不動産投資をするなら人口が多く賃貸ニーズのある東京はメリットが大きいことが考えられます。しかし、東京といっても、都心のオフィス街や住みたい街にランキングするような人気エリア、郊外の駅近など投資対象となるエリアは様々です。エリアによって住んでいる人たちの家族構成にも特徴があります。東京で不動産投資をするにはどのエリアが良いのでしょうか?
この記事では東京のマンション価格などを確認した上で、東京で不動産投資をする場合のおすすめの町を特徴別にご紹介したいと思います。
目次
- 東京都のマンション平均価格と利回り一覧
1-1.東京都のマンションの平均価格
1-2.東京都のマンションの利回り - 市区町村ごとの人口推移と平均年齢
2-1.市区町村ごとの人口
2-2.市区町村ごとの平均年齢
2-3.市区町村ごとの一世帯当たりの人数 - 東京で大学生の賃貸ニーズが期待できるエリア
3-1.23区では都心部に大学が集中。沿線の住宅地も注目
3-2.多摩地域では大学の周辺の物件が人気 - 東京で単身社会人の賃貸ニーズが期待できるエリア
4-1.都心のオフィス街
4-2.大企業や工場の付近
4-3.役所の付近 - 東京でファミリーの賃貸ニーズが期待できるエリア
5-1.高所得世帯には都心近くのマンションが人気
5-2.郊外の駅近マンションや戸建賃貸を狙う - まとめ
1.東京都のマンション平均価格と利回り一覧
東京都のマンションの平均価格と利回りについて見てみましょう。
1-1.東京都のマンションの平均価格
以下の表は東京都の区分マンション価格の推移です。
*不動産投資と収益物件の情報サイト健美家調査「四半期レポート2019年7月~9月期」から引用
こちらの表から東京都内でも23区内と東京市部とでは、価格が築10年未満の場合に1,000万円近く差が生じており、23区内の方が高いことがわかります。またどちらのエリアも築年数が経過するほど価格が低くなることが確認できます。このことから価格面だけで見ると23区内より市部の方が取り組みやすいことが考えられます。
1-2.東京都のマンションの利回り
では、利回りはどの程度あるのでしょうか。健美家による同様のデータから引用します。
*不動産投資と収益物件の情報サイト健美家調査「四半期レポート2019年7月~9月期」から引用
こちらの表で2019年7月~9月の23区と東京市部の利回りを確認してみましょう。築10年未満では東京23区が4.53%、東京市部が4.74%であまり差がありません。しかし築20年以上になると、23区が6.73%に対し東京市部では9.26%と、2.53ポイントも利回りの差が大きくなることが確認できます。
仮に価格が2,000万円の場合、2.53ポイントの差を年間の収益に直してみると以下のようになります。
2,000万円×2.53%=50万6,000円
上記の例では50万円以上も収益に差が出ることがわかります。東京23区と東京市部では物件の平均価格が違いますし、また全ての物件でこの通りになるわけでもありませんが、エリアと築年数の違いでこのような収益の差が出てくるということも考慮して投資を検討することが大切です。
2.市区町村ごとの人口推移と平均年齢
東京都内でも都心部と郊外では人口や平均年齢に違いがあります。市区町村ごとにどれくらい違うのかを見てみましょう。
2-1.市区町村ごとの人口
以下の表は東京都総務局統計部が作成した資料で、平成31年1月1日時点における東京都内の市区町村別の人口が確認できます。
*住民基本台帳をもとに東京都総務局統計部作成資料から引用
こちらの表から区部の人口の総数は約948万人で市部は約417万人と、区部の人口が市部の2倍以上になることが確認できます。
2-2.市区町村ごとの平均年齢
次に市区町村ごとの平均年齢を見てみましょう。以下の表は同じく東京都総務局統計部の資料から引用したものです。
*住民基本台帳をもとに東京都総務局統計部作成資料から引用
こちらの表から区部の平均年齢は44.48歳、市部が45.72歳と、区部が1歳位ですが低いことが確認できます。
2-3.市区町村ごとの一世帯当たりの人数
さらに世帯当たりの人数を見てみましょう。以下も同じ資料から引用したものです。
*住民基本台帳をもとに東京都総務局統計部作成資料から引用
こちらの表で、区部では江戸川区以外は一世帯あたりの人口が2人を切っていることが確認できます。逆に市部はほとんどが2人以上の世帯だということが確認できます。
このような資料から人口は市部より区部に集中していることが確認でき、都心回帰の傾向が進んでいることが考えられます。また、区部では一世帯当たりの平均人数はほぼ2人を切っていることから、ファミリー層より単身者層の不動産の方がニーズは高いことが考えられます。
投資をする際はこのような傾向があることを考慮して取り組むことが大切です。
3.東京で大学生の賃貸ニーズが期待できるエリア
次に単身用の物件で主なターゲットになり得る大学生の賃貸ニーズについて見てみましょう。
3-1.23区では都心部に大学が集中。沿線の住宅地も注目
以下は東京都総務局統計部による資料で、東京都区部と市部にある大学数を確認できます。
*東京都総務局統計部調査「平成30年度学校基本統計」から引用
こちらの表から東京23区と市部の中では、千代田区にある大学数が14校で、最も大学が多いことが確認できます。また近隣の文京区、港区、新宿区といった都心付近に大学が集中していることがわかります。このことから、大学生を対象にした場合、千代田区など都心の周辺や、大学最寄り駅の沿線が賃貸ニーズは高くなることが考えられます。
3-2.多摩地域では大学の周辺の物件が人気
多摩地域では大学は幅広いエリアに散らばっていることが確認できます。多摩地域の場合、都心と比較すると家賃が低くなりますので、より大学の周辺に住む学生が多いことが予測されます。そのため、沿線エリアよりも大学周辺の物件が人気があることが考えられます。
4.東京で単身社会人の賃貸ニーズが期待できるエリア
では東京で単身者を対象とする場合、どのエリアで賃貸ニーズが期待できるかを見てみましょう。
4-1.都心のオフィス街
職住近接の考えで都心のオフィス街に住む人が増えています。職住近接とは職場の近くに住むことです。会社の近くに住むことで通勤時間が短くなりますので、習い事をしたり、同僚と食事に行ったりといったように、自分の好きなことに時間を使えるメリットがあります。このようなことから都心のオフィス街は高い賃貸ニーズが期待できることが考えられます。
4-2.大企業や工場の付近
オフィス街以外では大企業や工場の付近もニーズが高いことが考えられます。特に工場などは都心のオフィス街から遠いエリアにあることが多くなります。オフィス街を外れても工業地域であれば多くの人が働いている可能性が高くなりますので、賃貸ニーズが高いことが考えられます。
4-3.役所の付近
また役所の付近には役所に勤めている人が住んでいることが考えられます。また役所に勤めている人以外にも、役所が近いと何かと便利だと考える人が多く住んでいる可能性が高くなります。この傾向は都心から離れるほど強くなるほか、役所付近には中心市街地が形成されている可能性も高くなるため、安定した賃貸ニーズを期待しやすい傾向があります。
5.東京でファミリーの賃貸ニーズが期待できるエリア
単身者以外のファミリー層は、東京ではどのエリアの賃貸ニーズが高いのでしょうか。
5-1.高所得世帯には都心近くのマンションが人気
都心近くのマンションは家賃が高くなりますので、収入が少ない世帯は住みにくくなり、高所得世帯が住む傾向が強くなります。都心近くには有名な小学校や中学校があるエリアもあり、多少家賃が高くても高所得者世帯が住むことが考えられますので、そういったエリアは狙い目になってきます。
また子供のいない夫婦世帯(DINKS)は、通勤に便利な都心部を好む傾向がより強くなります。そのため、都心近くのファミリーマンションは小規模でも安定した需要が期待できると考えられます。
5-2.郊外の駅近マンションや戸建賃貸を狙う
郊外では都心の会社に通う需要が高いために、大きな駅の付近のマンションは賃貸ニーズが高くなるということが考えられます。一方、低層マンションや戸建ては駅から離れている物件が多く、閑静な環境を求める世帯に一定のニーズがあります。
ただし、郊外の場合は都内でも将来的に人口減少が進むエリアの可能性もあります。人口が減少していくとそれに伴って賃貸ニーズも減少していくことが予想されるので、郊外を選ぶ際には人口増減や開発計画などにもしっかりと目を向けるようにしましょう。
まとめ
東京で不動産投資をする際の参考として、エリア別にどのような特徴があり、それぞれどのような層を狙えば良いのかをご紹介しました。東京は都心部のマンションの人気が高い傾向にありますが、視点を変え戦略を練ることで、都心から離れたエリアでも投資効果を上げることが可能です。
不動産投資に取り組む際は、エリアの特徴や住んでいる世帯層などを考慮して戦略を練り、シミュレーションするようにしましょう。
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西宮光夏
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