住宅ローンは契約する金融機関、金利タイプ・返済方法・期間などを自身で選ぶことになりますが、「たくさんありすぎて何がいいのか分からない」「専門家に相談したい」という方は多いのではないでしょうか。
住宅ローンはFP(ファイナンシャルプランナー)に相談する事で、中立な立場でのアドバイスがもらえる、世帯に合った住宅ローンを提案してもらえるなどのメリットがあります。一方で、相談に費用がかかったり、提案内容が担当者に左右されてしまうといったデメリットなどもあり、・注意が必要な点もあります。
本記事では、FPが持つ知識・相談できること、FPに住宅ローンを相談するメリット・デメリット、注意点、無料相談の方法を詳しく解説していきます。
目次
- FP(ファイナンシャルプランナー)とは?FPが持つ知識や相談できること
- FPに住宅ローンの悩みを相談するメリット
2-1.住宅ローンの基本が分かる
2-2.自身に合った住宅ローンが分かる
2-3.収支シミュレーションを行ってもらえる - FPに住宅ローンの悩みを相談するデメリット・注意点
- FPへ無料相談する方法
- まとめ
1.FP(ファイナンシャルプランナー)とは?FPが持つ知識や相談できること
FP(ファイナンシャルプランナー)とは、個人のライフプランに合わせて将来の収支の見通しを計算し、資産設計をサポートするお金のアドバイザーです。FP資格を取得するためには、金融・不動産・資産設計(住宅ローン含む)・保険・相続など6つの分野を勉強します。
資格を取得するためには、実技試験である「資産設計提案業務(又は資産相談業務)」は必須となり、資産設計・相談に関する一定の知識は保障されていると言えるでしょう。
FPに相談できること
人生でお金に関わるイベントには、結婚・出産、転職・退職、生命・医療保険への加入、そして住宅の購入などがあります。FPにはこのようなお金が関連したライフイベントの相談が可能です。
例えば、住宅の購入には住宅ローンを契約する方が多いと思いますが、金利の種類(変動型・固定型)やローンの選び方、返済の方法、期間など、専門的な知識を必要とする場面があり、どのようなプランが適しているのかは人それぞれの状況によって異なってきます。
専門的なアドバイスを受けたい方、将来に備えた資産形成をどのように行っていくのが良いか悩む方は、FPに相談する事で悩みの解決につながる可能性があると言えるでしょう。
2.FPに住宅ローンの悩みを相談するメリット
2-1.住宅ローンの基本が分かる
FPに相談することで、それぞれの金融機関の住宅ローンの特徴を教えてもらう事ができます。
住宅ローンはネット銀行やメガバンク・地方銀行、独立行政法人住宅金融支援機構など様々な金融機関が取り扱っており、金融機関によって住宅ローンの借り入れ条件や金利、審査の基準や対象となるエリアなどが異なります。例えば、地方銀行はエリアが限定されている事が多い、ネット銀行は比較的金利が低いといった特徴があります。
FPに相談することで、金利のタイプや返済方法・期間などに関する基本的な知識を教えてもらう事ができます。
2-2.自身に合った住宅ローンが分かる
FPは世帯の収支や資産の状況、人数・ライフイベント(結婚・出産・介護など)を聞いた上で住宅ローンのアドバイスを行います。
例えば「これから子供の教育費がかかる予定」という方は、金利の変動の影響を受けない固定金利型を長期で契約することで、将来の返済予定額をあらかじめ把握できるローン契約の方法が適している可能性があります。
一方で、「とにかく早めに返済したい」という方は頭金を多めに出し、返済当初は返済額が多く年月とともに元金が減少し利息額も少なくなる「元金均等返済」を選ぶ、もしくは臨時収入があった時に繰り上げ返済を行うという方法で早めに返済ができます。
FPに希望する事で 自身に合った複数の住宅ローンを提示してもらい、返済方法や金利タイプのそれぞれのメリット・デメリットを説明してもらうことができます。
2-3.収支シミュレーションを行ってもらえる
現在の世帯の収支や将来かかる予定のお金を説明しFPに収支シミュレーションの作成を希望すると、住宅ローンの返済シミュレーションを作ってもらうことができます。
収支シミュレーションを把握する事で、ローンを何年で返済できるか、繰り上げ返済は可能か、家計を見直しの必要性など将来の見通しが把握できます。
予期せぬライフイベント(病気・離婚・介護)や事故などの可能性もありますのでシミュレーション通りに進むとは限りませんが、将来の予測を立てておくことでお金に関する不安を解消できることがあります。
3.FPに住宅ローンの悩みを相談するデメリット・注意点
FPに相談するデメリットは相談料がかかることです。相談料はFP事務所によって異なりますが、1時間当たりの相談料の目安としては5,000~20,000円程度の費用となります。
加えて収支シミュレーションや提案書には別途費用がかかるケースがあります。トータルで2~4万円程度となりますが、料金が気になる方は無料相談を活用してみるという方法もあります。
なお、FPへ無料相談をする方法にも注意点があります。無料相談を請け負うFPは金融商品の販売事業者と提携し、紹介料を得ているケースが大半となります。信頼性の低いFPの場合、相談者の都合や状況を加味しない提案をされてしまう可能性もあるため、FPの信頼性についても慎重に検証することが大切です。
その他、FPに相談する際の注意点としては、それぞれFPには得意分野があり住宅ローンや不動産だけではなく年金・相続に詳しいFPも存在します。得意とする領域が異なる可能性もあるため、相談時には住宅ローンに強く、実績が豊富なFPを選びましょう。
4.FPへ無料相談する方法
FP事務所によっては初回面談については無料に設定しているケースがあります。まずはそのような事務所へ相談してみるなども一つの方法です。ただし、こちらの方法では初回のみの無料相談となるため、本格的なアドバイスを受けるには相談料を支払う必要があります。
また、自身で依頼するFPを探す場合は、できるだけ複数のFPを比較されてみると良いでしょう。先に述べたように、FPによって得意とする領域が異なることや、悪質な信頼性の低いFPだと相談者の利益を考慮しない金融商品を紹介されてしまうことがあるためです。
その他、審査によって無料相談できるFPを厳選しているウェブサービスを利用するという方法もあります。FPへ無料相談できるウェブサービスとしては、下記の「保険チャンネル」が便利です。
「FP相談」保険チャンネル
保険チャンネルは、株式会社リクルートが提供する専門知識を持ったファイナンシャルプランナーへ無料相談ができるウェブサービスです。
頭金として備える額や住宅ローンと並走して発生する費用といった、いつまでにいくら必要かというスケジュール感も具体的に知ることができ、今後の将来設計も踏まえたライフプランの相談も可能となっています。リクルートグループが提携するFPのみが登録されているため、無理な勧誘やしつこい営業が行われないという点も特徴的です。
まとめ
FPが持つ知識や相談できること、住宅ローンを相談するメリット・デメリットや注意点、無料相談の方法をお伝えしてきました。
住宅ローンはメガバンク・ネット銀行など金融機関によって特徴があり、返済方法や金利タイプなど世帯の家計や資産状況にあったものを選ぶ必要があります。このような専門的な知識を必要とする場面では、FPに相談することで、自身にあった住宅ローンを提案してもらえたり、収支シミュレーションを行ってもらうことができます。
FPへの相談には5,000~20,000円程度の相談料が発生しますが、無料相談のサービスを利用することも可能です。ただし、無料相談を行う際は信頼できるFPかどうか、自身でも慎重に検討されてみると良いでしょう。
田中 あさみ
最新記事 by 田中 あさみ (全て見る)
- 空き家相続で相続人がいない時の対処法は?5つのケースごとに解説 - 2024年8月17日
- 親の山林や農地は相続するべき?メリット・デメリットを検証 - 2024年5月27日
- 法人名義の不動産を相続する方法は?建物と土地の名義が分かれているケースも - 2024年5月24日
- 相続不動産の査定方法は?遺産分割の手順や流れ、査定のタイミングも - 2024年4月22日
- 離婚後に不動産査定でもめないためには?査定方法を2つ紹介 - 2024年4月22日