総合不動産サービス大手のジョーンズ ラング ラサール株式会社(以下、JLL)は10月10日、2017年9月(2017年第3四半期)末時点の東京Aグレード、Bグレードオフィスの空室率および賃料を公表した。
JLLが定義する東京Aグレードオフィスとは、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の東京中心業務地区に位置し、延床面積30,000平方メートル以上、基準階面積1,000平方メートル以上、地上20階以上で、1990年以降に竣工かつ新耐震基準に適合する、一定水準を満たすハイグレードのオフィスビルを指す。
その「東京Aグレードオフィス」では、空室率が8四半期ぶりに3%台へと上昇し、前期比0.1ポイント上昇、前年比1.6ポイント上昇となった。空室の減少は赤坂・六本木をはじめ中心業務地区全体でみられたものの、品川等で発生した空室により相殺となった。
また、賃料では公益費込で月額坪当たり36,605円と前期比0.2%上昇、前年比2.1%上昇となったが、上昇ペースは3四半期連続で減速している。赤坂・六本木、大手町・丸の内で緩やかな賃料上昇が継続した。
東京中心業務地区の1982年以降竣工で5,000㎡以上の「東京Bグレードオフィス」では、空室率が2.2%と、14四半期連続で2%台での推移となった。前期比では0.3ポイント低下、前年比0.2ポイント上昇となった。秋葉原・神田、虎の門・新橋、新宿を含むサブマーケットで空室減少がみられた。
また、賃料では公益費込で月額坪当たり22,675円と上昇ペースが3四半期ぶりに減速。前期比0.2%上昇、前年比1.7%上昇となった。新宿、渋谷を含むサブマーケットで緩やかな賃料上昇がみられた。
JLLの発表によると、2018年に都心部で新たに完成する大型オフィスビルの総面積は60万平方メートルとなる見通しだ。これは2017年の3倍に相当し、これに伴い、現状3%台で推移している空室率が上昇する可能性が懸念されている。
【参照ページ】オフィスビル賃貸料、天井感強まる 大量供給迫り空室率上昇懸念
平井真理
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