インド政府は、仮想通貨(暗号資産)を禁止する法的枠組みに関する協議を加速させている。規制案は、中央銀行の禁止令よりも厳格とされ、罰則規定が盛り込まれる可能性がある。インドのビジネス誌Economic Timesが6月12日、報じている。
インドでは2018年4月、インド準備銀行(RBI)が管轄下の商業銀行に対して仮想通貨ビジネスに対する銀行口座サービスの停止を命じていた。しかし、この命令は最高裁によって2020年3月4日に違憲と判断されている。
政府高官がET誌に語った内容によると、最高裁判決が政府による仮想通貨規制案の検討に拍車をかけている。まもなく財務省主導の省庁間協議が開かれ、内閣での協議を経て最終的に規制法案が議会へと提出される見通しだという。財務長官が率いる省庁が2019年7月に作成した草案は、インド国内での仮想通貨の直接・関節的な採掘、発行、取引、販売、保管、使用を違法とし、関与した人物に最大25クロール(1千万)ルピー(約3億5,300万円)の罰金と10年以下の懲役を科すことを示唆していた。
最高裁による判決は、スタートアップに投資と事業拡大の機会を促していた。しかし、「RBIから具体的な連絡を受けていないため、一部の商業銀行は依然として国内外の仮想通貨ビジネスに銀行口座を提供していない」と業界関係者は指摘している。仮想通貨に対するスタンスが定まらず依然先が見えない状況では目先の話題に振り回されることは得策ではないだろう。
【参照記事】With a law, India plans lasting ban on cryptos
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