アパート経営で物件の耐震性を見極めるポイントは?築年数・構造から検証

※ この記事は広告・PRになります

アパート経営では、オーナー自身が管理の意思決定を行うことになります。アパートの耐震性が低い場合、地震に対するリスクが大きくなることで様々な経営上の問題へとつながる可能性もあります。

本記事では、アパート経営で注意したい耐震性のリスク、耐震性を見極めるポイントについて解説していきます。

目次

  1. アパート経営の耐震性のリスク
    1-1.賃貸人の管理義務
    1-2.建物所有者の工作物責任
  2. アパートの耐震性を見極めるポイント
    2-1.新耐震基準かどうか(中古アパートの場合)
    2-2.法定耐用年数と経過年数との関係
    2-3.壁式構造かラーメン構造か
    2-4.地震に強い建物の形状か
    2-5.老朽化と補修・改修履歴(中古アパートの場合)
  3. 耐震性に強みがあるアパート経営会社は?
    3-1.シノケンプロデュース
    3-2.アイケンジャパン
  4. まとめ

1.アパート経営の耐震性のリスク

一棟の不動産を所有するアパート経営では、建物管理の方針についても一人のオーナーの意思で決定する必要があります。建物の老朽化や災害時の損傷などを要因として、様々な建物管理のリスクについて注意することが大切です。

アパートの耐震性が低いと、賃借人との関係における賃貸人の管理義務や、建物所有者の工作物責任の観点におけるリスクがあります。以下で、詳細をみていきましょう。

1-1.賃貸人の管理義務

アパートの賃貸人は、民法606条に基づき、賃借人に対し、賃貸建物を使用・収益に適する状態におく義務を負います。地震などの災害によってアパートが損壊した場合、賃借人が使用・収益できるように修繕する必要があります。

また、賃貸人が当然おこなうべき管理をおこなわず、そのために賃借人に事故が発生した場合、賃貸人には損害賠償義務が発生します。必要な耐震性を確保しなかったことが原因である場合も、該当する可能性が高くなるでしょう。

1-2.建物所有者の工作物責任

民法717条に基づき、アパートの所有者は工作物責任を負います。工作物責任とは、工作物の設置、保存について瑕疵(欠陥)があることによって他人に損害を与えた場合に、その工作物の所有者が被害者に対して負う、損害賠償責任のことをいいます。

所有者には過失がなくともこの責任を負うものと解されており、アパートが通常有すべき耐震性を欠いていた場合、そのアパートが地震によって倒壊して与えた損害については、アパートの所有者に損害賠償責任が発生する可能性があると考えられます。

2.アパートの耐震性を見極めるポイント

アパートの耐震性を見極めるポイントとして、次のような点が挙げられます。

  • 新耐震基準かどうか
  • 法定耐用年数と経過年数との関係
  • 壁式構造かラーメン構造か
  • 地震に強い建物の形状か
  • 老朽化と補修・改修履歴

以下で、それぞれの内容をみていきましょう。

2-1.新耐震基準かどうか(中古アパートの場合)

現行の新耐震基準は、震度5強程度の中規模地震に対して、ほとんど損傷を生じず、震度6強から震度7程度の大規模地震に対しては、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないことを目標にしています。(※参照:国土交通省「住宅・建築物の耐震化に関する現状と課題」)

新耐震基準に沿った建物であるかどうかは、耐震性判断の基準の一つになります。新耐震基準による建物とは、建築基準法が改正された1981年(昭和56年)6月以降に、建築確認申請が受理されたものをいいます。

建築確認申請とは、建物の建築前に、建築基準法の構造計算に適合しているかどうかの判定のため、各行政機関に申請する手続きです。通常、建物は建築確認の確認済証の交付を受けてから着工となります。

この建築確認済証(建築確認通知書)の交付日によって、新耐震基準による建物であるかどうかが判断できることになります。通常は、売主側が保存しているものですので、確認させてもらいましょう。

万一、紛失している場合は、地方自治体の窓口で建築確認台帳記載事項証明の発行を依頼することで確認することも可能です。

2-2.法定耐用年数と経過年数との関係

国税庁が建物の構造ごとに定める法定耐用年数と、築年数との関係も、耐震性判断の基準になります。一例として、以下のような法定耐用年数となっています。

  • 木造・合成樹脂造(店舗用・住宅用):22年
  • 木骨・モルタル造(店舗用・住宅用):20年
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造(住宅用):47年
  • れんが造・石造・ブロック造(店舗用・住宅用・飲食店用):38年
  • 金属造(店舗用・住宅用、骨格材の肉厚が4ミリ超):34年

※参照:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表

法定耐用年数は、減価償却資産の使用可能期間にわたり、その取得に要した費用を配分するために用いる年数です。必ずしも、実際に建物が使用できる経済耐用年数と一致するとは限りませんが、法定耐用年数を超過していて、適切な維持管理をしていない場合、耐震性に問題が生じている可能性があります。

建物の構造と経過年数をチェックし、それぞれ規定されている法定耐用年数と、経過年数とを比較してみるようにしましょう。

2-3.壁式構造かラーメン構造か

建物構造には、壁式構造とラーメン式構造があります。壁式構造とは、壁体や床板など平面的な構造体のみで構成する構造方式をいいます。壁パネルをつなぎ合わせて構造体を作るイメージで、工法的には簡単ですが、壁量、階高、開口部などに力学的な安全性を確保するための制限があり、全体として非常に剛な構造となり地震に対しても非常に強いとされています。

これに対して、ラーメン式構造とは、柱と梁を一体化した骨組構造をいいます。柱と梁のジョイント部分を堅固に連結するために、複雑な溶接や特殊な金物を要します。間取りの自由度は高い一方で、地震には壁式構造と比較して強くないとされています。

2-4.地震に強い建物の形状か

建物には、地震に強い形や構造というものがあります。建物を上からみて平面図で示した場合、整形な建物は欠点が少なく、地震に対して建物が強い形であることが知られています。反対に不整形な建物は地震に比較的弱い形です。

また、大きな吹き抜けがあると、地震時に建物を歪めるおそれがあり、比較的弱いと言えるでしょう。

壁の位置やバランスも耐震性に影響を及ぼします。2階外壁の直下に1階の内壁または外壁がある方が、2階の地震力がスムーズに1階に流れ、2階床面が壊れにくくなります。また、東西南北どの面にもバランスよく壁がある方が、偏っているよりも耐震性が高くなります。

2-5.老朽化と補修・改修履歴(中古アパートの場合)

屋根の棟や軒先が波打っていたり、柱や床が傾いていたり、建具の建付けが悪くなっていたりする場合、建物の老朽化が進んでいるといえます。

これらの老朽化に対して、適切な補修や改修をおこなっていない場合、建物の耐震性などの強度にも問題が生じている可能性があるといえるでしょう。このように、アパートの老朽化を外見から測り、補修や改修履歴があるかどうかを確認することで、耐震性を見極める基準の一つになるでしょう。

3.耐震性に強みがあるアパート経営会社は?

新築でアパート経営を始める際は、どのような工法で建築を行うのかも注意しておきたいポイントとなります。しかし、建築費をかけすぎてしまうことで投資資金の回収が遅れてしまったり、想定より空室が多いと元本回収ができないリスクも高まることになります。

そこで、入居率などの収益面と耐震性の両面に強みがあるアパート経営会社を2社ご紹介します。新築アパート経営を検討されている方は、ご参考ください。

3-1.シノケンプロデュース

シノケンの不動産投資セミナーシノケンプロデュースは「シノケングループ」の100%子会社で、日本で初めて新築アパート経営において独占提携ローンを利用した有利な条件での不動産購入を可能にしたローン融資に強い会社です。

また、アパート経営を開始してから全ての住戸について、初回の入居が成約になるまで家賃を100%保証する「100%初回満室保証」(※免責期間有り)や、入居者からの家賃の支払いが遅れた場合に、シノケンが最長6ヶ月で100%家賃を保証してくれるなど、初心者のアパートオーナーのための保証制度も充実しています。

シノケンのアパートの耐震性に関する取り組み・実績

  • 創業以降に自社施工したアパート約6,000棟のうち、倒壊・半壊・液状化による倒壊被害はゼロ
  • 耐震構造に制震装置をプラスすることで、地震の揺れを吸収・制御することで最大60%軽減
  • 制振装置により建物の倒壊、壁などの損傷も抑えることができる
  • 建物の復元力が高いため繰り返す余震に効果的

3-2.アイケンジャパン

株式会社アイケンジャパンアイケンジャパンは、東京と福岡の二拠点を本社とする不動産会社で、新築アパートの企画・販売、土地活用コンサルティング、不動産仲介、建築の設計や施工、管理などを行っています。入居者が入り続けるエリアや土地を厳選し、建物には入居者のターゲットである「社会人女性」がよろこぶ充実の設備を標準搭載することで、アパート経営を長く継続できるようにしています。

創業は2006年で、営業拠点は福岡、熊本、広島、岡山、大阪、名古屋、東京、仙台、大宮、札幌の全国10拠点を有しています。

アイケンジャパンのアパートの耐震性に関する取り組み・実績

  • キソゴムにより地震による建物の揺れを最大30%~50%軽減
  • 地震時の横揺れ、台風時の横からの強風などに耐えられるように、変形に抵抗するための耐力壁を多く使用
  • 建築基準法で定められている基準の約1.3倍の強度

まとめ

耐震性が低い状態のアパートを経営するのは、賃貸人の管理義務、建物所有者の工作物責任の観点から、リスクがあるといえます。

アパートの耐震性を見極めるポイントは、まずは、新耐震基準によって建築されているかどうかが重要です。旧耐震基準のアパートでは、大規模地震への備えが充分でないことがあります。

法定耐用年数と経過年数との関係も、耐震性を測る一つの目安になるでしょう。構造の観点からは、ラーメン構造よりも壁式構造の方が耐震性は高くなります。また、建物の形状や壁の配置も重要です。整形な形状であり、2階と1階の壁がつながっていて、東西南北の壁の配置がバランスの良い構造が地震に強いといえます。

これらのポイントを参考に投資先のアパートを検討されてみるのも良いでしょう。また中古アパートの購入時だけでなく、新築でアパートを建設される際も建築方法にこだわることで、地震のリスク対策となり、長期的な視点でのアパート経営に繋がります。

The following two tabs change content below.

佐藤 永一郎

筑波大学大学院修了。会計事務所、法律事務所に勤務しながら築古戸建ての不動産投資を行う。現在は、不動産投資の傍ら、不動産投資や税・法律系のライターとして活動しています。経験をベースに、分かりやすくて役に立つ記事の執筆を心がけています。