マンション投資と戸建投資の違いは?メリット・デメリットを比較

不動産投資を株やFXなどの投資と比べると、定期的な収入が期待しやすく、現物資産が残るなどのメリットがある一方で、空室リスクや修繕リスク、金利リスクなどのデメリットがあります。

それでは、不動産投資のなかでも比較的に物件価格が安価なマンション投資と戸建投資では、どのようなメリット・デメリットがあり、どのように違うのでしょうか。

本記事では、マンション投資と戸建投資の違いについて、それぞれのメリット・デメリットを比較して解説していきます。マンション投資や戸建投資を検討している方はご参考ください。

目次

  1. マンション投資のメリットとデメリット
    1-1.マンション投資のメリット
    1-2.マンション投資のデメリット
  2. 戸建投資のメリットとデメリット
    2-1.戸建投資のメリット
    2-2.戸建投資のデメリット
  3. マンション投資と戸建投資を検討する際のポイント
  4. まとめ

1.マンション投資のメリットとデメリット

マンション投資と戸建投資を比較すると、建物の構造や所有形態に大きな違いがあります。マンションの場合、建物の耐用年数が長く、区分所有であれば物件価格も比較的に安価となり、融資を受けやすい特徴を持っています。

以下、マンション投資のメリットとデメリットを詳しく見て行きましょう。

1-1.マンション投資のメリット

マンション投資のメリットは、次のような点になります。

  • 修繕費が平準化される
  • 管理しやすい
  • 長期間の運用ができる
  • 不動産投資ローンを受けやすい
  • 流動性が比較的高い

修繕費が平準化される

マンション投資では、共有部分の修繕は積み立てていくため、修繕費が平準化されるのはメリットの一つです。不動産投資では、修繕費の支出が大きなリスクになります。修繕費が平準化されることで、キャッシュフローに及ぼす影響が小さくなり、リスクも軽減されます。

管理しやすい

マンション投資では、底地が建物と一体となった区分所有になっているため、隣地との境界や越境問題に頭を悩ますことはありません。建物の共有部分についても、管理組合が組織され、機能しているマンションであれば、個人の管理負担はかなり少なくなります。

オーナーの管理負担は、主に部屋の内装や設備に絞られることになり、戸建投資に比べると管理しやすいといえるでしょう。

長期間の運用ができる

マンションは、鉄筋コンクリート造、鉄骨造のものであれば、法定耐用年数は47年になっています。これに対して、木造アパートや戸建ては22年です。

居住利用できるかどうかという機能的な耐用年数は法定耐用年数よりもさらに長くなるため、長期間にわたる運用が可能です。なお、法定耐用年数が長いことから減価償却期間も長くなり、税制上のメリットもあります。

不動産投資ローンを受けやすい

マンションは、比較的少額であり、長期間にわたって安定した運用ができることなどから、築浅であれば金融機関の担保評価も出やすく、ローンを受けやすいといえます。

流動性が比較的高い

マンションは、投資用だけではなく自己居住用としての需要も多く、駅からやや離れた住宅地に多い戸建などに比べると、流動性が高いといえるでしょう。

1-2.マンション投資のデメリット

マンション投資のデメリットは次のような点になります。

  • 利回りが比較的低い
  • 自由に増改築できない
  • 立地や競合の影響を受けやすい
  • 建物部分の価格割合が大きい

利回りが比較的低い

マンション投資は築浅で立地が良いと家賃収入に対する価格が高くなる傾向にあり、利回りが比較的低くなることが多いといえます。賃貸需要が豊富なエリアに建築されていることから一定のニーズが見込める半面、大きな収益を得るのには向いていないと言えます。

自由に増改築できない

マンションは、区分所有であるため、共有部分の増改築は自由にすることができません。入居者の賃貸需要には共有部分も影響するため、陳腐化や老朽化が進んで、賃貸需要が落ちてきたときに対策が難しくなる可能性があります。

立地や競合の影響を受けやすい

マンション投資では、都心部への路線の利便性や最寄り駅までのアクセスなど、立地の影響を受けやすいといえます。また、近隣の似たような競合物件によって、賃貸需要に影響が出る場合もあります。

建物部分の価格割合が大きい

マンション投資では、特に築浅で購入した場合、建物部分の価格割合が高く、資産価値の下落に注意する必要があります。

長期間保有してから売却しようとしたとき、予想以上に資産価値が落ちて想定価格で売却できないことがないよう、資産価値の下落を見据えた出口戦略を考えておくことが大切です。

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2.戸建投資のメリットとデメリット

戸建投資では、建物が木造であり耐用年数が短くなります。建物と土地のすべての所有権を持つことになり、リノベーションや解体も自由にできます。このことが、投資の支出や収入、ローンなどに影響を及ぼします。

以下、戸建投資のメリットとデメリットを詳しく見て行きましょう。

2-1.戸建投資のメリット

戸建て投資のメリットは次のような点になります。

  • 少額から始めることができる
  • 修繕費の支出を管理できる
  • 立地の影響が比較的少ない
  • 入居期間が長くなりやすい
  • 土地部分の割合が大きく、資産価値が下落しにくい
  • 出口戦略の選択肢が多い

以下、それぞれについて解説します。

少額から始めることができる

戸建投資は規模が小さく少額で購入することが可能です。また、区分マンションと比べても、耐用年数が短い分、建物価格の下落が速く、中古になると物件価格が安くなる傾向があります。

修繕費の支出を管理できる

戸建の場合、修繕費の支出を自分でコントロールできるのはメリットの一つでしょう。マンションであれば、毎月一定額が積立金として出ていくケースが多くなりますが、戸建であれば、自分の意思で修繕を行わない限り支出はありません。

また、リノベーションをおこなって物件の価値を高め、相場より高めの家賃収入を得られる可能性もあります。投資家の投資戦略に応じて、すべての修繕費を自分の裁量で支出することができます。

立地の影響が比較的少ない

戸建投資は、立地条件の影響を比較的受けにくいと言えます。マンションと比較して戸建の供給が賃貸市場では少ないことや、入居者がアクセスの良さよりも集合住宅にはないプライバシーのある空間を求めているケースがあるためです。

子どもが小さかったり、ペットが多かったり、あるいは昼夜逆転の生活を送っていたり、などの事情で周囲に気を遣う必要性の少ない環境を求める賃貸需要があります。戸建投資では、このようなニーズを獲得することができるメリットがあります。

入居期間が長くなりやすい

戸建の場合、入居期間が長くなりやすいといえます。戸建投資がターゲットとするファミリー層は、子どもの教育環境などを重視して比較的長期間入居することが多いためです。

そのうえ、戸建のようなプライバシー空間、独特の個別性がいったん入居者に適合すると、他に代わりとなる物件が見つからない場合もあり、入居期間が長くなる傾向があるといえるでしょう。

土地部分の割合が大きく、資産価値が下落しにくい

戸建投資では、価格に占める土地部分の割合が特に大きいため、全体の資産価値も下落しにくいメリットがあります。建物部分は経年劣化によって資産価値が下落してしまう一方、土地部分は経年劣化が起きず資産価値が下落しにくいためです。

出口戦略の選択肢が多い

戸建投資は、出口戦略の選択肢も多いといえます。投資物件・自己居住用としての売却だけでなく、土地があるため更地にして売却することも可能です。更地にすれば、建物を再建築することもでき、新築物件を自ら建てて運用したり居住したりする選択肢もあります。

2-2.戸建投資のデメリット

戸建て投資のデメリットとしては次のような点が挙げられます。

  • 不動産投資ローンを受けにくい
  • 修繕費が高くなる傾向がある
  • 管理に手間がかかる
  • 個別性が高い

以下、それぞれについて解説します。

不動産投資ローンを受けにくい

特に中古の戸建投資では、建物の法定耐用年数が22年と短いため、ローンを受けにくいというデメリットがあります。家賃収入に対する返済比率を考慮すると、購入時にある程度自己資金を用意する必要があるでしょう。

修繕費が高くなる傾向がある

戸建投資では、修繕費の支出を自己の裁量で管理できる反面、内装、設備、外壁・屋根塗装などのすべての修繕費が自己負担となります。

管理に手間がかかる

戸建は土地部分があるため、隣地との境界や越境問題に注意を払う必要があります。また、埋設されている上下水道管なども管理しなければなりません。

土地の所有権や利用権に関するトラブルは、解決が難しいケースもあり、思わぬリスクが潜んでいることがあります。

個別性が高い

戸建は、マンションに比べて個別性が高いことがデメリットに働くことがあります。マンションに比べると、競合物件との類似性が少なく、家賃収入や売却する場合の相場がつかみにくい傾向があります。

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3.マンション投資と戸建投資を検討する際のポイント

マンション投資と戸建投資の違いについて、それぞれのメリット・デメリットを比較してきました。両方の投資を比較検討する際、それぞれの投資目的に合わせて検討してみましょう。

例えば、一定の副収入を求めているのであれば、賃貸収入や修繕費が一定であり、リスクや手間も少ないマンション投資が適していると考えられます。

反対に、高利回りの収益を得ることを目的としているのならば、自身の裁量で収益をコントロールしやすい戸建投資が適していることがあります。ただし、戸建投資はその分、不確定要素やリスクがあり手間がかかります。

また、手元資金が少ない場合は、不動産投資ローンを受けやすいマンション投資の方が向いているといえます。戸建投資では、ローンが受けにくいうえ、多額の修繕費などの支出に備える必要性から、手元資金に余裕がある場合に向いていると言えるでしょう。

まとめ

マンション投資と戸建投資を比較すると、マンション投資の方がローリスクであり、ローリターンであるといえます。戸建投資は、マンション投資よりも高めの収益を得られる可能性がありますが、手間がかかりリスクも大きくなります。

また、戸建投資はローンを受けにくく思わぬ支出が発生する可能性も高くなるため、手元資金を厚めに用意しておくことも大切です。

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佐藤 永一郎

佐藤 永一郎

筑波大学大学院修了。会計事務所、法律事務所に勤務しながら築古戸建ての不動産投資を行う。現在は、不動産投資の傍ら、不動産投資や税・法律系のライターとして活動しています。経験をベースに、分かりやすくて役に立つ記事の執筆を心がけています。