マンション投資のメリット・デメリットや始め方は?初心者向けにプロが解説

皆さん、こんにちは。2021年3月時点、コロナ禍の影響を受けて将来の生活が不安という人も少なくなく、雑誌やテレビなどでは投資特集が度々組まれています。

金融緩和によるインフレ懸念から、純金やプラチナなどの実物資産を投資対象として目を向ける方も増えています。特に、金融機関の融資を活用できる不動産投資に注目する方も多いのではないでしょうか。

不動産投資のなかでも、価格が比較的低めで取引件数が多く、初心者から人気が高いのが「区分マンション投資」です。

今回は、区分マンション投資(以下、「マンション投資」)の特徴、主なメリット・デメリットやリスク、目標設定から引き渡しまでの簡単な流れについて、複数戸のマンションに投資をしている私の実体験をベースに解説していきます。

目次

  1. マンション投資の2つの特徴
    1-1. 不動産投資ローンの融資を受けられる
    1-2. 長期にわたり家賃収入を見込める
  2. マンション投資のメリット・デメリット
    2-1.マンション投資のメリット
    2-2.マンション投資のデメリット・リスク
  3. マンション投資を始める手順・流れ
    3-1.マンション投資を通して達成したい目標の設定
    3-2.属性の確認と投資戦略
    3-3.不動産会社への資料請求やセミナー受講
    3-4.不動産投資ローンの審査と売買契約
    3-5.賃貸管理会社の選定
  4. まとめ

1.マンション投資の2つの特徴

私が考えるマンション投資の主な特徴として、大きく分けて下記の2つが挙げられます

  • 金融機関から融資を受けることができる
  • 長期間にわたり収入を見込める

不動産投資の中には、新築物件・中古物件の別のほか、アパートなどの一棟もの、一部屋ごとに投資をする区分マンションなどがあり、どのカテゴリーを選定するかによって投資スタイルや成果は大きく変わります。

「マンション投資」は、初心者でも比較的取り組みやすく、リスクはありますがしっかりと対応すれば一定程度に限定されます。この記事では、中古の区分マンション投資を例に挙げて、その特徴を見て行きます。

1-1. 不動産投資ローンの融資を受けられる

私は、中古の区分マンションへの投資は、不動産投資の中でも比較的リスクが低く、やり方次第で効率が高い投資手法であると考えています。そして、不動産投資は、他の金融商品と大きく異なる特徴があります。それは、金融機関から融資を受けることができるというものです。

不動産投資は金融機関から物件の評価額に応じた融資を受けることができるため、手元に物件を購入するだけの資金がなくてもはじめることができます。

私は、不動産投資をはじめるまで、まったく借入をしたことがありませんでした。両親からは「借金と連帯保証だけはしてはいけない」と幼いころから強く言われていました。両親は事業を営んでいましたが、現金商売で設備投資などは特段必要ない業種でしたので、金融機関などに保証もしていませんでした。

個人的にこのような家庭環境もあり、最初に不動産投資をするにあたっては、いままでにない大きな借金をすることが怖く、決意するまでに1ヶ月以上悩んだものです。

後にわかったのですが、不動産投資は融資をうまく活用することで資産形成のスピードが加速していきます。なかでも区分マンション投資は、提携金融機関のローンの種類が豊富です。このローンをうまく活用することが、マンション投資で資産を形成する際のポイントです。

1-2. 長期にわたり家賃収入を見込める

私は、不動産投資をする主な目的は、長い期間にわたって家賃収入(インカムゲイン)を得ることにあると考えています。

物件が値上がりしたときには売却益(キャピタルゲイン)を見込めることもありますが、将来の個人年金を見越した投資であれば、インカムゲインを重視するべきであって、リスクをとって無理にキャピタルゲインを狙う必要はないと思うためです。

ただし、複数の物件を保有している場合には柔軟に対応することも大切です。古い物件を売却して一時的に手元の現金や与信を増やし、新しい物件を購入して、ポートフォリオを組み替えるということもできます。

築年数がほとんど一緒の物件を複数保有している場合、エアコンや給湯器など設備の修繕時期が重なることがありますので、物件を売却して資産を組み替えることで修繕時期をずらす戦略も検討できるでしょう。

私は、キャピタルゲインで短期間に利益を獲得したい場合には株式に、インカムゲインでコツコツ収益を獲得したい場合には不動産に投資する、というように二つの投資手段を使い分けています。自身の資産配分を勘案し、株式投資と不動産投資のそれぞれの特徴を組み合わせた投資手法(ハイブリッド投資)を検討してみると良いでしょう。

2.マンション投資のメリット・デメリット

私が考えるマンション投資の主なメリットは、少ない手元資金からチャレンジできること、また、主なデメリットとして、空室・家賃下落リスクがあること、が挙げられます。

2-1.マンション投資のメリット

マンション投資は、一棟もの(マンション一棟やアパート一棟)への投資と比較して購入価格や購入時に必要な諸費用(金融機関の融資事務手数料や司法書士報酬・登記関連費用など)が少なくて済むため、手元の現金が少ない方でも始めやすいというメリットがあります。これは前述した、金融機関の融資をうまく活用できるからです。

以前は、新築・中古のいずれの場合も5~10%程度の頭金と諸費用が必要でした。しかし、最近では諸費用までもローンに組み込み、実質手付金10万円のみで物件を購入できるプランも出てきています。

2-2.マンション投資のデメリット

一方、マンション投資のデメリットとして、空室リスクと家賃が下落するリスクが挙げられます。これらは残念ながら避けることはできないので、いかに対策をすることができるかに尽きます。

マンション投資では、入居者が退去すると次の入居者が決まるまで空室となります。サブリース契約をしていない限り、その間は収入がなくなります。

基本的には、融資を受けて物件を購入することが多いでしょう。空室期間中も金融機関への元利金の支払いをする必要がありますので、空室が長期化すると不動産投資ローンの返済に追われて資金繰りが苦しくなります。

また、家賃は、物件の劣化や物件周辺に競合物件(特に新築物件)が乱立するなどにより、何もしなければ年々下落していきます。新築物件は、最初の入居者が退去した後は大幅に家賃が下落する可能性が高く、注意が必要です。

最近では、新築物件でもサブリース契約を活用した場合には、2~5年間は当初設定された家賃が保証されるというプランが出ています。会社によって控除の料率は異なりますが、空室を極力出したくないという方は利用を検討するとよいでしょう。

実際、私は保有する物件が多いことから、そのほとんどをサブリース契約にしています。契約が継続する間、一定の家賃が毎月確保でき、煩わしい入退去時の手間もかかりません。

ただし、サブリース契約は一定の家賃を見込めるメリットがありますが、締結する前に、契約条項、物件周辺の相場賃料や不動産会社の賃貸管理の体制は把握しておく必要があります。また、築浅物件で立地が至極よい物件である場合にまでサブリース契約は必要ないとも言えます。

また、サブリース契約ではなく、集金代行契約にすることで、退去してから次の入居者が付くまで、どのような流れになるのかを把握することができます。私の知人に、サブリース契約を選択せず、集金代行契約にすることで家賃を5年間で4~6%程度上げることに成功した人がいます。通常、家賃は建物の経年劣化とともに下落していきます。

この知人の場合、退去の都度、そのときの不動産市況を読み、物件周辺の相場賃料を調べ、不動産会社とこまめに連絡を取って実現したものです。家賃は物件を将来売却する際に価格に影響を与える重要な要素になりますので、参考にしてみてください。

3.マンション投資を始める手順・流れ

具体的に、マンション投資を始める手順を見て行きましょう。目標の設定から契約まで、大きく分けて次の5つのステップがあります。

3-1.マンション投資を通して達成したい目標の設定

私は、マンション投資にかかわらず、投資の成功には達成したい目標の設定が大切であると考えています。

まず、どのような投資をするにせよ、「いつまでに」、「どのくらい」の収益を得たいのか、を明確にすることが必要です。私の周囲の投資家を見渡しても、この目標の設定が明確である人はモチベーションが長続きしているように思います。

逆に、物件を購入すること自体が目標になっている投資家の方もいて、この場合には注意が必要です。物件購入がゴールとなってしまうと、その後の管理などに目が向かなく無関心になってしまうケースがあるからです。

さて、目標の設定にあたっては、例えば近い将来、もしくは、老後に生活費としてどのくらいのお金が必要であるかを考えてみるとよいでしょう。自分が理想とする生き方を実現するために、毎月どのくらいの収入があると幸せなのか、満足いくのか、という視点で考えてみましょう。

私の場合、会社を定年退職した後、公的年金のほかに最低でも20万円くらいあれば良いだろうと考え、まずはマンションを2戸購入することを目標にしました。

最初は、このように、「いつまでに(=定年退職した後)」、「どのくらい(=月額20万円)の収入を確保したいか、目標を設定し、その目標を達成するために、何をするべきかを考えるとよいでしょう。

3-2.属性の確認と投資戦略

マンションの販売価格は、築年数や専有面積などによりますが、ワンルームで大体1,500万円から3,000万円くらいの価格帯になります。この記事を読んでいる方は会社にお勤めの方が多いかと思いますが、最低1,500万円ものまとまったお金を投資できるケースはまれでしょう。

私は、マンション投資をする前は、株式等の金融商品に投資をしており、元手(700万円)をつくるのに2年程度給料をコツコツ貯めた覚えがあります。しかし、会社員という属性をうまく活用して、金融機関から融資を受ければ、比較的少ない元手資金でも、マンション投資は始めることができます。

不動産会社をとおして金融機関に融資の打診をしてもらえれば、自身の属性でどのくらいの融資を組むことができるか不動産会社から提案をしてくれます。

複数戸を購入する投資戦略の場合には、ローンの仕組みや各金融機関の特徴を不動産会社に確認します。これは投資家から不動産会社に積極的に確認しなければ、その詳細(金利の違いやがん団信の有無など)をほとんど知らずに契約にいたってしまうこともあります。

住宅ローンを選ぶときには、複数の金融機関を比較して検討するのと同様に、投資用ローンを選ぶときには、不動産会社に確認をするとよいでしょう。

投資戦略を立てる際、将来住宅を購入する予定がある方は、事前に自身のライフプランを不動産会社に相談します。この戦略が甘いと投資用物件で全体の借入額が一杯になってしまい、住宅ローンを思うように組めなくなる可能性があるためです。

私の知人に、先に投資用物件を購入し、不動産会社には将来の住宅購入計画をあいまいにしていため、住宅ローンがなかなか組めずに非常に苦労した方がいます。

【関連記事】不動産投資、サラリーマンはいくらまで融資可能?属性を改善するコツも

3-3.不動産会社への資料請求やセミナー受講

いつまでに、どのくらいのマンションを購入したいのか、投資戦略を立てたら、次は具体的なアクションを起こします。マンション投資には、前述した以外にもさまざまなリスクがあります。

投資を成功させるためには、こうしたリスクを十分に説明してくれ、自分の目標を達成してくれる良きパートナーを選定することが重要になってきます。とは言うものの、不動産会社は世の中にたくさんありますし、どのように選べばよいかわかりません。

そこで私は、不動産会社のホームページを確認して資料請求をし、セミナーに参加をしてみることにしました。資料請求をすると数日で不動産会社の会社パンフレットやイメージしやすいサンプル物件、「お客様の声」などが郵送されてきます。

なかには、過度にお金がかかっている豪華なパンフレットもありますが、シンプルでわかりやすい説明のものに信用がおけました。「お客様の声」は事例としてさまざまなパターンが存在するのだな、くらいの認識でよいかと思います。

私は、資料請求の際、自分の携帯電話やメールアドレスを記入していましたので、資料が郵送されたタイミングで、不動産会社の営業担当者から電話やメールによるアプローチがありました。

ここで個別に営業担当者とコンタクトを取って、面談するのもよいでしょう。私がマンション投資を始めた当初はセミナーを開催している会社が少なかったこともあり、いきなり面談からスタートしたこともありました。

ただ、今は不動産会社の数も増えてきており、オンラインでセミナーを受講できる会社も増えてきています。最初のうちは、いきなり面談からはじめず、少なくとも2~3社、できれば4~5社のセミナーの受講を検討してみると良いでしょう。

会社によって営業体制や得意領域が違います。また、購入した後の管理体制や管理実績も違いますので、自分に合ったパートナーを見つけることが重要になります。

最初はよくわからなくても、同じ項目の内容の説明を聞いていると各社で微妙に差異があることがわかってきます。複数社を比較することにより段々理解が深まってきます。

また、営業担当者との面談は、会社の雰囲気を伺い知るのには適しているものの、セミナーで説明される内容を網羅した内容にはなりにくいので、できるだけ複数のセミナー受講後に面談するとよいでしょう。

【関連記事】【投資初心者向け】0から学べる不動産投資セミナー7選

3-4.不動産投資ローンの審査と売買契約

不動産会社から物件を提案してもらい、購入物件が決まったら不動産投資ローンを紹介してもらいます。金融機関の融資の審査基準は、大きくわけると、「不動産会社」、「購入予定の物件」、そして「自分(投資家)の属性」の3つが対象となります。

審査のポイントは、会社員であれば、会社規模(上場の有無や従業員数)・職種・勤続年数・年収・金融資産・借入金額・自己資金の額などです。投資家の属性や物件のほか、その物件を提案してくれた不動産会社もとても重要です。

不動産投資の初心者が直接金融機関に融資を申込んでも、なかなか応じてくれない可能性が高いと言えます。そのため、住宅ローンとは違い、不動産投資、なかでも区分マンション投資では「提携ローン」を持つ不動産会社の信用力がとても大事になってきます。

実績のある不動産会社であれば、提携している金融機関が複数あるので、投資家の選択肢も増えるでしょう。

取引実績が多い不動産会社はそれだけ金融機関からの信用も厚く、金利や融資期間・自己資金比率・その他の条件で実績に乏しい不動産会社よりも有利な提案をしてくれるケースが多いからです。

不動産会社は担保評価が高く、金融機関の融資条件をクリアした物件を提案してくれます。金融機関は、行内に蓄積されている膨大なデータをベースにしてデフォルト(債務不履行)しにくい、長期間にわたって堅実に家賃収入が見込める物件に融資を付けます。

無事にローンの事前打診がおりたら、次は重要事項説明書の取り交わしと売買契約の締結です。取引内容がまとまると、売買契約の前に重要事項説明があります。不動産会社と契約締結日を決めたら、できれば事前に重要事項説明書と売買契約書のドラフトを見せてもらうようにしましょう。

初めての取引の場合、不動産業界特有の難解な専門用語に戸惑ってしまい、わからないことをあいまいにしてしまう方も少なくありませんが、契約の締結後に変更を申し出ることはできません。不動産業界では、契約行為を非常に重く考えています。

通常、売買契約を締結した場合、よほどのことがない限りは契約の解除はできません。最低限、重要事項説明や売買契約の中で用いられている用語が何を意味して、どのように重要であるかは理解して契約にのぞみます。

解約できるケースもクーリングオフや手付金の放棄など限定されていますので、しっかりと説明を聞き、納得してから捺印をします。

【関連記事】フルローンや低金利など融資に強い不動産投資会社

3-5.賃貸管理会社の選定

忘れがちなところですが、不動産投資は物件を購入してからが賃貸事業スタートです。物件を選定する際には、販売図面を念入りに確認して、現地に足を運んでも、引き渡し後のことを考える人はあまりいないように私は思います。

私は、物件を購入した後の賃貸管理も不動産投資を成功させる大きなポイントであると考えています。家賃は毎月自動的に投資家に送金されているように見えてしまいますが、見えないところで賃貸管理会社が頑張ってくれています。

私は過去、保有する物件で、物件を販売してくれた不動産会社が倒産したことにより、入居者からの家賃の振込が滞ってしまったことがありました。当時、投資を始めたばかりであり、また、物件を購入してから1年半後くらいのことでしたので、とても焦った記憶があります。

賃貸借契約書を携えて、入居者を訪ねて滞った家賃を振り込んでもらい、別途自分で探した賃貸管理会社に面倒を見てもらうまでの気苦労と手間はかなりのものがありました。

賃貸管理は、このように具体的なトラブルなど何もなければ投資家はその重要性に気がつきにくいものです。しかし、入居者が退去した後、次の入居者の募集や部屋のリフォーム、契約の更新、鍵の紛失などトラブルが発生したときに、会社員では即時に対応することが難しいでしょう。

賃貸管理会社はどこも同じではありません。会社規模が大きければよいものでもありませんが、適当な会社を選んでしまうと長期的な収支が大きく違ってきてしまいます。契約する前に、入居者募集のやり方やトラブル発生時の社内体制などしっかりと確認しておくとよいでしょう。

【関連記事】不動産投資で建物管理がなぜ重要なのか?建物管理に強い不動産会社も

まとめ

区分マンション投資は、不動産投資の中でも投資金額が比較的低いため、初心者の方でもはじめやすいと言えます。この記事の中でも述べたように、投資で成功するためには目標の設定、寄り添ってくれる不動産会社(信頼できるパートナー)を見つけることが何より重要です。

提案物件がなぜよいのか、自分の属性に合った金融機関の融資はどれを使えばよいのか、不動産会社を選定したら納得できるまでトコトン質問をしてみましょう。そして信頼できるパートナーになってもらえるかを判断します。

昨今ではウェビナー(オンラインセミナー)も活況を呈していますが、実際に対面で会ってしっかりと話を聞き、情報を収集することがとても重要です。

The following two tabs change content below.
依田泰典

依田泰典

不動産投資家/ベンチャー投資家。公認不動産コンサルティングマスター。
ソニーにて、ITソリューション関連の法人営業や企画・マーケティングに従事(MVP受賞)。株式(信用取引)等幅広く金融商品を運用。リーマン・ショックを経験後、不動産投資を徹底研究。日本銀行のマイナス金利政策を勝機とし数億円の融資を獲得。分譲マンション(1Kから3LDK)を20戸以上購入。ソニー退職後、不動産会社(ベンチャー企業・東証上場企業)にて、収益用不動産(1棟物件)の売買、事業開発、広報・広告宣伝に従事。現在は、東証上場グループ企業を含むベンチャー企業の社外取締役、顧問、アドバイザーとして活動。不動産テック等スタートアップ30社に出資。宅地建物取引士(宅建マイスター)、貸金業務取扱主任者、ビル経営管理士、賃貸不動産経営管理士、社会保険労務士、行政書士等の資格を保有。趣味は、マンガ(電子書籍)とYouTube。街の散策と食べ歩き。合気道(有段者)。アイドルファン(乃木坂46齋藤飛鳥)。
連絡先はコチラ
yass.yoda@gmail.com