つみたてNISAの始め方は?証券会社の選び方や手続き、つみたてNISA向きの商品も

「今年こそ投資を始めたい」と考えている方もいらっしゃると思います。そこで今回は投資初心者の方にも始めやすい「つみたてNISA」について解説します。

「つみたてNISA」は、少額から積立投資が始められる非課税制度のことです。証券会社や銀行などの金融機関で始めることができ、取扱い会社によっては月100円から積み立てることができます。1年当たりの非課税投資枠は40万円で、最長20年間で800万円になります。

※この記事は2021年1月18日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 「つみたてNISA」の始め方
    1-1.口座を開設する金融機関を決める
    1-2.「つみたてNISA」の口座を開設する
    1-3.入金手続きを行う
  2. 積立可能な銘柄数(投資信託)は193本
    2-1.単一指数(株式型)
    2-2.複数指数(バランス型)
  3. 過去の株式指数のパフォーマンス検証
  4. つみたてNISAでの運用に適した銘柄
    4-1.単一指数を対象とした投資信託
    4-2.アクティブ運用投資信託
    4-3.指定インデックス投資信託
    4-4.元本割れの可能性が低い投資信託
  5. まとめ

1 「つみたてNISA」の始め方

つみたてNISAは、証券会社のほか、郵便局や銀行・信用金庫など身近な金融機関で始めることができます。もちろん、ネット証券でも可能です。

1-1 口座を開設する金融機関を決める

NISA口座は1人につき1口座に限られているため、つみたてNISAの取扱いがある金融機関566社から口座を開設する金融機関を決める必要があります。

金融機関により取り扱っている銘柄数や積立金額が異なります。取扱銘柄数が多く、積立金額が少額(最低100円)から始められる会社を選ぶとよいでしょう。

SBI証券楽天証券マネックス証券auカブコム証券松井証券などのネット証券は取扱い銘柄数が多く、積立金額も100円から可能なため投資初心者も始めやすいと言えます。しかし、運用相談などのサービスがないというデメリットもあります。資産運用に関する相談をしながら投資を始めたい方は、対面式の金融機関を選ぶとよいでしょう。

今回はつみたてNISAの取扱い銘柄数が豊富で、100円から投資可能なSBI証券を例に挙げて説明します。

1-2 「つみたてNISA」の口座を開設する

証券総合口座を開設した後、つみたてNISAの口座を開設します。SBI証券ではネット上で簡単に申し込みができます。申し込みの際、運転免許証やマイナンバー(個人番号)カードなどの本人確認書類が必要です。事前に用意しましょう。

1-3 入金手続きを行う

つみたてNISA口座を開設したら、積立投資のための入金手続きを行います。積立金額の上限は年40万円(SBI証券の場合:月に33,300円)なので、その範囲内で積立金額を決めます。毎月一定金額を積み立てる場合は、銀行などの金融機関からつみたてNISA口座に自動入金も可能です。

投資金額は家計に無理のない範囲で決め、余裕が出てきたら金額を増やしましょう。

2 積立可能な銘柄数(投資信託)は193本

つみたてNISAの対象銘柄は金融庁から許可された193銘柄です。内訳は「指定インデックス投資信託:167本」「アクティブ運用投資信託等:19本」「上場投資信託(ETF):7本」です。指定インデックス投資信託には、単一指数(国内・海外株式型)と、複数指数(バランス型)があります。

アクティブ運用投資信託は高い収益が期待できますが、指定インデックス投資信託よりもリスクが高いと言えます。また、指定インデックス投資信託の単一指数(株式型)は、複数指数(バランス型)よりもリスクが高いと言えます。まず、指定インデックス投信の区分と特徴について説明します。

2-1 単一指数(株式型)

単一指数(株式型)は、特定の国内及び海外の株式指数に連動する投資信託です。指数は大きく分けて、国内と海外に分類されます。対象指数は国内が3指数、海外が9指数(新興国インデックスが3指数)です。

  • 国内型:TOPIX、日経平均株価、JPX日経インデックス400
  • 海外型:MSCI ACWI指数、FTSE Global All Cap Index、MSCIコクサイ・インデックス、FTSE Developed All Cap Index、S&P500、CRSP US Total Market Index
    (新興国):MSCI Emerging Markets Index、FTSE Emerging Index、FTSE RAFI Emerging Index

2-2 複数指数(バランス型)

バランス型とは国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リートや先進国リートの8種類を投資対象として、複合的に投資を行うものです。

つみたてNISA対象の投資信託は7つあり、それぞれ運用対象の指数は2~8指数となっています。運用対象の指数が多い投資信託ほど資金が分散投資されるため、リスクを抑えることができます。一方で、高い収益は期待できません。

3 過去の株式指数のパフォーマンス検証

各指数の過去の成績を調べました。過去の成績が良いから将来も良いという保証はありませんが、銘柄選びの参考になります。

下記表に主なインデックスの騰落率(現地通貨、円換算した場合)をまとめました。過去20年のデータからみると、新興諸国の騰落率が高く運用収益も高くなっていますが、過去10年の騰落率は低いため運用収益は低くなっています。新興諸国の指数は変動が激しいため、新興国指数の単一投資は避けたほうが無難です。

過去10年のインデックスで最も騰落率が高いのはS&P500指数で、過去20年ではFTSE RAFI指数が最も高くなっています。単一投資信託を購入される場合は以下の表を参考にしてください。

投資対象 10年(円換算) 10年(現地通貨) 20年(円換算) 20年(現地通貨)
TOPIX TOPIX
105.45%
46.24%
日経平均株価 日経平均株価
176%
109.61%
グローバル MSCI ACWI 101.03% 152.80% 105.89% 130.84%
FTSE GLOBAL 102.01% 153.41% 226.60% 273.63%
MSCIコクサイ 121.55% 177.92% 110.69% 136.22%
先進国 FTSE DEVELP 114.90% 169.57% 188.28% 210.85%
S&P500指数 SP500 275.43% 199.59% 158.17% 189.67%
全米国株式 *CRSP US Total 188.08% 251.03%  —  —
新興国 MSCI emerging 20.05% 50.60% 248.18% 290.33%
FTSE emerging 13.35% 45.95% 268.58% 313.22%
FTSE RAFI -10.00% 12.90% 348.75% 403.09%

*CRSP US Total指数は2011年3月末以降

4 つみたてNISAでの運用に適した銘柄

「つみたてNISA」の対象銘柄は多く、銘柄選びに苦労される方が多いと思います。手数料や過去の運用成績、シャープレシオ(運用の効率を表す指標で、大きい数字ほど良いとされます)などから銘柄を選ぶとよいでしょう。SBI証券や楽天証券、モーニングスターなどのファンド検索機能を用いることで銘柄を絞り込むことができます。

複数の投資信託に投資することでリスクを減らすことが出来るため、組み合わせて投資するよう心がけましょう。銘柄選定ではグローバルに投資している投資信託を選ぶようにすれば、地域リスクの分散に繋がります。また日本は人口減少傾向が鮮明で、高い経済成長が期待できないため、今後の経済成長が見込めるグローバルに投資することは有効です。

4-1 単一指数を対象とした投資信託

単一指数を対象とした投資信託でつみたてNISA向きのファンドは「SBI-SBI・バンガードS&P500インデックス・ファンド(信託報酬0.0938%)」です。同様のファンドに「三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式S&P500(信託報酬0.0968%)」、「大和-iFree S&P500インデックス(信託報酬0.2475%)」などがありますが、単一指数の場合は運用成績に差があまりないため、信託報酬が安い銘柄が有利です。 

4-2 アクティブ運用投資信託

アクティブ運用投資信託では、「レオスひふみプラス」は運用成績が高く、リスク(価格の変動)が小さいことが特徴である点から有力です。シャープレシオは1を上回っています。手数料は年間1.078%。指定インデックス型投資信託より手数料率が高いものの、収益率が高いため手数料分を補うことができます。

4-3 指定インデックス投資信託

指定インデックス投資信託では、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」が適当です。シャープレシオは0.49と、他の指定インデックス投資信託と比較し高くなっています。

4-4 元本割れの可能性が低い投資信託

収益率は高くありませんが、元本を下回る可能性が低い投資信託としては「ニッセイ DCニッセイワールドセレクトファンド(安定型)」が挙げられます。資産の60%が国内債券で、25%が外国債券となっており、債券運用が中心の投資信託です。
 
ここまで紹介した4銘柄を、個々の投資環境に合わせて組み合わせて投資するのも良いでしょう。

例えば、元本割れなどとんでもない、という方は「ニッセイ DCニッセイワールドセレクトファンド(安定型)」と「楽天・米国株式インデックス・ファンド」の2銘柄に投資を検討してみましょう。

毎月の予算が5,000円の場合は、「ニッセイ DCニッセイワールドセレクトファンド(安定型)」に50%(2,500円)以上組み入れるようにするのも一つです。

一方、「リスクをとっても、大きな収益を期待したい」という方は「レオスひふみプラス」を主に「SBI-SBI・バンガードS&P500インデックス・ファンド」に投資を検討すると良いでしょう。

まとめ

今回はつみたてNISAの始め方と証券会社の選び方、具体的な商品の選び方について説明しました。

つみたてNISAは金融機関によっては毎月100円から始めることができます。投資を始めることで、経済にさらに興味が湧き、いままで身近に感じられなかった株式市場の醍醐味を体験することができます。この機会につみたてNISAから投資を始めてみるのも良いでしょう。

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藤井 理

藤井 理

大学3年から株式投資を始め、投資歴は35年以上。スタンスは割安銘柄の長期投資。目先の利益は追わず企業成長ともに株価の上昇を楽しむ投資スタイル。保有株には30倍に成長した銘柄も。
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。