物件の運営に加え、納税、資産形成、トラブル時の対応など、不動産投資をする上での悩み事や不安は少なくありません。このような状況に備え、悩みの要因に適した相談できる相手を見つけておくと、すぐに適切なアドバイスをもらうことができ、悩み事や不安を解消することに繋がります。
そこで今回は、不動産投資に役立つ相談先をクローズアップし、相談事や注意点について紹介します。不動産投資に関連した悩みを持っている方、相談先に迷っていた方はご参考ください。
目次
- 不動産投資の相談ができる4つの相談先
1-1.不動産投資会社
1-2.不動産投資経験者
1-3.不動産投資に強い税理士
1-4.ファイナンシャルプランナー - 不動産投資初心者の始め方・手順・流れ
- まとめ
1 不動産投資の相談ができる4つの相談先
不動産投資をする上で必要な知識は専門的で幅広く、自分ひとりで対応することができないものもあります。そこで相談できる専門家を見つけておきましょう。
代表的な相談先としては、下記の4つが考えられます。
- 不動産投資会社:不動産投資に関する知識、管理、戦略についてなど
- 不動産投資経験者:不動産投資の実体験や意見が聞ける
- 税理士:納税や確定申告、経理などについて
- ファイナンシャルプランナー:資金繰りや資産形成、収支バランスなどお金に関わることの相談
1-1 不動産投資会社
不動産投資に関する幅広い知識を持つのが不動産投資会社です。物件探しから、契約、管理、さらに売却にまで携わってくれる会社もあり、さまざまな相談に乗ってくれることが期待できます。
不動産投資会社に相談できること
不動産投資を始める前、そして物件の経営に関してもさまざまな相談に乗ってくれます。不動産投資に関わるあらゆる事柄がサポートの対象になりますので、相談する回数も多くなるでしょう。具体的には下記のような相談ができます。
- 希望に合う物件を見つけて欲しい
- 物件を実際に見てみたい
- 価格交渉をしたい
- 家賃はこのままで大丈夫か
- 空室を埋めるアイデアが欲しい
- 物件の売却をするか悩んでいる
ただし、不動産投資会社によってサポートしてくれる内容は異なります。不動産の販売から管理までワンストップで行う会社がある一方で、販売・管理・売却と、特定の分野に特化した不動産会社もあります。依頼したい内容に沿ったサポートが受けられるか、相談前に確認しておくと良いでしょう。
不動産投資会社に相談する上での注意点
不動産投資会社にとって利益に関わることもあるので、すべてのことに正直に答えていない場合もあります。例えば、投資前のシミュレーションで空室リスクや家賃下落リスクを甘く見積もっているケースなどがあります。その他、売却面でも仲介手数料を多く手にするために、「囲い込み」と呼ばれる手法を行う会社もあります。
信頼できる不動産投資会社を見つけるには、運用方法について任せっきりにするのではなく、随所で確認を入れるなどの対応が必要になります。例えば、複数の不動産投資会社へ同時に相談することにより、1社からの提案に疑問や不安が出てきた際は他の不動産投資会社へ質問を行い、真偽を確かめるなどの方法があります。
不動産投資はパートナーとなる不動産投資会社とも利害関係が生まれるため、それぞれの不動産投資会社の特徴や対応内容について比較していくことが重要です。
1-2 不動産投資経験者
投資家目線での話をしてくれる不動産投資経験者が身近にいると、困ったときなどに相談できます。不動産投資会社では利益が絡むこともあり、本音が聞き出せないこともありますが、不動産投資の先輩として率直な意見を聞くことができます。
不動産投資経験者に相談できること
実体験をベースにした回答が得られ、個別具体的な内容に関して参考にしやすい意見を聞くことができます。代表的な相談事は下記のようなことです。
- この地域は不動産投資に向いているか教えて欲しい
- この不動産投資会社の評判を教えて欲しい
- 管理会社はどのように選んだらいいか
- ローンを借りるならどの金融機関がいいか
不動産投資経験者に相談する上での注意点
不動産投資経験者といっても、経験している内容や投資に対するスタンスもそれぞれ異なり、相談によって得られる回答にも個人差が大きいと言えます。また、投資のタイミングが異なることから現在では再現性の低い投資方法である可能性や、特定の不動産会社と連携して物件を紹介するなど信頼性の低い方である可能性があるという点に十分な注意が必要です。
いずれの場合も、投資判断を委ねるのではなく、その知識を参考にして自分なりに判断するようにしましょう。
【関連記事】不動産投資の初心者は何に気をつけるべき?始め方・物件購入の流れも
1-3 不動産投資に強い税理士
不動産投資における税金は、所得税および消費税、相続税、固定資産税、都市計画税などがあります。特にサラリーマンであれば税金は源泉徴収されるため、納税あるいは確定申告(記帳を含む)などの知識も疎いことがあります。そのため税理士に相談できれば、その都度適切なアドバイスをもらうことも期待できます。
税理士に相談できること
不動産投資をしていく上で、税金についての知識は不可欠です。ただし、構造や計算が複雑で理解が難しい場合もありますので、専門家である税理士のアドバイスが得られると、確定申告や納税がスムーズに進められます。
相談できる内容は主に下記のようなことになります。
- 不動産投資にはどのような税金がかかるのか
- 記帳の仕方を教えて欲しい
- 確定申告はどの方法がいいか
- 物件を増やすと税金がどのようにかかるのか
税理士に相談する上での注意点
税理士へは確定申告を代行依頼することもできます。その場合、経理上の手間や手続きの負担を減らすことができ、不動産投資の運営に集中できることにもなります。ただし、税理士を見つける際には費用の確認を怠らないようにしましょう。安い費用を提示されても、アドバイスや確定申告は別料金といったこともあります。
また、税理士によって得意とする事業分野も異なるため、不動産に強い税理士への依頼を検討しておくことも大切です。税理士への相談をする際は、複数の税理士を比較し、自身の依頼内容にあった税理士を探してみましょう。
例えば、「税理士紹介エージェント」は、インターネットを活用した税理士紹介サービスです。エージェントに希望条件を伝えることでニーズマッチした税理士を探してもらうことができ、税理士の選定や面談の設定などもエージェントに任せることが可能です。このようなサービスの利用も検討してみると良いでしょう。
【関連記事】不動産投資、税理士への依頼は必要?投資家が注意したい税務リスクを解説
1-4 ファイナンシャルプランナー
不動産投資に関わらずお金に関する豊富な専門知識を持っているのがファイナンシャルプランナーです。投資に関するリスクについても詳しく、投資をするべきか否か迷っている場合などにも相談することができます。
ファイナンシャルプランナーに相談できること
ファイナンシャルプランナーは不動産だけでなく、資産形成を行う上で様々な投資対象の中からどのように資産を分配していくべきか、という全般的なことに対して相談することが可能です。
ただし、不動産投資に特化している訳ではないため、不動産に関する専門的な相談には答えてもらえない可能性もあります。具体的には下記のような悩みがあるときの相談先となります。
- 初期費用を貯めるにはどうしたら良いか
- 今後の資産形成はどうすれば良いか
- 収支のバランスは大丈夫か
- 保険はどのようなものを選ぶといいか
- 融資を得るにはどのくらいの返済額が適当か
ファイナンシャルプランナーに相談する上での注意点
ファイナンシャルプランナーは「日本FP協会」が主催する国家検定で、1級、2級、3級があります。そのため一人ひとりのファイナンシャルプランナーの知識や実務レベルには差がありますので、選ぶ際には経歴や実績を見せてもらうようにしましょう。
また、保険会社と契約していて強引に商品を勧められるケースもあります。不安を感じたら取引を中止することも検討しましょう。
その他、ファイナンシャルプランナーと同じく、投資の全般的な相談先の一つに、IFA(Independent Financial Advisor)があります。IFAとは、どこの金融機関にも所属していない独立した金融アドバイザーで、証券会社や銀行に所属する資産運用のアドバイザーと異なり、金融機関特有のノルマや利益相反がなく、より中立的な立場で金融商品の購入や運用等の相談に乗ってくれるのが特徴です。
【関連記事】IFA「Fan」の評判は?資産運用相談のメリット・デメリットやセミナー情報も
2.不動産投資初心者の始め方・手順・流れ
これから不動産投資を始める初心者の方であれば、下記のような手順で不動産投資を検討してみましょう。
- 不動産投資の目的を明確にする
- 書籍やセミナーなどから情報収集をする
- 投資計画を立てる
- 投資対象となる物件を探す
- 不動産投資ローンを組んで購入する
自身の目的によって適切な相談先や投資戦略も異なってくるため、まずは不動産投資の目的を定めることが大切です。ここでは具体的な数値目標ではなく、「将来のために資産形成がしたい」「資産分散のため実物資産を所有しておきたい」など、大まかに設定されておくと良いでしょう。
次に、自身の目的に合った投資方法にどのような不動産投資の方法が検討できるのか、実際に書籍やセミナーなどで情報収集を行います。この時、1つの情報にこだわらず複数の書籍やセミナーを通じて情報収集を行い、自身に適した手段を比較していきましょう。
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不動産投資の方法についてある程度検討がついたら、投資計画を立てていきます。準備できる自己資金やローンの与信、融資年数によって投資可能な物件も異なってきます。また、複数戸所有する場合は初めに高額な物件を購入してしまうと与信枠が足りず、数年間は新規物件を購入できなくなる可能性もあるため注意が必要です。
投資対象となる物件を見つけたら、不動産投資会社に収支シミュレーションの作成を依頼しましょう。ここでもできるだけ複数の提案内容を比較できるよう、複数社の不動産会社へ相談しておくと良いでしょう。投資対象の物件が決まり、融資の承認が下りたら、売買契約と物件引き渡しの流れになります。
まとめ
不動産投資をする上で一人では解決できない問題や悩みを抱えることも考えられます。今回は4つの相談先を紹介しましたが、そのほかにも弁護士や司法書士、信託銀行、一級建築士、住宅診断士など不動産投資を取り巻く専門家はたくさんいます。
それぞれの知識や経験を活かしたアドバイスが受けられます。必要な際には一人で悩まず、まずは相談することを検討しておくと良いでしょう。
倉岡 明広
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