世界主要都市と比較した東京の不動産動向は?グローバル・リンク・マネジメントが分析

投資用不動産の株式会社グローバル・リンク・マネジメントは12月2日、グローバル都市不動産研究所の第18弾レポートとして、東京と世界主要都市を比較した最新オフィス・マンション市況分析と、地価回復傾向における不動産投資の注目ポイントを公表した。コロナ禍の収束と社会経済活動の再開、東京への人口回帰の流れ、低金利政策の継続、円安による海外からの投資の活発化などで、「しばらくは底堅い動きが継続する」と予測している。

社会はコロナ禍から回復しつつある。22年7月~9月にかけて新型コロナ感染拡大の第7波が確認されたが、政府は水際対策の緩和など経済活動を維持する姿勢を示し、社会経済活動の正常化を優先する姿勢。東京の人口は21年に減少したが、22年3月から4月には増加に転じ、直近10月時点で1404万732人と着実に増加している。同研究所は「東京にふたたび人口回帰する流れとなったことは確実」と捉え、経済回復に従ってオフィス需要も高まり、空室率、賃料とも改善に向かうことに期待する。

歴史的な円安は、輸入原材料価格や原油などエネルギー価格の上昇を招き、急激なインフレをもたらし。不動産市場でも建設工事価格の上昇や、全般的な物価高騰によって不動産購入への意欲減退につながるといった懸念がある。一方で、レポートは「世界的な金利上昇局面の中、日銀の低金利政策の継続で不動産購入の借り入れコストが世界でも例を見ないほど抑えられており、日本の優位性が際立っている」点に注目。かねてから、東京の不動産は世界主要都市の不動産価格より割安とみなされる傾向にあったが、昨今の為替相場は海外から見た割安感をさらに高める方向に働いている。「日本円で不動産価格の上昇があっても、円安の進展によってドルベースでは上昇幅は限定される。海外投資家が日本の不動産取得に積極的に乗り出しやすい状況であり、海外勢の投資意欲は当面続く」と予測した。

ロシアによるウクライナ侵攻は、戦闘終息の兆しは見えず、混乱のさらなる長期化も予想される。「欧米での地政学リスクの高止まりは、相対的には日本に対する安心感につながり、日本の不動産投資により期待が集まる可能性がある」と同研究所。懸念材料は、原材料や食料品、エネルギーなどの供給不足が国内にさらなるインフレをもたらし、過度に円安が進んだ場合、日銀は金融政策に何らかの修正を迫られる可能性もある。来年4月に日銀・黒田総裁の任期満了を迎えるが、低金利政策が継続されるかが焦点となりそうだとしている。

レポートは、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の浸透を挙げる。不動産でもグリーンビルディング(環境配慮型建物)やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などが高い評価を受け、ESGを重視した不動産投資が避けて通れないものとなっている。米証券取引委員会(SEC)は、今年3月に上場企業に対して気候変動関連リスクと温室効果ガス(GHG)排出量などの開示を求める規則案を、5月に資産運用会社に対してESG投資に関する情報開示の統一基準を導入する規制案を発表した。

海外でのこうした動きについて、同研究所所長で明治大学名誉教授の市川宏雄氏は「企業の資金調達やファンドの投資においてESGの観点の重視と情報の透明性をより強く求めるもので、近く日本にも波及すると考えられる。今後、企業や投資家はESG不動産への選別志向をさらに強めることになるだろう」と説いている。

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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