相続した土地を放置するリスクは?初期費用の安い土地活用も紹介

相続で土地を取得した人の中には、土地を使用したり売却したりせずに放置している人も多いのではないでしょうか。

少子高齢化により人口減少の続く日本では、活用されずに放置されている土地が増加傾向にあり、土地を放置しておくことのリスクは年々高まっていると考えられます。

この記事では、相続した土地を放置した場合に起こるリスクと初期費用の安い土地活用を紹介します。

目次

  1. 相続した土地を放置するリスク
    1-1.相続関係が複雑になる
    1-2.固定資産税の負担が大きい
  2. 初期費用の安い土地活用
    2-1.事業用定期借地
    2-2.トランクルーム経営
    2-3.駐車場経営
  3. まとめ

1.相続した土地を放置するリスク

土地を所有している被相続人が亡くなったことによって土地を相続した相続人の中には、特に売却や運用することなくそのまま放置している人も多いと思います。土地を放置してしまうとどのようなリスクがあるのでしょうか?

相続した土地を放置するリスクとして、以下の2つが挙げられます。

  • 相続関係が複雑になる
  • 固定資産税の負担が大きい

それぞれのリスクを詳しく見ていきましょう。

1-1.土地の相続関係が複雑になる

相続した土地をそのまま放置していると、相続関係が複雑になる可能性があるので注意が必要です。

土地を相続しても必ず名義変更の手続きが必要というわけではないため、相続したまま運用されず、名義変更の手続きを行われていない土地も少なくありません。

しかし、名義変更の手続きを行わないまま放置すると、相続人がどんどん枝分かれすることにより相続関係が複雑になってしまう可能性があります。

名義変更の手続きが長年放置されているケースでは、既に相続人の一部が亡くなっていて名義変更の手続きが複雑になることや、話し合いがまとまりにくくなるので注意しましょう。

1-2.固定資産税の負担が大きい

相続した土地の所有者は、使用の有無に関係なく固定資産税、都市計画税を支払わなくてはなりません。

建物が残ったままの宅地を所有している場合の固定資産税と都市計画税は、土地の面積に応じて以下のような軽減措置を受けられます。

固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地(200㎡まで) 課税標準額×1/6×1.4% 課税標準額×1/3×0.3%
一般住宅用地(200㎡以上) 課税標準額×1/3×1.4% 課税標準額×2/3×0.3%

しかし、相続したのが更地の場合には、軽減措置を受けることができません。固定資産税は最大6倍、都市計画税は最大3倍まで負担が大きくなります。

仮に課税評価額が3,000万円の更地を相続して放置していた場合は、固定資産税42万円、都市計画税9万円の合計51万円を毎年支払わなくてはならないので注意しましょう。

2.初期費用の安い土地活用

土地を放置することによって生じるリスクを少しでも軽減するには、しっかり名義変更の手続きを行う、売却または運用のいずれかを行うことによって固定資産税や都市計画税の負担を抑えたり、運用益によって費用を捻出するなどの対策が有効です。

土地活用には様々な手段がありますが、多額の初期費用が必要な土地活用を選択した場合はリスクが高まる傾向にあります。そのため、リスクを少しでも抑えたい人は、以下のような初期費用の安い土地活用を選ぶのも1つの選択肢と言えます。

  • 事業用定期借地
  • 等価交換
  • 駐車場経営

それぞれの土地活用を詳しく見ていきましょう。

2-1.事業用定期借地

事業用定期借地とは、土地を事業用として使用したい人に一定期間貸し出すことによって収入を得る土地活用です。

例えば、資材置き場を探している会社や駐車場経営やコンビニ経営を行いたいオーナーに貸し出します。

事業用定期借地の契約期間は10~50年の範囲内で設定するため、長期にわたって収入を得ることが期待できます。また、土地をそのままの状態で貸し出すため、多額の初期費用はかかからないメリットがあります。

しかし、土地の地価が上昇しても契約時に設定した賃料は変更できず、契約期間中は途中解約できないというデメリットも伴います。仮に大幅なインフレによって現物不動産の価格が上昇したとしても、賃料変更の交渉が難しいことに注意が必要です。

事業用定期借地の失敗を未然に防ぐためには、契約時の賃料設定の判断を誤らない、土地を使用する予定がないかをよく考えてから始めることが重要と言えるでしょう。

2-2.トランクルーム経営

トランクルーム投資は倉庫の貸し出しを行うことで収益を得る投資方法です。管理を自身で行って個人や企業に直接貸し出す個人運営方式、トランクルームの運営を行っている業者に土地やトランクルーム等の設備を貸し出すリースバック方式などがあります。

土地にコンテナを設置して収納スペースを貸し出すトランクルーム経営の場合、建物が経っていない土地であればコンテナを購入して設置するだけなので、初期投資を少なく抑えることが可能です。

一方で空き室のリスクや、周辺のトランクルームの値下げによるレンタル料の下落リスクなどのデメリットがあります。実際に運用する場合は周辺の需要やレンタル料の相場を調べ、慎重に検討しましょう。

【関連記事】トランクルーム経営のメリット・デメリットは?土地活用の手順も解説

2-3.駐車場経営

駐車場経営には、狭くて小さな土地でも始められ、すでに更地であれば少ない初期費用で始められるがメリットがあります。

相続したのが大きな土地ではなく、近くに住宅街や繁華街があって需要が期待できる場合は駐車場経営を始めることも選択肢の1つと言えるでしょう。

しかし、駐車場経営は基本的に平面での有効活用になるため、利用効率が悪いだけでなく、利回りが低くなるというデメリットがあります。

コインパーキングの場合は、利回りは月極駐車場より高くなる可能性があるものの、機械を設置する費用やフランチャイズ料などが発生するため、月極駐車場よりは初期費用が大きくなるという点に注意が必要です。

【関連記事】駐車場経営のメリット・デメリットは?始め方や手順も解説

3.まとめ

相続した土地を売却または運用せずに放置している人も多いと思いますが、放置によって相続関係が複雑になる、固定資産税の負担が重くのしかかる可能性があるので注意が必要です。

運用を始めるにあたって、初期費用の大きな土地活用を選択すると、リスクが高まります。リスクを抑えながら土地活用を行いたい方は、初期費用の安い活用方法から検討されてみると良いでしょう。

活用方法によってメリット・デメリットが大きく異なるため、違いをよく理解してから土地活用を始めましょう。

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矢野翔一

矢野翔一

関西学院大学法学部法律学科卒。宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)などの保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産投資を行う。HEDGE GUIDEでは不動産投資記事を主に担当しています。専門用語や法律が多く難しいジャンルですが分かりやすくお伝えしていきます。