送金サービスの米ウェスタンユニオン、同業大手マネーグラムに買収提案か

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米送金大手ウェスタンユニオンが同業のマネーグラム・インターナショナルの買収を検討していると、事情に詳しい匿名の情報提供者の証言に基づいてブルームバーグが6月2日、伝えている。実現すれば業界大手2社の統合となるため、株価にも影響を与えている。

ウェスタンユニオンがマネーグラムに対し買収提案を行ったと、非公開情報であるとして関係者は匿名を条件に語っている。決定には至っておらず、買収しない判断もあり得るという。両社の担当者はいずれもブルームバーグに対してコメントを控えている。マネーグラム株は6月1日の米株式市場で6%強上げて時価総額を1億6400万米ドルとした。ウエスタンユニオンの株価も1日に3.45%高、約85億米ドルとしている。

世界約200の国と地域、約20万拠点の取次店の「現金代理店受取」を主軸とするマネーグラムの送金ビジネスはコロナ禍の中で苦戦を強いられている。各国政府による屋内退避令を受けて取次店の休業や閉鎖を余儀なくされた。代わりに同社は海外の銀行口座に送金する「アカウント送金」に注力しているが、2020年第一四半期(1-3月)のオンライン送金量は全体の18%だ。

2017年にマネーグラムは、中国アリババグループ系列のアント・フィナンシャルによる買収提案を受け入れる意向を示していたが、外国投資委員会(CFIUS)の反対を受けて破断となっていた。CFIUSは米国の安全保障の脅威となり得る外国企業による米企業の買収案件を監督している。マネーグラムにとってもアント・フィナンシャルの顧客ネットワークは魅力であり、アジア太平洋地域での事業拡大を目論んでいた。

各国政府と規制当局は銀行口座を持たない移民の国際送金にかかる手数料低減を求めている。世界銀行によると、国際送金は100ドル当たり平均6.79ドルかかっている。昨年、フェイスブックが大手企業と提携してリブラ協会を設立して新たな送金方法を提案した。送金コストを抑える手段として仮想通貨に期待する声も見られるが、マネーロンダリングや詐欺などへの対策が足かせとなり、規制当局との折り合いをどうつけるかが課題となっている。

【参照記事】Western Union Makes an Offer to Buy MoneyGram

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高橋奈夕

国際基督教大学4年。NYに支社を置くブロックチェーン専門のベンチャーキャピタルで半年以上インターンとして勤める。バイリンガルを生かして海外の記事を翻訳し、よりよい情報を国内に広めることにコミットしている。