空き地や空き家といった不動産を所有している人の中には、そのまま放置しているよりも有効活用したいと考えている人もいると思います。
有効活用の手段の1つに駐車場経営を始めるという選択肢がありますが、駐車場経営にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
この記事では、不動産の有効活用の手段の1つである駐車場経営のメリットとデメリット、手順について解説します。
目次
- 駐車場経営の3つのメリット
1-1.空き地の場合、初期投資を抑えられる
1-2.土地の大きさの影響を受けにくい
1-3.その他の土地活用に転用しやすい - 駐車場経営の3つのデメリット
2-1.宅地の場合、固定資産税が増額する
2-2.賃貸経営などと比較して利回りが低い
2-3.解体費用など、初期投資が大きくなる可能性もある - 駐車場経営を始める手順
- まとめ
1.駐車場経営の3つのメリット
土地や建物などの不動産の所有者には、固定資産税や都市計画税などの税金が課されます。これらの税金や費用負担は使用の有無に関係なく生じるものであるため、空き地や空き家にも税金が生じます。
空き地や空き家をそのまま放置している所有者の中には、このような税負担を軽減するために有効活用を検討している人も多いでしょう。
駐車場経営も不動産の有効活用の選択肢の1つです。駐車場経営のメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 空き地の場合、初期投資を抑えられる
- 土地の大きさの影響を受けにくい
- その他の土地活用に転用しやすい
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
1-1.空き地の場合、初期投資を抑えられる
所有している空き地の有効活用としてアパート経営を始める場合は、数千万円~数億円の費用がかかります。
しかし、駐車場経営であれば、土地の起伏が目立つ場合の整地(アスファルト舗装する場合も1㎡あたり4,000~5,000円程度)や、雑草が生えている場合は除草などの費用が掛かるものの、比較的に少ない費用で運営が可能です。
初期投資が大きくなる土地活用の場合には、お金を借りることでキャッシュフロー悪化のリスクと隣り合わせになります。初期投資の少ない駐車場経営は、低リスクな土地活用方法と言えるでしょう。
1-2.土地の大きさの影響を受けにくい
狭い空き地を所有している場合は、建築基準法の制限を受ける賃貸経営やコインランドリー経営、トランクルーム経営などの有効活用には転用しにくいでしょう。
一方、駐車場経営は広大な土地を必要としていません。狭い土地でも駐車スペースを確保することが出来れば駐車場経営を始められるため、土地の大きさの影響を受けにくいと言えます。
目安としては、10~15坪程度の土地があれば2~3台分の駐車スペースを確保することが可能です。また、所有しているのが変形地の場合、建物の建設ではデッドスペースが生じやすくなりますが、駐車場経営であればデッドスペースもうまく活用しやすいでしょう。
1-3.その他の土地活用に転用しやすい
駐車場経営は土地にほぼ手を加えないため、他の有効活用方法への転用が容易であるメリットがあります。
土地活用でうまく収益が得られなかった場合、有効活用の手段を見直す必要があります。
しかし、賃貸経営やコインランドリー経営、トランクルーム経営などの有効活用方法では、建物の撤去や設備の撤去といった手間がかかるため、他の有効活用には転用しにくいというデメリットがあります。
一方、駐車場経営は土地にほぼ手を加えないため、他の有効活用方法への転用が容易となります。初期投資が少ないメリットと併せて、投資のハードルが比較的低い点は駐車場経営の大きな魅力であると言えるでしょう。
2.駐車場経営の3つのデメリット
駐車場経営には、初期投資を抑えられる、転用しやすいといったメリットがありましたが、メリットだけに目を向けずにデメリットもしっかりと理解することが重要です。
駐車場経営のデメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 宅地の場合、固定資産税が増額する
- 賃貸経営などと比較して利回りが低い
- 解体費用など、初期投資が大きくなる可能性もある
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
2-1.宅地の場合、固定資産税が増額する
戸建住宅を所有している場合、土地が宅地として扱われることになるため、固定資産税や都市計画税の優遇措置が適用されています。
しかし、家を解体して駐車場経営を始める場合、土地が宅地として扱われなくなるため、優遇措置が適用されなくなることで税負担が大きくなります。
戸建を解体して駐車場経営を始める場合は、投資することで得られるリターンだけでなく、増額する税金についても確認しておくことが大切です。
2-2.賃貸経営などと比較して利回りが低い
賃貸経営やコインランドリー経営、トランクルーム経営は土地を縦に使えるため、効率良く活用することによって高い利回りでの有効活用が可能です。
しかし、駐車場経営は基本的に平面での有効活用になるため、利用効率が悪いだけでなく、利回りが低くなるというデメリットがあります。
2-3.解体費用など、初期投資が大きくなる可能性もある
空き地で駐車場経営を始める際は、初期投資が大きくなる可能性は低いと言えます。しかし、土地の上に建物が建っている場合には解体しなければならず、初期投資が大きくなる可能性があるので注意が必要です。
また、月極駐車場の場合は土地の整地費用程度で済みますが、コインパーキングの場合には設備費用がかかります。土地賃貸方式という業者に設備費用を負担してもらって、代わりに土地の賃料を受け取るという方法もありますが、利回りがさらに低くなる可能性があります。
駐車場経営を始める際は、初期投資を踏まえながら月極駐車場またはコインパーキングのどちらにするのかよく考えてから選びましょう。
3.駐車場経営を始める手順
駐車場経営を始める場合、まず月極駐車場またはコインパーキングのどちらにするのかを決定します。
月極駐車場にする場合には、契約者の募集や管理を不動産会社に依頼することができます。不動産会社に相談する際は、駐車場経営に適している土地かどうかも併せて確認をしておきましょう。
コインパーキングにする場合は、コインパーキングを手掛けている企業を自分で探して話を進める必要があります。しかし、コインパーキングを手掛けている企業の数は多いため、選ぶことはなかなか容易ではありません。
企業ごとに設備投資の費用や維持管理にかかる費用は異なるため、よくリサーチしてから業者を選ぶことが重要と言えるでしょう。
複数社から土地活用の提案が受けられる「HOME4U」
HOME4Uは、NTTデータグループが提供するサービスで、マンション経営やアパート経営、駐車場経営、賃貸併用住宅、大規模施設などの収益性の高い土地活用や不動産投資について、最大10社の収益最大化プランを比較することができます。
駐車場経営やその他の活用方法と比較することも可能ですが、興味のある活用方法に絞って、提案を受けることも可能です。駐車場経営が得意な業者を探したい場合には活用してみましょう。
まとめ
空き地や空き家といった不動産を所有していて放置したままになっている場合でも、固定資産税や都市計画税などの費用がかかります。これらの空き地や空き家を有効活用すれば、得られた収入を支払いに充てることで費用負担を軽減することが可能です。
有効活用の手段の1つに駐車場経営という選択肢がありますが、初期投資を抑えられる、土地の大きさの影響を受けにくいといったメリットがあります。一方、税負担が大きくなる、利回りが低いといったデメリットを伴います。
駐車場経営を始める場合はメリットとデメリットをよく比較し、運営を始めても問題がないか慎重に検討することが大切です。
矢野翔一
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