クレジットカードは、公共料金や税金などの支払いに使えるだけでなく、ポイントやマイルなどを貯めることもできるなど、メリットの多い決済手段となっています。一方、口座振替割引が適用されなかったり、支払い時期が不定期になったりするなどのデメリットもあるため、その使い方には一定の注意も必要です。
そこでこの記事では、公共料金をクレジットカードで払うメリット・デメリット、公共料金の支払いに向いたクレジットカードについて詳しくご紹介します。クレジットカードで公共料金の支払いを検討されている方や、すでに支払いをしている方は参考にしてみてください。
目次
- 公共料金をクレジットカードで払うメリット
1-1.管理の手間が少なくなる
1-2.支払い後の管理も楽になる
1-3.ポイントやマイルが貯まる - 公共料金をクレジットカードで払うデメリット
2-1.口座振替割引が適用されない
2-2.支払い時期が不定期になる
2-3.利用限度額には注意が必要 - 公共料金の支払いに向いたクレジットカード4選
3-1.楽天カード
3-2.リクルートカード
3-3.dカード
3-4.JCB CARD W - まとめ
1 公共料金をクレジットカードで払うメリット
電気やガス、水道などの公共料金はクレジットカードで払うことによって様々なメリットが生まれます。まずは、クレジットカードで支払うことによってどのようなメリットがあるのか詳しく確認してみましょう。
1-1 管理の手間が少なくなる
公共料金をクレジットカードで払うと、管理が楽で手間もかからないのがメリットです。例えば、納付書で公共料金を払っている場合、納付書の到着後に金融機関やコンビニへ行って支払う手間が毎月かかりますが、これをクレジットカード払いに変更すると銀行や郵便局、コンビニなどに行く手間を省くことができます。
また、支払いの管理も楽になります。自動振替で公共料金を払っている場合、銀行やコンビニへ行く手間自体はかかりませんが、銀行口座から引き落とされる残高があるかどうかは常に確認しておく必要があります。特に、電気や水道、ガスなどの料金は支払日がそれぞれ異なっていることも多く、引落日ごとに口座残高を確認しなければならないため、ストレスに感じる場合もあります。
一方、クレジットカード払いの場合、基本的には口座振替で支払うことになりますが、クレジットカードは原則として締め日や支払日がカード会社ごとに決められています。これにより電気や水道、ガス、電話などの料金を全て同じクレジットカードで支払う場合、口座振替が月に1回のカードの支払日にまとまるため、残高管理の手間も減ります。
また、電気やガス、水道などの料金を全て同じ口座で払う場合、それぞれの金額を合わせた合計額を計算して残高を用意しておく必要もありますが、クレジットカード払いの場合は利用明細書に他の利用料金などと合算して引き落とされる総額が表示されるため「いつまでにいくら準備すればいいか?」が明確になります。
最近は、ほとんどのクレジットカードの利用明細がオンラインで確認できるようになっているため、外出先でも簡単に口座に準備しておくべき振替金額を確認することができます。
1-2 支払い後の管理も楽になる
クレジットカードで公共料金を支払うと支払い後の管理も楽になる点もメリットです。クレジットカードを利用すると毎月の利用明細が残るため、明細書を確認するだけで「1月に電気料金を5千円払った」などの利用実績を手軽に確認することができます。
電気や水道料金などの検針票は、最近はWEBで確認できるサービスも増えていますが、それぞれの料金を確認する場合、公共サービスごとにログインなどの操作をして確認しなければならない点が手間となります。
一方、クレジットカードの利用明細はひと月単位の支払い状況が一覧で表示されるため、まとめて確認できるほか、最近はオンラインサービスでWEB明細書などをPDFでダウンロードできるサービスもあるので、ペーパーレスで家計管理に必要な書類を残すこともできます。
1-3 ポイントやマイルが貯まる
公共料金をクレジットカードで払うことによってポイントやマイルが貯まる点もメリットの一つです。
クレジットカードには利用金額に応じてポイントやマイルなどが貯まる特典があります。基本的に公共料金の支払いでも利用金額に応じてポイントやマイルが貯まる仕組みとなっているため、ポイントを効率的に貯めたい場合、現金払いや口座振替と比べると有利です。
特に最近は、電気の小売業への参入が全面的に自由化され、小売電気事業者間の競争が激化しています。このような中、独自のポイントサービスなどを開始している電気事業者なども増えつつあるため、この電気料金をクレジットカードで支払うと電気事業者独自のポイントとクレジットカードのポイントをダブルで貯めることもできます。
例えば、大手携帯電話事業者のKDDIは「auでんき」という電気事業を展開しています。auのスマートフォンやインターネット回線のauひかりを利用しているauでんきのユーザーには最大で利用料金の5%分がPontaポイントで還元されます。
このauでんきの利用料金と電話料金などをクレジットカードで支払うことで、利用金額に応じたカードのポイントも貯めることが可能です。
2 公共料金をクレジットカードで払うデメリット
公共料金をクレジットカードで支払う際の注意点やデメリットについても併せて確認しておきましょう。
2-1 口座振替割引が適用されない
電気や水道、ガスなどの公共料金を支払う場合、口座振替で払うことによって口座振替割引が適用されることがあります。例えば、東京都水道局では口座振替で水道料金を支払う場合にひと月当たり55円(税込)安くなる制度があります。
しかし、口座振替割引はクレジットカード払いには基本的に適用されないため、クレジットカードで支払うと、このケースでは支払い額が毎月55円高くなります。例えば、電気代5,000円をポイント還元率1%のクレジットカードで払う場合、カード利用による還元額が50円となるため、実質的には損をすることになります。
そのため、口座振替割引の適用がある公共料金については毎回の支払い額やポイント還元率なども計算した上でクレジットカード払いの検討を行うことが大切ですが、クレジットカード払いに対応していない公共料金があるほか、最近は支払い方法の多様化によって口座振替割引自体を廃止する事業者もあるので注意しましょう(例えば、東京電力では2020年4月検針分から口座振替割引が廃止されています)。
2-2 支払い時期が不定期になる
公共料金をクレジットカードで支払う場合、支払い時期が不定期になることもあります。これは、クレジットカード会社の締切日と電力会社や水道局などの検針日との関係、双方の事務処理などが原因です。
これにより、カード会社からの請求が2か月分まとまってくることや、2か月以上の間隔があくこともあります。
ただし、クレジットカードで支払う場合、カードの締め日後に到来する支払い日で払うこととなるため、支払い時期が遅くなることはあっても、口座振替や納付書で支払うよりも時期が早まるようなことはあまり起こらないため、過度の心配は不要です。
2-3 利用限度額には注意が必要
公共料金をクレジットカードで支払う場合、カードの利用限度額にも注意を要します。クレジットカードを利用して高価な買い物などをした月は、利用限度額がギリギリとなることもあるため、公共料金を払えるだけの利用限度額が残っていない場合、カード決済ができずに滞納と同じ状態になる可能性があります。
そのため、高価な買い物などをしてクレジットカードの利用限度額がギリギリになることが予想される場合、事前にカード会社に連絡を入れ、一時的に利用限度額を増枠してもらうなどの対処も必要になります。
また、クレジットカードが有効期限切れになった場合も同様に公共料金の決済ができなくなるため、カードの有効期限更新によって新しいカードが送られてきたらその都度カード情報の変更手続き等が必要になります。
3 公共料金の支払いに向いたクレジットカード4選
公共料金をクレジットカードで払う場合、ポイント還元率やカード払いの特典などに注目すると選びやすくなります。ここでは、主にポイント還元率に着目して公共料金の支払いに向いているクレジットカードをご紹介します。
3-1 楽天カード
「楽天カードマン」のCMで知られている楽天カードはポイント還元率が高いことでも注目されているクレジットカードです。
通常のポイント還元率は1.0%となっており、カードを利用するだけで基本的に100円につき1ポイントもらえます。獲得した楽天ポイントは楽天市場だけでなく、コンビニやドラッグストア、ファストフード店などでも利用でき、また公共料金の支払いでも貯められます。
ブランドはMastercard、Visa、JCB、アメリカンエキスプレスから選べるようになっており、公共料金を支払うために楽天カードを申し込む場合、事前に利用できるカードブランドを確認しておくことで多くの公共料金の支払いにも対応できます。
年会費は永年無料なので、ポイントを有利に貯めながら公共料金を払えるクレジットカードとなっています。
3-2 リクルートカード
リクルートカードは人材派遣業やホットペッパーなど多数の事業を行うリクルートグループが発行するクレジットカードです。
基本的なポイント還元率は1.2%となっており、公共料金などの支払いも含めた毎月の利用代金合計額に対してポイントが付与されるため、毎月発生する携帯電話料金なども併せて支払うと多くのポイントを貯めることができます。
また、年会費は永年無料となっているためコストをかけることなくクレジットカード払いを利用することもできます。貯まったリクルートポイントは共通ポイントのPontaポイントに交換することが可能で、Pontaポイントは百貨店やスーパー、コンビニ、ドラッグストアなどの多くの店舗で利用できるなど、使いやすい点も特徴です。
3-3 dカード
dカードは大手携帯電話会社であるNTTドコモが発行するクレジットカードです。ポイント還元率は1%となっており、普段の買い物や公共料金の支払いでもdポイントが貯まります。
dカードは年会費無料ですが、NTTドコモのユーザー向けに手厚い特典が用意されているのも特徴です。特にドコモのスマホなどを利用している場合、携帯電話料金と公共料金の両方をdカード払いにすることで多くのポイントを貯めることも可能です。
例えば、毎月5,000円の携帯料金と10,000円の公共料金を支払う場合、クレジットカード払いにすることで150円分のポイントが獲得でき、購入後1年以内の携帯電話の紛失や盗難に対する補償なども付きます。
さらにポイントを貯めたい場合、上位カードのdカード GOLDにすると、年会費は年会費が11,000円(税込)かかりますが、携帯電話利用料の10%が還元されます。
3-4 JCB CARD W
JCB CARD Wは国内大手のクレジットカード会社JCBが発行するクレジットカードです。18歳〜39歳までの方が申し込むことのできる若年層向けのクレジットカードで、年会費無料です。通常のJCBカードはポイント還元率0.5%ですが、JCB CARD Wでは1.0%に優遇されているのも大きな特徴です。
JCB CARD Wは若年層向けのクレジットカードとなっているため、比較的審査にも通りやすく、公共料金や携帯電話料金を支払うためにクレジットカードの申し込みを考えている若い方に向いています。
まとめ
公共料金をクレジットカードで払う場合、支払いの手間や管理が楽になる、ポイントやマイルが貯まるなどのメリットがある反面、デメリットや注意点もあります。
支払方法や口座振替割引の適用は事業者や自治体によって様々なので、クレジットカード払いを検討する際は、利用している公共サービスのホームページなども併せて詳細を確認することが大切です。
HEDGE GUIDE 編集部 クレジットカードチーム
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