不動産投資ローンの金利相場は?金融機関ごとの金利や融資年数を比較

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不動産投資を始める場合は投資用不動産を購入する必要がありますが、取得に必要な費用を自己資金だけではなく、不動産投資ローンの利用を検討されている方も多いと思います。

投資用不動産の場合は原則住宅ローンを契約できないため、不動産投資ローンを契約する必要がありますが、金利相場はどのくらいなのでしょうか?

この記事では、不動産投資ローンの各行の金利相場について解説します。

目次

  1. 投資用不動産は住宅ローンを原則契約できない
  2. 不動産投資ローンを提供している金融機関4つ
    2-1.SBIエステートファイナンス
    2-2.クレディセゾン
    2-3.オリックス銀行
    2-4.三井住友信託銀行
  3. 不動産投資ローンの審査が通らない場合の対策
  4. まとめ

1.投資用不動産は住宅ローンを原則契約できない

不動産投資を始める際は、まずは投資用不動産を購入する必要があります。投資用不動産を購入すると言っても、自己資金では足りないため、不足分をローンで補う必要があります。

しかし、通常の住宅ローンは居住用の不動産を購入する際に契約できるものであって、投資用不動産を購入する際は住居兼賃貸住宅といった事例を除いて原則契約することができません。

投資用不動産を購入する際は不動産投資ローンを契約する必要がありますが、各行ごとに金利や契約期間が大きく異なります。

購入する不動産の価格や担保価値、購入を検討する方の属性に合わせて、融資を申し込む金融機関を選ぶことが重要です。

2.不動産投資ローンを提供している金融機関4つ

金融機関には、大手銀行、ネット銀行、信託銀行など、いくつか種類があります。今回は、銀行ごとに金利や契約期間が大きく異なるのか、他の金融機関との差があるのかを比較していきます。今回比較する会社の特徴をまとめると以下の通りです。

金融機関名 金利 返済期間
SBIエステートファイナンス 変動金利2.40~6.50% 1~25年
クレディセゾン 変動金利3.05% 1~35年(最長)
オリックス銀行 変動金利2.675~3.675%※ 1~35年
三井住友信託銀行 固定金利1.73~2.75% 1~30年

(2020年5月時点)※固定金利も選択可

金融機関ごとの違いについて詳しく見ていきましょう。

2-1.SBIエステートファイナンス

SBIエステートファイナンスとは、住信SBIネット銀行やSBI証券などのネットによってお金の運用や管理をサポートしているSBIグループの1つで、不動産担保ローンが専門の会社です。

SBIエステートファイナンスの不動産ローンの特徴は以下の通りです。

金利 融資金額 返済期間
変動金利2.40~6.50% 300万円~5億円 1~25年

(*2020年5月時点「SBIエステートファイナンス」を参照)

金利は、みずほ銀行が公表している短期プライムレートに「+0.925~5.025%」の範囲内で変動します。適用年率は年2回見直しが行われます。

取扱地域は、1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)に限定されているので注意が必要です。

最短3日でのスピード融資に対応しており、年間5,000件以上の相談実績があるのが特徴です。

2-2.クレディセゾン

クレディセゾンとは、クレジットカードの発行といった決済ビジネスが中心のサービスを提供している会社です。クレディセゾンの不動産ローンの特徴は以下の通りです。

金利 融資金額 返済期間
変動金利3.05% 300万円~最大3,000万円 1~35年(最長)

(*2020年5月時点「セゾンの不動産投資ローン」を参照)

表の金利は、2020年5月時点のもので、みずほ銀行が公表している長期プライムレートの「+1.95%」で変動します。適用年率は年2回見直しが行われます。

取扱地域は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、愛知県ですが、さらに細かく範囲が絞られているので注意が必要です。また、S地域に分類される場合には融資金額が3,000万円、A地域の場合は2,000万円など、取扱地域ごとに融資金額の上限が異なります。

返済期間は築年数15年以内で最長35年、16年以上で最長25年と築年数で異なります。返済期間の最長が長いのは魅力と言えますが、融資金額の上限が低いため、購入できる物件が限られてしまう点はデメリットとなります。

2-3.オリックス銀行

オリックス銀行は、生命保険や球団運営、レンタカー運営、不動産といった幅広い業務を手掛けるオリックスグループの1つです。オリックス銀行の不動産ローンの特徴は以下の通りです。

金利 融資金額 返済期間
変動金利2.675~3.675% 1,000万円~2億円 1~35年

(*2020年5月時点「オリックス銀行」を参照)

変動金利を選択した場合、投資セレクト金利から店頭表示金利の範囲で金利が決定します。投資セレクト金利は店頭表示金利から1.0%引き下げた金利です。

固定金利期間特約付変動金利にも対応しており、3年固定特約型では「2.300~3.300%」、5年固定特約型では「2.500~3.500%」の金利が適用されます。

取扱地域は、原則として首都圏、近畿圏、名古屋市、福岡市の居住用不動産に限られるので注意が必要です。ただし、札幌、仙台、北関東、東海圏のアパート一棟に限り、認められる可能性があります。マンションの場合は専有面積40㎡以上と制限が加わります。

他の金融機関は変動金利1択に対し、固定金利期間特約付変動金利にも対応しているのがポイントと言えるでしょう。

2-4.三井住友信託銀行

三井住友信託銀行とは、銀行や証券会社、クレジットカード会社などを幅広く手掛けているSMBCグループの1つです。三井住友信託銀行の不動産ローンの特徴は以下の通りです。

金利 融資金額 返済期間
固定金利1.73~2.75% 500万円~1億円 1~30年

(*2020年5月時点「三井住友信託銀行」を参照)

金利は固定金利が採用されており、固定金利の期間と借入金額によって適用される金利が異なります。固定金利の期間は、1年・3年・5年・7年・10年の5つから選ぶことが可能です。

融資金額が大きい点はメリットにもなりますが、その反面、金利が変動した場合のリスクは大きくなります。固定金利の期間を長く設定できることは金利変動のリスクを抑える上で重要なポイントと言えます。

取扱地域は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県に限られているので注意しましょう。

3.不動産投資ローンの審査が通らない場合の対策

不動産投資ローンは住宅ローンと比較して、審査の内容も厳しいものになります。不動産の担保価値だけでなく、購入者の年齢や年収、勤め先の企業名なども評価の対象となり、審査に通らないと融資の利用は出来ません。

不動産投資ローンの融資審査が通らない場合は、特定の金融機関と提携している不動産会社を利用することも検討してみましょう。金融機関と提携している不動産投資会社を介して不動産を購入した場合には、融資審査を有利に進められる、特別な金利プランを提案してもらえる可能性があります。

例えば、東証プライム上場グループで都心新築マンション投資に強い「プロパティエージェント」、最先端のIoTの導入によって差別化を図っている「インヴァランス」、中古マンション投資に強い「リズム」などがあります。

不動産会社から提携している不動産投資ローンの提案を受けてみたい方は、これらの不動産投資会社への相談を検討してみましょう。

まとめ

不動産投資を始める際は、投資用不動産を購入する必要があります。投資用不動産では住宅ローンを契約できないため、不動産投資ローンを契約する必要がありますが、各金融機関で金利や返済期間が大きく異なるため、よく確認してから契約することが重要です。

いくら利回りの高い投資用不動産を購入しても、金利が高いとキャッシュフローの悪化が原因で、不動産投資に失敗する可能性があります。融資条件の良い金融機関を見つけて不動産投資ローンを契約することが重要です。

融資審査に通らない場合には、販売元の不動産会社から提携している金融機関を紹介してもらうことも検討してみましょう。

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矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。