投資用不動産を扱う株式会社グローバル・リンク・マネジメントは2月27日、不動産投資のESG(環境・社会・ガバナンス)に関わる意識調査の結果を発表した。同社が2019年に設立したグローバル都市不動産研究所が全国の投資用不動産所有者400人に実施したもので、今回が3回目。ESGについて、投資先を判断する材料・要素として重要だと思うかを尋ねる質問には約8割が「重要だと思う」と回答した。
ESGの知名度について、聞いたことがあるは47.5%となり、第1回調査から約14ポイント上昇。これとは別に「不動産のESG投資」の認知を尋ねると、「知っていた」は33%で、およそ3人に1人が不動産のESG投資を認知している。

不動産のESG投資の認知を問わず、その内容について、投資先を判断する材料・要素として重要だと思うかを尋ねると「重要だと思う」は31.3%、「どちらかというと重要だと思う」は46.3%で、合計77.6%が「重要だと思う」と回答した。昨年と比較すると「重要だと思う」「どちらというと重要だと思う」の両方が増加している。
不動産のESG投資が重要だと回答した人に、理由を尋ねた(複数回答)ところ、「中長期的な資産価値の維持に寄与すると思うため」「賃料収入などリターンに好影響をもたらすと思うため」が5割前後を占めた。さらに、不動産のESG投資がどのような分野で重要だと思うかを尋ねると、もっとも回答率が高かった項目は「気候変動への対応」で47.1%だった。昨年トップだった「健康性・快適性」が2位となった。

気候変動への対応がトップになった背景として、同研究所は「環境認証物件の増加など物件が変化していること、東京都が新築戸建の屋根に太陽光発電設備設置を義務付けるなど、環境規制強化に繋がる動きが具体化していること、電力などエネルギー価格の高騰をもとに省エネに対する意識が高まっていること」を挙げている。
「今後の不動産投資でESGを意識する」と回答した人に対して、どのような目的なら意識するか尋ねたところ、「不労所得・売却益の獲得」が2年ぶりに1位になった。ESG物件に対して賃料や資産価値の観点で注目している様子がうかがえる。

調査では、ESG対応を進めている物件の価格に対する影響を探るため、ESG対応物件の購入額の増額に対する意識を探った。結果、「意識はするが、購入費用に差が出ることは許容できない」は最多だが、年々減少している。この回答を除いた76.7%は、増額を許容する結果になった。
増額の許容額については「1~2%」が15.3%で昨年から4ポイント程度減少する一方、「3~4%」が24.1%、「5~6%」が21.8%、「7~8%」が10.0%で、この3つで全体の約55%を占めた。「全体的に価格の上乗せを許容する意識が強まっている」と同研究所は見る。
今後の不動産投資でESGを意識すると回答した人に、どのような物件なら意識するかを聞いたところ、「ワンルーム区分マンション」が40%で、前年より2.2ポイント減少しているが最多となった。これに「ファミリー向け区分マンション」が続く。レジデンスが上位を占めているが、「商業施設」「事務所店舗」「物流・倉庫」「一棟ビル」「データセンター」など非レジデンス系の物件に目を向ける人も増えていることが分かった。
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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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