不動産投資ローンと住宅ローンはどちらを先に組むべき?パターンを比較

不動産投資ローンと住宅ローンは、同じ不動産を購入するローンです。しかし、この2つのローンは目的が異なり、審査基準なども大きく異なります。

そのため、どちらを先に組むかでメリット・デメリットも変わってくるのです。そこでこの記事では、「不動産投資ローンを先に組む」「住宅ローンを先に組む」それぞれのパターンを比較していきます。

投資用不動産を先に買うべきか、自宅を先に売却すべきか迷っている人は、ぜひ読んでみてください。

  1. 不動産投資ローンと住宅ローンの比較
  2. 不動産投資ローンを先に組むメリット
    2-1.収益不動産の運営に問題がなければ、後から住宅ローンも組める
    2-2.収益不動産のキャッシュフローで自己資金を貯めやすい
    2-3.生活スタイルに影響を与えることなく売却を検討できる
  3. 不動産投資ローンを先に組むデメリット
  4. 住宅ローンを先に組むメリット
  5. 住宅ローンを先に組むデメリット
  6. どちらのローンを先に組むか迷ったら「融資上限額」を確認する
  7. まとめ

1.不動産投資ローンと住宅ローンの比較

不動産投資ローンと住宅ローンを一覧で比較すると以下の通りです。

比較項目 投資用ローンが先 住宅ローンが先
ローンの組みやすさ △~〇(運営次第) △自宅は負債になる
自己資金の貯めやすさ △~〇(運営次第) △賃料と比較して下げられる可能性がある
将来的な売却 〇売却しやすい △売却しにくい
自宅購入の自由度 △選べない可能性あり 〇問題なし

以下より、上記4項目を加味した上で「不動産投資ローンを先に組む」パターンと、「住宅ローンを先に組む」パターンのメリット・デメリットを解説していきます。

2.不動産投資ローンを先に組むメリット

まずは不動産投資ローンを先に組む場合のメリットについて解説します。

2-1.収益不動産の運営に問題がなければ、後から住宅ローンも組める

不動産投資ローンを先に組む1つ目のメリットは、投資物件の運営に問題がなければ、住宅ローンを組みやすい点です

住宅ローンの審査項目を大きく二つに分けると借入者の返済能力と物件の担保価値です。借入者の返済能力には、既存借入の有無も含まれています。

たとえば、車のローンを組んでいて「月々の返済額が2万円」であれば、その返済額を加味して住宅ローンも審査されます。

この場合、ローンを組んでいない状態よりも審査は厳しくなり、既存借入があることで借入額が減額、もしくは否決になることもあります。この点は不動産投資ローンも同様です。

投資物件の運営に問題がなければ、不動産投資ローンを住宅や自家用車などのローンのように単純な既存借入と判断しない金融機関もあります。物件運営に問題が無ければ家賃収入があり、その家賃収入でローン返済できているためです。

このように、住宅ローンを新しく組む場合、既存の不動産投資ローンは本人の年収や勤続年数などの属性、物件の担保価値、収益性などを総合的に判断されます。

金融機関から不動産投資への高い評価を得ることが出来れば、不動産投資ローンを組んだ後に住宅ローンを組むことに関して大きな支障を及ぼさない可能性があります。

2-2.収益不動産のキャッシュフローで自己資金を貯めやすい

不動産投資ローンを先に組む2つ目のメリットは、不動産投資のキャッシュフローにより自己資金を貯めやすい点です。不動産の運営によって収益化が出来ていれば、家賃収入によって自己資金を貯めやすくなります。

自己資金が貯まれば自宅を購入するときの頭金になるため、住宅ローンの借入額も少なくて済みます。この点も、不動産投資ローンを先に組むメリットと言えるでしょう。

2-3.生活スタイルに影響を与えることなく売却を検討できる

不動産投資ローンを先に組む3つ目のメリットは、将来的に投資物件の売却を検討できる点です。不動産投資は家賃収入だけでなく、売却時期や物件の条件によっては売却益も期待できます。

投資用物件は自分が住んでいるわけではないため、住宅の売却と比較して生活スタイルを大きく変化させることはなく、売るか売らないかの判断は売却価格を重視して決めることが可能です。その売却益も自宅の頭金にできれば、自宅購入の自由度は上がるでしょう。

3.不動産投資ローンを先に組むデメリット

一方、不動産投資ローンを先に組むデメリットは、借入金の増額により自宅を選べない可能性がある点です。

上述したように、不動産投資ローンは住宅ローンに大きな支障をきたさない可能性があるものの、そのようなケースは多くはありません。収益化に失敗していたり、本人の属性に対して借入額が多い場合には、既存借入と見なされるでしょう。

このように、住宅ローンの借入可能額が減ることで、自分が購入したいと思った家を買えない可能性が出てきます。この「自宅を自由に選べない可能性がある」点は、不動産投資ローンを組む上で大きなデメリット・リスクと言えます。

4.住宅ローンを先に組むメリット

住宅ローンを先に組むメリットは、自宅の購入を優先できる点です。住宅ローンを先に組めば、不動産投資ローンが住宅ローンへ悪影響を与えるリスクはなくなります。

自宅は職場・子供の学校・実家の場所など、様々な要因で場所を決める方が多いでしょう。場所によっては家の価格も異なるため、予算が高いほど自宅を購入する自由度は上がります。この点は住宅ローンを先に組む大きなメリットと言えるでしょう。

また、住宅ローンは不動産投資ローンと比較して金利が低く、長期で借りられる点も大きな特徴です。事業用ローンではないため、不動産投資ローンと比較して融資審査の基準も低く、物件購入までのハードルは低いと言えます。

毎月支払う賃貸物件の家賃を物件の返済金に充てることが出来るうえ、賃料と比較して返済金の方が少なくなるケースもあります。団体信用生命保険に加入することで、もしもの際に家族へ自宅を残せる点もメリットと言えるでしょう。

5.住宅ローンを先に組むデメリット

住宅ローンを先に組むデメリットに、住宅ローンが負債になる点が挙げられます。不動産投資ローンを組むときに、住宅ローンは自宅から収益が上がるわけではないため単純な既存借入と見なされやすくなります。

また、売却時に生活スタイルに大きく影響を与えてしまう点にも注意が必要です。上述したように、自宅は職場・子供の学校・実家の場所などを加味して選びます。売却には引っ越しが伴うため、自宅の売却は慎重になる方が多いでしょう。

後から不動産投資ローンを組もうと考えても「既存借入額が大きいため、これ以上借りることが出来ない」という状況になってしまった時に、対応が難しくなる可能性があります。

6.どちらのローンを先に組むか迷ったら「融資上限額」を確認する

前述したように、不動産投資ローン・住宅ローンのどちらも後から契約する際に借入額がマイナス評価となり借入が出来ないケースが考えられます。どちらの融資も成功させたい場合は、金融機関に問い合わせ、自身の融資上限額を確認しておきましょう。

金融機関による融資審査では、お金を借りる人の年収・勤め先・年齢・勤続年数などを評価し、融資する金額や年数、金利設定を行っています。まずは自身の融資上限額を確認し、その枠内に収まるように物件購入を進めていくことが大切です。

不動産は投資用・住宅用問わず、売却して現金化するまでに時間のかかる流動性の低い資産です。どちらを先に購入する場合でも、購入前に慎重に検討し、返済計画を事前に立てておくことが重要となります。

また、住宅購入後に不動産投資を検討する場合は、融資付けに得意な不動産会社へ事前相談しておくことも有効です。

例えば、提携金融機関も10社以上と充実しており、物件の担保力の高さからフルローンでの融資実績が豊富な「プロパティエージェント」や、同じく提携金融機関数は10社以上、頭金10万円からのスタートも可能な「インヴァランス」など、融資実績が豊富な不動産会社へ事前相談を検討してみると良いでしょう。

【関連記事】フルローンや低金利など融資に強い不動産投資会社5選

まとめ

不動産投資ローンと住宅ローンのどちらを先に組むべきかは、それぞれメリット・デメリットが異なります。

不動産投資を優先したいなら、不動産投資ローンを先に組む方が良いでしょう。そうすれば住宅ローン(既存借入)がないため、投資物件の予算も上がります。

一方、自宅を優先させたい場合は、住宅ローンを先に組んだ方が良いでしょう。不動産投資ローンの借入額は減るものの、自宅の予算が上がるので自由度が増します。

また、どちらを先に購入する場合でも、まずは自身の融資限度額を確認して余裕を持った借入を行うことも重要です。購入前には慎重に検討し、融資実績の豊富な不動産会社へ事前相談をするなど、無理のない返済計画を立てておきましょう。

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中村 昌弘

中村 昌弘

都内の大学を卒業後にマンションディベローパーに就職。マンションディベロッパーでは、新築マンションの販売や中古不動産の仲介業務に従事する。 2016年に独立して、不動産関係の記事を中心としたライター業務としても活動。自身のマンションを売却した経験もあるため、プロの視点・一般消費者の視点と、両方の視点を持った記事が執筆できる点が強み。