住宅ローンが払えない時にするべきことは?5つの対策と手順、コロナ特例も

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住宅ローンが支払えなくなってしまった時は、金融機関に相談する、リースバックを行うなど早めの行動が重要となります。

ローンを滞納してしまった場合、最終的には家が競売にかけられてしまう可能性もあります。ローンの借り換え、任意売却といった5つの対策と手順を知り、早めに行動できるよう心がけましょう。

本記事では住宅ローンを支払えなくなった時の5つの対策と手順、注意点を解説していきます。

目次

  1. 住宅ローンが支払えない時には早めに対応する
  2. 住宅ローンが支払えない時の5つの対策・手順
    2-1.金融機関に相談する(リスケジュール)
    2-2.住宅ローンを借り換える
    2-3.住宅ローン残債と売却予想価格を比較
    2-4.家を売却して住宅ローンを完済する
    2-5.リースバックを行う
  3. 住宅ローンが支払えない時は家計を見直す
  4. 新型コロナウイルス感染症の影響における特例措置
  5. まとめ

1.住宅ローンが支払えない時には早めに対応する

住宅ローンが支払えなくなった際には、選択肢の多い段階で早めの対策が重要になります。できれば滞納する前に行動を起こしましょう。

ローンを組んでいる家には金融機関が家を差し押さえる権利(抵当権)を設定しており、返済が滞った時には1ヶ月目に催告状・督促状が送付されます。

督促を受けても支払いが完了しない場合、返済を行う対象が金融機関から保証会社に代わり、分割返済の権利を失い一括返済を請求されてしまいます。このような状況を避けるためにも、ローンの滞納が起きそうな場合には早めの対策が重要となります。

なお、一括返済が行われなかった時には、保証会社が家を競売にかけることで債務を回収するシステムになっています。競売にかけられると住む場所がなくなってしまう上に、売却価格が安くなることでローンの残債を完済できる難易度が上がり、競売後も債務の返済が続く事態となります。

ローンを組んでいる金融機関にすぐ相談する事により返済計画を見直して貰える可能性があります。また、早めに売却を決断することでより高い価格での不動産売却ができる可能性があります。

2.住宅ローンが支払えない時の5つの対策・手順

住宅ローンを支払えなくなった時には、主に以下の5つの対処法があります。それぞれ詳しく見て行きましょう。

2-1.金融機関に相談する(リスケジュール)

現在ローンを契約している金融機関に、返済方法の変更を相談してみましょう。

例えば、住宅金融支援機構では、契約者から相談があった時に審査を行い、審査結果に応じて下記のような対応を行っています。

  • 返済期間を延長する
  • 一定期間元金の支払いを休止し、利息のみを支払う事で返済額を減らす
  • ボーナス返済の解除

※住宅金融支援機構「月々の返済でお困りになったとき」を参照

金融機関にローンの返済条件を変更して貰う事を「リスケジュール」と言います。

返済方法を変更する際には手数料がかかりますが、金融機関や手続きによっては無料で行えるケースもあります。ただし、必ずしも希望通りに返済を変更できるとは限らないため、変更できない場合には別の対処法を検討しましょう。

2-2.住宅ローンを借り換える

現在ローンを契約している金融機関とは別の金融機関でローンを借り換える対処法です。

金利が高い時期に固定金利でローンを組んだ場合や返済金額が数千万円と多めに残っている、残りの返済期間が10年超で長いケースでは借り換えることで返済額を減らせる可能性があります。

借り換えは基本的に2ヶ月以上滞納した際には審査が通らない可能性が高くなりますので、早めに行動しましょう。

借り換えの際には手数料が必要となります。手数料を含めたローン返済のシミュレーションを行い、借り換えてもなお返済が厳しいと想定される場合には他の方法を考えましょう。

借り換え可能なローンを調べる方法として、「モゲチェック」というオンライン借り換えサービスがあります。モゲチェックでは、居住用の住宅ローンの借り換え手数料は無料(※離婚が関わる案件など一部を除く)となっており、オンラインで申し込みができることから、金利負担の削減が出来ないかどうか手軽に調べることが可能です。

2-3.住宅ローン残債と売却予想価格を比較

家の資産価値を見極めるために、ローンの残債と家の売却予想価格を比較してみましょう。

ローンの残債は年に1回送付される残高証明書で確認できますが、残高が変わっている可能性があるため、正確な金額を知りたい方は金融機関の窓口で尋ねてみましょう。

物件の売却予想価格は不動産会社に査定を依頼する事で把握できます。不動産一括査定サイトなどで、複数の不動産会社へ査定を申し込んだ後、数社に絞り訪問査定を行ってもらいましょう。

主な不動産一括査定サイト

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【関連記事】不動産査定会社・不動産売却サービスのまとめ・一覧

なお、売却予想価格(査定額)とローン残債を比較し、売却予想価格が上回った場合(アンダーローン)では資産価値がプラスの状態で、ローン残債が上回った時(オーバーローン)では資産価値がマイナスの状態となります。

オーバーローンである場合には、抵当権の解除のために残債の一括返済を行う必要があります。住宅ローンの滞納が起きている状況では一括返済が難しいため、任意売却を検討することになります。

【関連記事】ローンが残っている家は売却できる?売却の手順、オーバーローンの対策も

2-4.家を売却して住宅ローンを完済する

ローン返済が困難であり借り換えや返済条件の変更も難しい場合には、住宅を売却し月々の負担を減らすという選択肢もあります。

売却したい場合には不動産会社に仲介を依頼しましょう。上述した不動産一括査定サイトで査定を行ってもらった不動産会社へ仲介を依頼することが可能です。

なお、オーバーローンで売却を行う場合、「任意売却」という売却方法を検討することになります。任意売却とは金融機関に抵当権を外してもらい、売却の可否や売却価格に許可を得た上で不動産会社の仲介により売却する仕組みです。

任意売却では売却価格は仲介売却と変わらず、売却後に残ったローンを無理のない返済計画に変更して貰える可能性があります。ただし、任意売却には金融機関の許諾が必要なため、債務状況によっては選択できない可能性もあります。

【関連記事】不動産の任意売却とは?メリット・デメリットや売却手順を解説

2-5.リースバックを行う

リースバックとは自宅を一旦所定の業者に売却した後、業者と賃貸借契約を結び賃貸住宅として住み続ける方法です。不動産会社の他に一般社団法人といった利益を求めない団体でもリースバックを取り扱っています。

リースバックは家に住み続けられるというメリットがありますが、業者によってはオーバーローンの住宅は不可といった一定の条件を満たす必要があったり、賃貸期間が決められているケースがあります。

その他、業者買取になるため、仲介で売却する場合と比較して「売却価格が安くなってしまう」「周辺の賃料相場よりも高くなる傾向がある」という点もデメリットです。住宅にこだわる必要がなく、売却を優先して考えている場合には通常の仲介売却・任意売却の方にメリットがあります。

【関連記事】リースバック契約で不動産を売却するメリット・デメリットは?注意点も

3.住宅ローンが支払えない時は家計を見直す

ローンの返済ができない時には、多くの場合収入と支出のバランスが崩れていますので家計の見直しを行いましょう。

支出は固定費を削減することで無理なく出費を減らせる可能性があります。電気代が高い家庭では電力会社を変える、スマートフォンの料金プランを見直すなどの方法で家計を見直してみましょう。

ローンの借り換えやリースバックなど対処ができた時でも、収支を見直し今後の家計についてシミュレーションを行うことは重要となります。定期的に家計の収支シミュレーションを行うことが大切です。

4.新型コロナウイルス感染症の影響における特例措置

新型コロナウイルス感染症の影響により世帯収入が減少し住宅ローンの返済が困難になった場合、住宅金融支援機構では返済期間の延長や返済額を軽減するなどの特例措置を取っています。

金融庁では「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」の特則を設け、住宅ローンを始めカードローンなどの債務を抱える方が、一定の要件を満たした場合債務の免除・減額の申し出を行う事が出来ます。

まとめ

一般的に住宅ローンを契約する際には、金融機関と共に返済シミュレーションを行いますが、転職や失職などによる収入減、世帯人数の変化などやむを得ない出来事でローンが支払えなくなってしまうケースがあります。

ローンが支払えない時は早めの行動を心がけましょう。また新型コロナ感染症の影響でローンが支払えなくなった方は、特例措置の適用可否を調べてみましょう。

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田中 あさみ

経済学部在学中に2級FP技能士(AFP)の資格を取得。ライターとして不動産投資を含む投資や年金・保険・税金等の記事を執筆しています。医療系の勤務経験がありますので、医療×金融・投資も強みです。HEDGE GUIDEでは不動産投資を始め、投資分野等を分かりやすくお伝えできるよう日々努めてまいります。