人気のレバレッジ・インバースETFは?手数料や成績を比較【2022年7月】

市場のトレンドに乗れば大きな収益を狙えるレバレッジ型と、価格下落局面に収益を狙えるインバース型ETF。双方ともピンポイントにうまく活用すると、効率よく収益を得ることができます。

レバレッジ、インバース型ETFについて、なんとなくハイリスク・ハイリターンなイメージを持ちつつも、詳しい概要を知らない人も多いのではないでしょうか。収益を狙えると言われても、運用スタイルが把握できないと思い切って投資するのも難しいでしょう。

当記事では、レバレッジ・インバース型ETFの基本的な概要から、上手な活用方法まで、網羅的に紹介しています。これからレバレッジ・インバース型のファンドにも投資してみたいと考える人はご確認ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※信託報酬など、課税対象となる数値はすべて税込表示としています。

目次

  1. 純資産総額から見る人気のレバレッジ・インバースETF
  2. レバレッジ・インバース型のETFとは?
    2-1.上昇局面で利益を狙うレバレッジと下落局面で利益を狙うインバース
    2-2.長期保有との相性の悪さ
  3. レバレッジ・インバース型ETF運用の仕組み
    3-1.先物取引を使って運用される
    3-2.日々の運用は設定、解約、リバランスの3つ
  4. レバレッジ・インバース型ETFの上手な活用方法
    4-1.トレンドに合わせたピンポイント投資
    4-2.下落相場のリスクヘッジとして運用
  5. まとめ

1.純資産総額から見る人気のレバレッジ・インバースETF

東京証券取引所が運営するWEBサイトの「東証マネ部!」より、純資産総額順にファンドをピックアップしました。数値は2022年7月8日時点の情報です。

銘柄名 種類 指数 純資産総額(億円) 最低買付金額 信託報酬
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 レバレッジ 日経平均 4,235.10 13,235円 0.88%
NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 インバース 日経平均 1,485.80 406円 0.88%
日経平均ベア2倍上場投信 インバース 日経平均 372.3 9,893円 0.83%
楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型 インバース 日経平均 283.7 1,626円 0.39%
日経平均ブル2倍上場投信 インバース 日経平均 276.5 141,550円 0.83%

レバレッジ・インバース型ETFが対象とする指数は、いくつかの種類が用意されていますが、盛んに取引されているのは日経平均、続いてTOPIXとなっています。

いろいろな運用会社がファンドを運営していますが、野村アセットマネジメントが運用するNEXT FUNDSシリーズが特に注目を受けています。

基本的な運用スタイルは、各ファンドとも変わらず、先物取引を活用しています。

2.レバレッジ・インバース型のETFとは?

レバレッジ・インバース型ETFは短期かつピンポイントな収益を狙う時や、価格下落時のリスクヘッジとして活用できます。短期運用に強い一方で、長期保有には向かない一面も。レバレッジ・インバース型ETFの一覧とともに詳細を解説します。

2-1.上昇局面で利益を狙うレバレッジと下落局面で利益を狙うインバース

レバレッジという言葉は「てこの力」という意味で、投資の世界では少ない元手で倍の価格を取引することを指していいます。

レバレッジ型ETFが目指す運用成果は、ベンチマーク指数の騰落率にプラス◯倍となるように運用します。例えばダブルレバレッジ型であれば、ベンチマークよりも騰落率が2倍となり、収益も2倍に。上昇トレンドにのれば、場合によっては大きな収益を狙うことも可能です。

インバースは逆に、「反対の」という意味です。インバース型ETFはベンチマーク指数の騰落率がマイナスになっても、日々の騰落率のマイナス◯倍と計算され、収益を得られます。中にはマイナス2倍のインバース型ETFもあり、下落している騰落率にマイナス2倍の掛け算をすることで大きな収益を狙うことが可能になります。

常に両建て(反対のポジションそれぞれ)で保有しておいて相殺状態にしておき、トレンドが来たらどちらかを売却すると良いのでは?という考え方もあります。しかし、どちらのETFも長期保有には不向きなので、両建ての戦略は取りにくくなっています。

また、収益が2倍になると同時に、損失も2倍になるため、リスクの大きさは把握しておかなければいけません。

2-2.長期保有との相性の悪さ

レバレッジ・インバース型ETFは、長期保有には不向きです。長期保有によって起こることを説明します。

長期保有で価格乖離が起きる

レバレッジ・インバース型ETFを長期保有すると価格乖離が発生して、想定されるパフォーマンスとも乖離が発生します。

レバレッジ型ETFは騰落率に対して2倍を掛けるため、価格の上下を繰り返していると、投資元本が目減りする性質を持っているのです。

価格乖離は、もみ合い相場で起きる現象です。長く保有していると知らない間に投資元本が減っていた、ということが考えられます。

レバレッジ効果によって原資産よりも価格が低くなる可能性

レバレッジ・インバース型ETFは価格が下落した後、反動で上昇した時に下落分の値幅を取り返せない特徴があります。したがって、2008年のリーマンショックや、最近のコロナウイルスによる下落相場に巻き込まれると、元の価格に戻るまでに時間がかかります。

何が起きるか分からない未来の相場への対策は、リスクヘッジが最も重要です。リスクヘッジの観点で見ると、レバレッジ・インバース型のETFは相性が悪いのです。

3.レバレッジ・インバース型ETF運用の仕組み

レバレッジ・インバース型ETFは先物取引を活用して、通常のETFとは違う値動きを実現します。保有を検討するにあたって、具体的な運用の仕組みを確認しておきましょう。

3-1.先物取引を使って運用される

先物取引では、証拠金を元に差益や差損のみを取引します。したがって、元手の数倍の価格で取引出来る仕組みが成立します。レバレッジ・インバース型ETFの売買の仕組みは以下のとおりです。

  • レバレッジ型ETFは、原資産の2倍の買いポジションを建てる
  • インバース型ETFは、原資産相当額の売りポジションを建てる

以上の方法によって、2倍の値動きを実現し、価格下落時でも収益を出すことができる仕組みを構築しています。建玉の調整次第で倍率を変更することも可能です。

3-2.日々の運用は設定、解約、リバランスの3つ

レバレッジ・インバース型ETFの運用では、設定や解約によって大きな資産を動かしています。レバレッジETFに10億円の設定があれば、あらたに2倍の20億を買い建て、10億の解約があれば20億の建玉を売却します。

設定とは、指定参加者である証券会社からの買いのことを指し、解約は売却です。レバレッジ・インバース型ETFは、先物市場の流動性に大きく貢献しています。

リバランス取引は、市場が上昇すると建玉を買い足し、市場が下落すると株式を売却する取引です。先物取引の価格とレバレッジ2倍の価格を合わせるための微調整を、細かく行なっているのです。

4.レバレッジ・インバース型ETFの上手な活用方法

レバレッジ・インバース型ETFの効果的な活用方法は、短期の取引に徹することです。以下に詳細を説明します。

4-1.トレンドに合わせたピンポイント投資

レバレッジ・インバース型ETFへの投資は、上昇、下落トレンドを察知して、いち早く投資し、引き際を見極めてすぐに売却する運用が基本です。

FXなどの取引ルール決めと同じく、投資に参加する際の騰落率の閾値をプラスとマイナス側で設定しておくと良いでしょう。数値を超えたら投資をスタートする、という自分なりのルールを決めて機械的に運用することが望ましいと言えます。

投資の参加と終了を判断するためのルール作成には、ある程度の投資経験が必要となります。

4-2.下落相場のリスクヘッジとして運用

インバース型ETFは、下落相場でも収益を狙うことができます。したがって、ポートフォリオのリスクヘッジとしての運用も可能です。

前述のとおり、常に保有していると知らない間に資産が目減りしてしまうため、下落相場を見極めたピンポイント投資を行います。レバレッジ型ETFと同様に、投資への参加と離脱を決めるルールの作成が必要です。

リスクヘッジとしてインバース型ETFをうまく活用できると心強いものですが、運用するタイミングの見極めは難しいと言えます。

まとめ

レバレッジ・インバース型ETFは、うまくトレンドに乗ると大きな収益が狙えます。下落相場でも収益が出せるので、常に両建てしておいて、トレンドの機会を伺う運用スタイルが最適にも思えます。しかし、レバレッジ・インバース型ETFは、長期保有に向いていません。長い間保有していると、資産が目減りするため注意が必要です。

レバレッジ・インバース型ETFは、投資の参加、離脱の見極めが難しいため、運用にはある程度の投資経験が要求されます。ハイリターンなメリットはありますが、デメリットもよく把握した上で、購入を検討しましょう。

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sayran

sayran

「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。