少額不動産投資を始める手順は?1万円・30万円・100万円の予算ごとに解説

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不動産投資には興味があるものの、「いくらの資金が必要になるのか不安」という方も多いのではないでしょうか。

現在では、1万円など少額の自己資金で不動産投資ができる手法も数多くあり、ローンを活用することで手元資金の少ない方でも不動産投資を始めることも可能となっています。

そこで今回のコラムでは、少額で不動産投資を始める手順について、1万円、30万円、100万円の予算ごとに解説していきます。

※本記事は、投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 少額で始めることができる不動産投資
    1-1.不動産クラウドファンディング
    1-2.REIT(不動産投資信託)
    1-3.区分ワンルームマンション投資
  2. 少額不動産投資を始める手順(1万円・30万円・100万円)
    2-1.予算が1万円のケース
    2-2.予算が30万円のケース
    2-3.予算が100万円のケース
  3. まとめ

1 少額で始めることができる不動産投資

少額の自己資金で始められる不動産投資には、不動産の実物を所有する方法を含めて下記のような手法が考えられます。

  • 不動産クラウドファンディング
  • REIT(不動産投資信託)
  • 不動産小口化商品
  • 区分ワンルームマンション投資

次の項目からそれぞれの特徴について見ていきましょう。

1-1 不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングとは、事業者が集めた資金をもとに不動産を取得し、運営することによって得られた利益を出資者に分配する仕組みです。運用期間は3ヶ月~2年程度と短く、少額資金で始めることができるため、低リスクで始めやすい不動産投資の方法となっています。

ただし、1つの案件に対して長期にわたって運用できないことや、不動産投資ローンを活用できない点などは、実物不動産投資と比較してデメリットとも言えます。

最低投資金額は10,000円からが多く、年間の利回り目安は4〜7%前後が相場ですが、キャピタルゲイン型の短期案件などでは20%を超えるものもあります。

1-2 REIT(不動産投資信託)

REIT(リート)は、投資法人が証券会社を通じて集めた資金で不動産を取得し、運用で得られた利益を分配する投資商品です。株式などと同様に証券化されるため、不動産投資信託とも言われます。またタイミングに応じて売買することができるため、流動性が高いのも特徴です。

仕組みは不動産投資型クラウドファンディングと似ていますが、上場しているため売買の基準価額が変動するという点に違いがあります。株式と同様に、銘柄(投資法人)を選ぶことはできますが、投資する物件を選ぶことはできません。

取引の状況は「不動産投信情報ポータル」で確認することができ、2022年7月13日時点の平均分配金利回りは3.68%となっています。また最も低い利回りと高い利回りの投資法人は、下記のようになっています。

証券コード 投資法人 分配利回り
8963 インヴィンシブル投資法人 0.42%
3488 ザイマックス・リート投資法人 5.44%

※2022年7月14日調査時点

このように分配利回りには幅があることに加え、上下動もあるためこまめな確認が必要です。

また、取得に必要な投資口価格についても銘柄によって差が出てきます。2022年7月14日時点、最も高い銘柄と低い銘柄は以下の通りです。

証券コード 投資法人 投資口価格
8963 インヴィンシブル投資法人 36,750円
8976 大和証券オフィス投資法人 715,000円

※2022年7月14日調査時点

購入できる金額にも幅があるため、予算に応じて投資できることも特徴です。

1-3 区分ワンルームマンション投資

賃貸用物件は数千万円から数億円など高額となりますが、不動産投資ローンを活用することで100万円前後の自己資金で始められる物件もあります。

例えば、投資用ワンルームマンションなどは、100万円〜300万円程度の自己資金で物件を取得することができ、投資家の属性によってはフルローンでの取得も可能です。

自己所有になるためオーナー自身が好きなように運営をしていくことができ、不動産に関連した様々な税制度を活用できるというメリットがあります。

一方、自己所有になるため投資判断を行うための不動産知識やトラブルに対応するための資金計画が必要になるなど、上述したクラウドファンディングやREITなどと比較してやや難易度が高いという点はデメリットとなってきます。

実物不動産投資を検討する場合は、入居者の募集や管理を行ってくれる不動産投資会社の協力が重要なポイント言えるでしょう。

2 少額不動産投資を始める手順(1万円・30万円・100万円)

これまで少額不動産投資の種類を紹介しましたが、この項目では1万円、30万円、100万円の予算別に、不動産投資を始める手順を解説していきます。

2-1 予算が1万円のケース

予算が1万円の場合、これまで紹介してきた中では不動産クラウドファンディングで始めることができます。不動産クラウドファンディングは、事業者が募集期間と募集金額を設定し、一定以上の投資資金が集まるとファンドが成立します。

案件は事業者がインターネットを通じて募集を開始するため、詳細を確認し、応募するファンドを決めることからスタートします。

  1. 事業者を選択する(①と②は順番が反対のこともある)
  2. 案件を選択する(⑥のあとに選択することもある)
  3. 投資家登録をする
  4. 口座を開設し、投資資金を入金する
  5. 投資したい案件に申し込む
  6. 案件が成立し、運用が開始される
  7. 指定期日に分配金が入金される

事業者や案件を選ぶ場合は、運用実績や物件数の多さ、情報開示に対する姿勢などを確認することが大切です。最低投資金額は1万円の事業者が多くなっていますが、10万円などのケースもあります。予算額に見合う案件に投資するようにしましょう。

なお、人気のファンドは募集開始から抽選や先着順になることも多く、狙ったファンドに投資が出来ないケースも多く見られています。複数のプラットフォームに登録しておき、投資機会を逃さないように準備しておくと良いでしょう。

【関連記事】不動産投資型クラウドファンディングを選ぶポイントは?注目の8社を紹介

2-2 予算が30万円のケース

予算が30万円であれば、前述した不動産クラウドファンディングに加えて、J-REITでも投資を始めることができます。J-REITは証券会社を通じて証券を購入するため、証券会社を選ぶことから始めます。

  1. 証券会社を選ぶ
  2. 証券口座を開く
  3. 証券口座に投資資金を入れる
  4. 銘柄を選んで購入する

証券の売買になるため、基本的に手数料が発生します。証券会社を選ぶ際には、手数料の金額やサポート体制、対面方式かネット証券かなどが判断材料になります。その他、普段利用している銀行口座との連携を考慮しつつ、選んでみると良いでしょう。

例えば、三井住友銀行と連携できる「SMBC日興証券」や、住信SBIネット銀行と連携できる「SBI証券」などのネット証券であれば、PCやスマホから簡単に取引を行うことができるうえ、取引手数料も割安になっています。下記の記事でネット銀行と連携できるネット証券会社5社をまとめていますので、まだ口座を開設されていない方は併せてご参考下さい。

【関連記事】ネット証券とネット銀行を連携するメリットは?ネット証券会社5社を比較

銘柄(投資法人)は前述したように3万円台からあるので、予算額に合わせて銘柄を購入するといいでしょう。

購入後は、投資法人が適切に運営し利益が出ていれば、指定期間に応じて分配金が振り込まれます。また、銘柄を売却するときは、購入時の価格から変動していることがあります。この場合、価格が上昇していれば売却益が得られ、価格が下落していれば売却損となる点に注意しておきましょう。

なお、予算を全て同一の銘柄に投資するのではなく、リスクとリターンのバランスを取りながら複数の銘柄に分散しておくのも有効な投資方法となります。場合によっては不動産以外の銘柄も考慮しながら、ポートフォリオを作成すると良いでしょう。

【関連記事】自分に合った投資のポートフォリオを作成するポイントは?金融のプロが解説

2-3 予算が100万円のケース

金融機関からの融資を受けることができれば、融資額に応じたワンルームマンションなどの賃貸用不動産を購入することができます。始める手順は下記のようになります。

  1. 予算額に合わせた物件を探す
  2. 不動産会社に問い合わせる
  3. 売主に対して買付申込書を提出する
  4. 交渉が成立したら、売買契約を締結する
  5. 物件の引き渡しと決済が行われる
  6. 運営を始める

金融機関から融資を得る場合は、①の前に融資に関する事前申し込みをしておくか、④で交渉が成立した段階で金融機関に申し込みをする流れになります。

また、管理を管理会社に委託する場合は、物件の引き渡しが行われる前に管理会社を選択しておきます。その後、物件が引き渡されると、不動産投資を始めることができます。

これから不動産投資を始める方であれば、まずは不動産投資セミナーなどで情報収集をしつつ、各社の物件を比較されてみるのも一つの方法です。セミナーでは投資シミュレーションや不動産投資のリスクやデメリットなども解説してくれるため、「まだ不動産投資を始めるか迷っている」という方でも利用しやすい点がメリットとなります。

一方、注意点としては各社の扱う物件タイプがそれぞれ異なっており、自身の投資目的と合致しない可能性があるという点です。できるだけ複数社のセミナーを受け、それぞれの内容を比較されてみると良いでしょう。

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まとめ

不動産投資は、多額の自己資金が必要と思っている方も多くいらっしゃますが、投資商品によっては1万円などの少額からでも始めることができます。自己資金を貯めるために、今回紹介した少額の不動産投資商品で資金を運用していくのも良いでしょう。

ただし、それぞれの投資商品は元本保証がないなどのリスクもあります。投資商品ごとに特徴がありますので、それらを理解した上で始めるようにしましょう。各事業者ではセミナーを開催していることもありますので、まずは情報収集を行い、慎重に判断していくことも大切なポイントです。

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倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。