国交省「ESG不動産投資のあり方検討会」が中間とりまとめ策定、留意点・方向性示す

国土交通省の「ESG不動産投資のあり方検討会」は7月3日、中間とりまとめを策定、公表した。国内外のESG(環境・社会・ガバナンス)投資やSDGs(持続可能な開発目標)の動きを踏まえつつ、日本の実情や社会的課題に応じた不動産へのESG投資を促進する上での留意点や方向性を示すものと位置付ける。

総論では「ESG投資・SDGsの国際的な動きと我が国不動産における意義と課題」として近年、欧米諸国で投資家が投資先に対してESGやSDGsへの配慮を求める動きが拡大していることを挙げ、その中で不動産は「環境や社会に関する課題解決に貢献できるポテンシャルが大きく、重要な対象」と意義を説明。「不動産に対する投資においては環境や社会に係る視点が重要」とする。冒頭では不動産へのESG投資を検討するに当たっての留意点として「ESG要素に配慮し①機関投資家等が行う資産運用における不動産企業・ファンドへの投資②不動産ファンドを含む民間企業の事業活動として行う不動産開発・運用がある」と明記している。

一方で「ESG投資・SDGsともに幅の広い分野を対象とした動きであるため、不動産市場・不動産投資市場における理解・認識は現段階で一様ではない」という現状をふまえ、「クロスボーダー化する不動産投資の現状において、気候変動等に対する海外投資家、評価機関などの目線を意識する必要。一方で、人口・地域社会や自然災害の種類、企業経営の慣行など、我が国固有の実情についても可能な限り踏まえつつ、ESGの視点を組み込むことを検討する」必要性を掲げた。

今回のポイントとして「不動産へのESG投資」における基本的な考え方として、不動産へのESG投資に当たっては、リスク・リターンの二軸のみを踏まえた投資から、社会的なインパクトという“第三軸目”も意識した投資を行う必要性が指摘された。国連における議論などでは、環境・社会への配慮と中長期的な経済リターンの両立も意識した投資に向け各主体の自主的な対応を引き出すことが重要であるとされている。このことから「不動産の取引に当たっては、短期的な価格上昇期待のみに基づくものではなく、資産が生み出す中長期的な価値を基本として行われるようになることが望ましい」とする。

また、不動産に期待される役割について「周辺地域等との関係性を有し、不動産の規模・用途等によって異なるほか、地域の実情によっても異なり得る」と柔軟性を指摘。そのうえで「国際社会のESG投資の動向に即しつつ、我が国不動産市場の安定的かつ持続的な拡大に向けて、国内外の投資家に受け入れられる不動産投資市場を実現」するための具体的な取り組みの方向性、国と関係機関の役割について記述している。

【参照リリース】「社会的なインパクト」という第3軸目も意識した不動産投資を!~ESG不動産投資のあり方検討会、中間とりまとめ策定~

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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

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