初めてのアパート経営、アパートメーカー選びの比較ポイントは?9つ解説

アパートを新築して経営を始める場合、最初の一歩はアパートの建築を担うアパートメーカー探しです。しかしアパートメーカーの数は豊富で、どう選んだらいいのか、わからない人も多いでしょう。

そこで今回のコラムでは、アパートメーカーを選ぶ際のポイントを9つ取り上げて解説しています。比較検討する際にぜひ参考にしてください。

目次

  1. アパートメーカー選びの比較ポイント
  2. 建てるアパートのデザインや構造、工法の違い
    2-1.デザイン
    2-2.構造や工法
    2-3.設備・仕様や間取り
  3. アパートの管理のアフターフォロー体制
    3-1.管理内容
    3-2.空室対策と入居率
    3-3.専用サイトや仲介店の有無
    3-4.施工会社の有無
  4. アパートメーカーの対応力や提案力
    4-1.担当者
    4-2.提案力
  5. まとめ

1 新築アパート経営における、アパートメーカー選びの重要性

アパートメーカーは数多くあり、それぞれの会社ごとに建物の建築費用や立地条件、建物管理のアフターフォロー、集客方法など、細かな部分で違いがあります。アパート経営の方針によって、これらのポイントを比較しながら、自身の投資目的に合ったメーカー選びをすることが大切です。

しかし、アパートメーカーごとにどのような違いがあるのか、どのような視点で選択すればよいのか、アパート経営の初心者の方にとってややハードルの高い部分と言えます。まずは大まかなポイントに絞って理解を深め、それぞれの違いについて知識を付けて行きましょう。

アパートメーカーを選ぶ際には主に次の3つのことに注意して選ぶことになります。

  • 建てるアパートのデザインや構造、工法の違い
  • アパートの管理のアフターフォロー体制
  • 対応力や提案力

これらの各項目をさらに細かく分けて、合わせて9つの比較ポイントについて次から解説していきます。

2 建てるアパートのデザインや構造、工法の違い

まずは、どのようなアパートを建てることができるのか、という点を比較します。アパートメーカーによって得意、不得意があります。オーナーの意向や投資計画に合わせたメーカーを選ぶようにしましょう。

2-1 デザイン

アパート経営を長く続けるためにもデザインは優先したいポイントです。それはアパートの見た目は、空室対策にもなるからです。

デザインは主観的なものですが、できるだけ入居者の視点で判断することが重要です。ただし、気に入らないデザインの場合でもアパートを長期間経営することになるため、ある程度、ご自身で納得できるデザインかどうかも比較ポイントになります。

アパートメーカーからはデザイン画やイメージパースを提出してもらうことになりますが、なぜこのデザインにしたのか、説明をしてもらいましょう。色使いにしても、周りの景色に合わせた、流行色にした、入居者ターゲットを意識した、など様々な理由があります。それらを聞いてから比較検討していきます。

2-2 構造や工法

構造や工法を細かく分けると、下記のような種類があり、アパートメーカーによって得意な構造・工法、不得意な構造・工法があるものです。

主な構造

  • 鉄筋コンクリート造
  • 壁式鉄筋コンクリート造
  • 重量鉄骨造
  • 軽量鉄骨造

主な工法

  • 木造パネル工法
  • 木造2×4工法
  • 木造在来工法、など

例えば、木造パネル工法や木造2×4工法は物件価格を抑えることができるというメリットがあります。しかし、その分単一化されやすく、競合物件との差別化を他のところでつける必要があるといったデメリットもあります。こうした構造や工法の特徴も説明してもらうといいでしょう。

また、外断熱工法や、高気密工法、換気システムの技術など、アパートの資産価値をより上げることができる構造や工法ができるかもチェックポイントです。

【関連記事】新築アパート建築、工法の違いは?選び方やメリット・デメリットも

2-3 設備・仕様や間取り

入居者にとって快適な空間にするには、設備や仕様も重要なポイントです。モニター付きインターフォン、シャワートイレ、エアコンなどのほか、インターネット無料(Wi-Fi設置)、宅配ボックスなど人気の設備の導入について提案してくれるかもポイントです。

設備や仕様は、最低限のものでいい場合、設備を充実させたい、予算に合わせて、といったようにオーナーの意向が反映されるポイントでもあります。適切に対応してくれるかを見ることで、アパートメーカーの対応力を確認することもできます。

また、同じ敷地でもアパートメーカーによって建物の位置や向き、日差しをどう取り入れるか、間取りをどうするか、入居者のメインターゲットをどうするか、などの考え方が異なります。これらもアパートメーカーを比較する際のポイントとなります。

3 アパートの管理のアフターフォロー体制

アパートを建てた後は、どのように管理していくのかも重要なポイントです。管理面についても適切に提案してくれるアパートメーカーかどうかも比較してみましょう。

3-1 管理内容

多くのアパートメーカーでは管理部門を有しており、オーナーは、アパートの建築から建築後の管理までをワンストップで依頼することも可能です。ただし、どのような管理メニューを持っているのか、その費用はいくらか、管理の内容はどうなっているのか、といったことは各メーカーで異なります。

管理手数料の料金設定については、家賃の5%というメーカもあれば、一律で一部屋2000円などと設定しているところもあります。この管理手数料については、単純に金額で比較するのではなく、内容も要チェックです。電球などの備品交換などが含まれていたり、清掃が月2回や4回だったり、内容が金額に見合うかも比較してみましょう。

また、サブリース契約をもとにした満室保証システムや一括借り上げシステムなど、オーナーにとってアパート経営がしやすいようなシステムを提供しているケースもあります。こちらも内容がそれぞれで違いますので、利用するのであれば契約内容について細かな確認が必要です。

さらに管理をどこまで依頼できるのかもメーカーによって違います。すべてを依頼しないといけないのか、オーナーが自分でやりたい部分はできるのか、といったことも要確認です。

特にサブリース契約においてはアパートメーカーとオーナーの間でトラブルが多発したことから、2020年12月に提案方法について法改正が為されています。サブリース契約を提案された場合は、内容について法的な問題がないかという視点でも確認をしておきましょう。

【関連記事】サブリース新法、従来のサブリース契約との違いは?注意点や今後の影響も
【関連記事】不動産投資、サブリース契約のメリット・デメリットは?契約時の注意点も

3-2 空室対策と入居率

アパート経営の大きな収入源は家賃収入です。そのため、空室リスクに対してどのような対策を行ってくれるかは、管理内容を比較する際の大きなポイントとなります。インターネットの普及で競合物件との差別化が難しくなっている中で、どのような方法で空室対策を行い、どのような実績があるのか確認しましょう。

主な空室対策は下記になります。

  • フリーレント
  • 入居者への祝い金進呈
  • 家電3点セット
  • 人気設備の導入
  • アクセントクロスの導入
  • 初期費用の減額、など

また、管理に関して入居率を明示しているケースもありますが、その根拠についても教えてもらうようにしましょう。期間はいつなのか、管理件数はどれくらいなのか、空室期間はどのくらいなのか、といった項目も示してもらうことでより判断しやすくなります。

3-3 専用サイトや仲介店の有無

空室対策の一環になりますが、仲介用の専用サイトを持っているか、仲介店舗を展開しているかどうかも、アパートメーカーを選ぶ際の重要なポイントになります。どんなに好条件のアパートを建てたとしても、インターネットや店舗で部屋を紹介してくれる仕組みがあるケースとないケースでは入居率に大きな差が出るからです。

特に、現在は部屋の情報をある程度調べてから問い合わせるケースが増えており、インターネット上に丁寧に情報を載せているか、また行きやすい場所に仲介店舗を構えているか、ということも入居率に大きく関わってきます。この点も確認ポイントになります。

3-4 施工会社の有無

アパートを建築したり修繕を行う際に、施工会社に外注すると中間マージンが発生するため費用が高くなりがちです。そこで、施工部門を持っているかどうかもアパートメーカーを比較検討する際のポイントになります。

アパートを建てるのは最初の一回だけですが、10年に一回大規模な修繕工事を行うとして、20年間運営すると2回の工事が必要です。また部屋が空室になると、その都度、原状回復工事を行うことになります。外注ではなく、社内に施工部門を持っているメーカーであれば、この際の費用を抑えることができるのです。

ただし、メーカー1社に管理が依存して独占状態になるため、修繕費の相場価格が分かりにくいというデメリットもあります。1社だけに見積もりを提出してもらった場合、その価格が相場よりも安いのか、高いのか、比較することが難しくなります。

契約上、関連会社にしか工事を依頼できないこともあります。納得のいく価格で工事を発注することができないと経営の収支にも影響しますので、確認するようにしましょう。

4 アパートメーカーの対応力や提案力

アパートメーカーとの付き合いは、管理まで委託すれば20年以上にもおよぶこともあります。そのためパートナーと一緒にどのような将来像を描けるかが、アパートメーカーを選ぶ際のポイントになります。メーカーを判断するには下記の点についても確認しましょう。

4-1 担当者

アパートの法定耐用年数は20年ですから、アパートメーカーに管理を依頼すると長ければ20年以上もお付き合いすることになります。そのため、担当者の対応姿勢、能力なども比較ポイントになります。判断するには下記の点について確認しましょう。

  • 質問したことに対して丁寧に回答してくれるか
  • 言葉を濁していないか
  • 知識が不足していないか
  • 強引に話を進めようとしていないか、など

担当者に信頼感を持てないままでは、大切な資産であるアパートの建築・管理を委託するのに不安を抱いてしまう方も多いでしょう。アパート経営は長期間かけて運用して収益を得る方法であるため、そのパートナーとなるアパートメーカー選びは、メーカーや担当者の対応力についても重視してみましょう。

4-2 提案力

アパート経営についてアパートメーカーに相談すると、通常、提案書を提出してもらいます。どのようなアパートを建てると、どの程度の収益が見込めるのかといったことが、アパートメーカーによって提案されるのです。

その計画が適切なものであるかどうか判断するのは難しい部分ですが、デメリットやリスクについてもしっかり説明してくれるかどうか、という点をチェックしてみましょう。話を進めるために、甘い収支計画になっていることもあるからです。

収支計画通りに経営ができず赤字経営となる場合は、損失を出した状態で手放すことにもなりかねません。その提案書のリスクやデメリットについてもしっかり確認し、慎重に比較して判断するようにしましょう。

まとめ

アパートメーカーを選ぶこと際は、ネームバリューだけに左右されず、持っている土地や、意向や希望、条件などに柔軟に対応してくれるアパートメーカーを選ぶことが重要です。細かな部分まで比較検討し、自身の投資目的に合っているかどうか判断してみましょう。

また、アパートメーカーに一任してしまうのではなく、オーナー自身も少しづつ不動産投資の知識を付け、投資判断ができるようになることも重要です。アパート経営はリターンを見込める反面、最終的なリスクや損失についてもオーナーの責任となるため、任せっきりの経営にならないよう注意しておきましょう。

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倉岡 明広

倉岡 明広

経済学部経済学科卒業後、出版社や編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして独立。雑誌や新聞、インターネットを中心に記事を執筆しています。初心者が抱く不動産投資の疑問や質問を解決できるよう丁寧な記事を執筆していきます。