不要になった空き家・土地を手放す方法は?売却や寄付、相続放棄を解説

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相続・遺贈等により使っていない空き家や土地をお持ちの方は、メンテナンスの手間や固定資産税といった費用にお困りの方も少なくないのではないでしょうか?当初は利用する予定でも、転勤や諸事情により不要になってしまうケースもあります。

不要になった空き家や土地を手放すには、売却と寄付の2つの方法があります。

売却の場合には、時間と手間がかかりますが売却代金を得ることができます。一方、無償になってしまいますが、自治体・個人・法人等に不動産を寄付すると手間をかけずに処分できます。

また、相続時には相続放棄という方法があります。他の財産も放棄してしまうことになりますが、空き家・土地の処分が不要となりますので、亡くなられた方に債務が多い場合に検討しやすいでしょう。

今回はこれら不動産の売却・寄附・相続放棄の方法について解説します。不要になった空き家・土地の処分方法についてお悩みの方はご参考下さい。

目次

  1. まずは不動産査定を行い、売却・寄附・相続放棄を検討する
  2. 不要になった空き家と土地を処分する方法2つ
    2-1.空き家・土地を売却する
    2-2.空き家・土地を寄付する
  3. 相続のタイミングであれば相続放棄も検討できる
  4. 空き家・土地がなかなか売れない時に検討できる対策
    4-1.賃貸や太陽光発電などの利活用によって付加価値をつける
    4-2.売主の契約不適合責任の範囲を広げる
  5. まとめ

1.まずは不動産査定を行い、売却・寄附・相続放棄を検討する

不要になった空き家・土地を手放すのであれば、まずは不動産査定を行って不動産の生産性を確認し、その後に売却・寄附・相続放棄の3つのパターンを検討すると良いでしょう。

売却か寄附かを検討する場合は売却益が期待できる不動産売却を優先し、1社だけで売却がうまく進まない場合は、不動産会社の変更も視野に入れながら進めてみましょう。

また、相続放棄を検討する際も資産と負債のバランスを確認し、相続するか放棄するか、または限定承認を行うか判断することとなります。「不動産がいくらで売却できるのか?」という点は重要なポイントとなります。

複数の不動産会社に査定を依頼することで相場の価格を把握できます。不動産一括査定サイトなどを利用し、複数の不動産会社による査定を受けてみましょう。

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【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

2.不要になった空き家と土地を処分する方法2つ

不要になった空き家と土地を処分するにあたって、売却または寄付という2つの方法があります。

以下で詳しくご紹介していきます。

2-1.空き家と土地を売却する

不要になった空き家・土地を手放すのであれば、不要になった空き家を中古戸建または土地として売却することを検討しましょう。需要の多いエリアや建物の状態が良い不動産であれば、売却益が期待できます。

新築の戸建て住宅の価格は上昇傾向にあり、「新築は高いから中古物件を購入・リフォームして活用したい」と考えるファミリー層に売却できる可能性もあります。

また、一見して荒れた家は購入希望者に悪印象なうえ、空き巣被害といったトラブルに巻きまれてしまう可能性があります。売却活動では内覧の機会がありますので、売却が決まるまで家を定期的にメンテナンス・清掃しておきましょう。

【関連記事】空き家を売却するタイミングは?費用や税金、売却の方法や戦略も解説

2-2.空き家・土地を寄付する

空き家を寄付するのであれば、売却の手間がかからず、寄付で社会貢献できるという2点のメリットがあります。寄付先は自治体・個人・法人になりますが、個人・法人の場合は贈与税などの税金がかかる場合がありますので、気を付けましょう。

個人・法人に空き家・土地を寄付する場合、隣家の方であれば所有する土地が広くなりますので貰ってくれる可能性があります。ただし相手方に贈与税・不動産取得税や解体費用、所有権移転登記等の手間や費用がかかる点に注意が必要です。

個人間で不動産の寄付(贈与)を行う場合はトラブルを避けるために「贈与契約書」を作成しておきましょう。

一方、「家や土地を寄付したいが相手が決まっていない」という方はまずは自治体の窓口に相談してみましょう。自治体が調査・検討を行った上で寄付を受け入れるかを決定します。

物件の老朽化が進んでいる場合、固定資産税の負担や空き家の管理といった手間がかかることから自治体が受け入れてくれる可能性は低くなります。

自治体に受け入れてもらえなかった際は、空き家バンクを利用して寄付先を探すのも選択肢の一つです。空き家バンクは空き家の管理・処分に困っている所有者と空き家を活用したい、移住したい方を自治体が繋ぐシステムとなっています。

3.相続のタイミングであれば相続放棄も検討できる

不要である家と土地を相続予定の方には、相続放棄も検討してみましょう。

相続にあたっては被相続人に債務がある場合、民法に則り相続放棄をすることが可能です。相続の放棄により空き家・土地の所有権も放棄する事が出来ます。

ただし相続放棄を行うと債務だけではなく、被相続人が持っていた預貯金や有価証券等のプラスの財産も引き継ぐことが不可能となります。

被相続人の債務が不明で財産が残る可能性もある場合には、「限定承認」という相続方法を選ぶ事が可能です。限定承認とは相続をする方(相続人)が、「相続によって得た財産の限度」で被相続人の債務を引き継ぐことです。

相続放棄、限定承認を行う場合は「自己のために相続の開始があったこと(被相続人が亡くなり自分が相続人となった事)を知った時」から3ヶ月以内(熟慮期間と呼ぶ)に家庭裁判所に申述書と必要な添付書類を提出する必要があります。(※裁判所「相続の放棄の申述」を参照)

申述書は自身で作成する事が可能ですが、専門家の意見を聞きたい場合や多忙で作成を代行して欲しい方は行政書士または弁護士に相談しましょう。

一方、被相続人の財産と債務を全て引き継ぐ「単純承認」の場合は、家庭裁判所に書類を提出する必要はありません。

空き家を含めた被相続人の財産の総額と債務の総額を把握し、相続または放棄を決定しましょう。債務の額が分からない場合には、限定承認を行うと債務を引き継いだとしても財産と相殺できます。

4.空き家・土地がなかなか売れない時に検討できる対策

不要になった空き家・土地を出来るだけ売却して現金化していきたいと考えている方も多いでしょう。しかし、築年数が経過した空き家は経年劣化によって修繕が必要であったり、人口減少が続いている過疎地域などでは土地としても売却が難しいなどのケースがあります。

このような場合には、何らかの利活用によって付加価値をつけたり、売主の契約不適合責任の範囲を広げたりなどの対策によって売却が決まるケースがあります。事例ごとに詳しくみて行きましょう。

4-1.賃貸や太陽光発電などの利活用によって付加価値をつける

空き家・土地としての売却が難しい場合には、賃貸付けを行ったり太陽光発電の設備導入によって収益物件としての付加価値をつけて売却を行う方法があります。購入者はすでに収益が出ている物件を投資対象として購入検討するため、これまでリーチできていなかった層にアプローチすることに繋がります。

また、活用によって収益を上げることが出来れば空き家・空地として放置せずに済み、手放さずに管理運営していくという選択肢も増えます。そのままで売却が難しい場合には、メリットの多い対処方法です。

ただし、人口減少傾向にあるエリアでは賃貸需要が乏しく賃貸経営に向いていなかったり、日照の関係から太陽光発電に適していない土地である可能性もあります。空き家・土地の活用方法を検討する際は、まず初めに土地調査を行いましょう。

例えば、「HOME4U土地活用」では、土地活用に関するプランを一括で最大7社まで請求することができます。活用したい土地や自分自身の情報・連絡先などを指定のフォームに一度入力するだけで、複数企業から土地活用のプランが提案されます。また自分が選択した企業以外から連絡が来ることもなく、興味のない提案を受けずに済む点も利用メリットとなります。

  • 賃貸アパート経営
  • 賃貸マンション経営
  • 賃貸併用住宅経営
  • 賃貸戸建経営
  • 駐車場経営
  • 店舗経営
  • 高齢者向け住宅経営
  • トランクルーム経営
  • コインランドリー経営
  • 太陽光発電設置など

このように幅広いジャンルから所有している土地の条件や環境に最適な土地活用のプランを提案してくれます。調査や提案は無料で行えるため、どのような活用方法が検討できるのかまず知りたいという方は利用されてみると良いでしょう。

【関連記事】HOME4U土地活用の評判は?メリット・デメリットや利用の流れも

4-2.売主の契約不適合責任の範囲を広げる

契約不適合責任とは、不動産売買契約の契約内容と引き渡した物件が適合するように売主が負う責任のことです。例えば、契約内容に記載されていない物件の欠陥が見つかった場合、売主は買主に対して修繕費を支払ったりなどの対応を行う必要があります。

この契約不適合責任はそのままだと買主優位になってしまうため、通常は特約によって契約不適合責任の期間や範囲を限定したり、または免責としたりなど、自由に設定可能です。この特約を定める際にやや買主が優位になるように条件づけることで、売却をスムーズに行える可能性が高まります。

例えば、経年劣化が進んでどのような建物の不備があるか分からない物件などでは、買主側のリスクが高く、購入の決断につながらないことがあります。この時、契約不適合責任について売主がしっかりと対応する意思を示すことで、購入意欲を持ってもらえることがあります。

また、売主・買主双方のリスクを下げるために建物のインスペクション(物件調査)を行うという方法もあります。インスペクション費用がかかるデメリットがありますが、物件にどのような欠陥があるかが判明するため、具体的な修繕費のイメージも沸き、公平な取引につながることがあります。

【関連記事】中古住宅の内見で見るポイントは?初心者でも可能な物件調査の方法を体験

まとめ

不要になった空き家と土地を手放す方法として、売却、寄付、相続放棄についてご紹介しました。土地や空き家の場所や築年数、個々人の処分に割ける時間等により方法は変わってくることでしょう。

「遠方にあり、無償でも良いから手早く処分してしまいたい」という方は寄付、「あまり手間はかけたくないけど少しはお金が欲しい」という方はそのまま売却する等、ケースバイケースで対応しましょう。

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田中 あさみ

経済学部在学中に2級FP技能士(AFP)の資格を取得。ライターとして不動産投資を含む投資や年金・保険・税金等の記事を執筆しています。医療系の勤務経験がありますので、医療×金融・投資も強みです。HEDGE GUIDEでは不動産投資を始め、投資分野等を分かりやすくお伝えできるよう日々努めてまいります。