少ない自己資金でも購入しやすい。
利回りの実態(表面と実質の差) 空室や家賃下落が比較的緩やかで、直近の家賃は上昇傾向。実質利回りが表面利回りから大きく離れにくい。 空室や家賃下落が大きめで、実質利回りが表面利回りより下がりやすい。
空室リスク 人口流入や単身世帯の増加を背景に、比較的空室リスクを抑えやすいと考えられる。 地域によって差が大きく、人口減少や企業撤退などの影響で空室期間が長くなるケースも想定される。
家賃下落リスク 家賃下落が比較的緩やかな傾向があり、長期的な収益を維持しやすいと考えられる。 初年度の収益性は高いが、将来的には空室や家賃下落の影響を受ける可能性がある。
資産価値下落リスク 地価や賃貸需要が比較的安定しており、長期的にも資産価値を維持しやすいと想定される。 人口減少が進むエリアでは地価の下落が起きやすく、資産価値も下落する可能性がある。
融資のつきやすさ 土地の担保評価が高く、融資条件が有利になりやすい。 土地評価が低めで、建物の残存耐用年数に応じて融資年数が短くなる場合がある。
売却の難易度 住宅需要が高い地域では購入希望者が多く、流動性が高いと想定される。売却や建て替えなど、複数の出口戦略が考えられる。 買い手が限定されるケースでは、売却まで時間がかかったり、価格を下げる必要が生じたりすることが想定される。

※法定耐用年数は国税庁の区分(木造22年・重量鉄骨34年・RC/SRC47年)による。融資年数は「法定耐用年数−築年数」を目安とする金融機関の慣行があり、構造・築年によって変わります。

また、判断の際は、表面利回りに表れないランニングコスト(管理委託費・共用部の電気代・清掃費・固定資産税・設備更新費など)も確認が必要です。とりわけ、入退去が多い物件では原状回復費がかさみやすく、実際のキャッシュフローは想定より少なくなることがあります。

どちらが適しているかは、重視するポイントによって異なります。投資開始時点の毎月のキャッシュフローを優先する、保有期間が短め、需要が底堅い中核都市を選べる、といった場合には、郊外物件にも合理性があります。一方、資産価値の維持や売却のしやすさ、長期の安定運用を重視するなら、都心物件が候補となります。長期保有では、初年度の1%の利回り差だけでなく、空室リスク・売却時の資産価値・融資条件まで含めた総合的な視点で比較することが、判断の精度を高めます。

3 エリア選定に強いアパート経営会社

これまで見てきたように、長期保有を前提とするアパート経営では、将来を見据えたエリア選び・物件選びが欠かせません。ここでは、土地の仕入れ力とエリア選定に強みを持つアパート経営会社を紹介します。

3-1 株式会社シノケンプロデュース


株式会社シノケンプロデュースは、投資用アパートの企画・開発・販売を手がけるシノケングループの中核企業でこれまでに8,000棟以上のアパート販売実績があります。

物件管理はグループ会社のシノケンファシリティーズが担い、2025年12月末時点で管理戸数は53,000戸を超えています。また、自社企画開発物件の年間平均入居率は99.0%(2025年実績)となっています。

シノケンプロデュース一棟アパート経営の特徴

投資対象 新築アパート
販売実績 8,000棟以上
管理戸数 53,000戸以上(2025年12月末時点)
入居率 99.0%(2025年年間平均/自社企画開発物件)

こうした実績の背景には、エリアの将来性を見据えた土地の選定や、入居者ニーズを踏まえたアパートづくりがあります。以下で、その特徴を具体的に見ていきます。

独自のネットワークを構築し資産価値の高い土地を提案

同社の特徴の一つが、将来の資産価値まで見据えた土地選定です。長期的に安定した賃貸需要を確保するため、路線価や接道状況などを調査したうえで、これまでの実績やノウハウをもとに立地を選定しています。

また、交通アクセスや生活利便性、周辺環境などを重視した基準を設けている点も特徴です。具体的には、次のような条件を満たす土地を中心に提案しています。

  • 駅徒歩10分圏内
  • 大都市圏のターミナル駅から電車で30分圏内

デザイン性と機能性を両立した物件を提供

同社が手がけるアパートは、デザイン性と機能性の両立を目指した住まいづくりも特徴です。デザイン面では、グッドデザイン賞を複数回受賞しています。また、設備や仕様についても、入居者の快適性や使い勝手を考慮した設計が採用されています。

さらに、住宅性能表示制度における「劣化対策等級3」相当の基準を満たすなど、建物の耐久性にも配慮しています。長期的な資産価値の維持につながる品質面にも配慮されている点が特徴です。

シノケンプロデュースは、「失敗しないための不動産投資セミナー」と題した無料セミナーを定期的に開催しています。不動産投資に伴うリスクとその対策、自己資金を抑えた投資手法、長期的に安定したアパート経営を実現するためのポイントに加え、不動産市場の動向や金融機関の融資環境など、投資判断に役立つ情報を学べます。オンライン形式にも対応しています。